世界一周(チケット)の旅 ‐ ヴェニス・イタリア前から来てみたかった街。期待通り、とても美しかったです。

8月31日(水)


   フィレンツェから
ヴェニスまでは約2時間半。
  27ユーロ。

   せっかくなので、
ビュッフェで定食(セット)
  を頂くことに。確認はしていないけど、食べ物
  のメニューは定食しかないようだ。








   一皿目はパスタ。味付けはかなりあっさり
  してはいるけど、かなりの量。

   また、ボローニャからヴェニスまではスピード
  が出ているためなのか、結構揺れるので、
  食べるのも大変。








   メインは2つ選択ができたけど、これはトマト
  と牛肉のソテー。
   メニューに載っていた名前と実際に運ばれて
  きたものの違いに
がっくり...。










   写真のケーキとともに、果物とエスプレッソが
  付いて26ユーロ(サービス料込みで28ユーロ)。

   パスタとケーキで腹を満たしたようで、なんか
  変な満腹感というか、満たされない...。








   ヴェニスのホテルはもちろん高いし、料理店
  も観光客だと分かると、かなりボッタクルようだ。
   仕方ないので、近隣の街、
メストレのホテル
  を予約。
   メストレはフィレンツェなどとは違い、なんの
  趣もない。アメリカの田舎町のよう。ホテルは
  遠く、駅前にはタクシーもいない。 地図も持たず
  にバスに乗る訳にはいかないので、炎天下、
  ひたすら歩く。
   約1時間歩いてホテルに到着(写真右側)。





   ホテルの名前は
ペンション・オーロラ。1泊
  
40ユーロ。なんとコインランドリーまである。
  前日無理して洗濯したのに...。

   外側はちょっとボロいけど、中は新築のよう。
  レンタカーを借りているような人には最適かも。









   ホテルの前のバス停はバスの運転手が交代
  する場所を兼ねているようで、英語で聞いても
  親切に答えてくれる。

   メストレ駅でバスを乗り換えてヴェニスに到着。
   でも、早速迷ってしまった...。到着したところが
  どこだか分からない...。







   まずは
サンタ・マリア・グロリオーサ・ディ・
  
フラーリ教会に向かった。入場料は2.50ユーロ。

   とても巨大な空間で、荘厳とした雰囲気がある
  ものの、どこか温かい感じがする。

   運河にはゴンドラがユラユラと浮いている。
  本当は乗ってみたいところだけど、1人だと
  かなり割高になるらしいので、我慢、我慢。





   




   サンティッシマ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会
   左手奥にある、ロザリオの礼拝堂に置かれて
  いるマリア像は、フィレンツェの名前の分からない
  教会で見たマリア像と同じくらい美しい...艶かしい...
  自分の“
タイプ”。写真撮影禁止なのがとても残念!
   絵葉書を買ったので、スキャンしようとも思ったけど、
  その良さが伝わらなそうなので、やめました。










   イタリアの教会の特徴として、フレスコ画が
  壁全体に描かれているところがある。
   一般的には礼拝堂やクーポラの天井くらい
  だと思う。


   また、ここまでコントラストが強いフレスコ画
  は見たことがないくらい。すごい迫力。






   



   実は、カラトラバによる
カラトラバ橋
  2003年に完成という記事がカサ・ブルータス
  に載っていたのでとても楽しみにしていた。
   でも、工事は中止になっていた。そばにいた
  ボートの運転手に聞いたら、理由は資金繰り
  らしい。
   イタリア人らしく、とてもあっけらかんに、突き
  放すように答えてくれた。







   ヴェニスからバスでメストレまでバスで来て、
  駅前で乗り換え。
ボーーーッとホテルに行く
  バスを待っていると、なんか奇異な形をした
  建築物が目に入った。どうやら形からして教会
  のようである。
   バス停から歩くこと約10分強。その教会に
  辿り着くことができた。






 
   鐘が並ぶ建物の上端から流れるように
  屋根が降りてきて、教会の出入り口に至る
  部分で左右に分かれる。

   雪が降ったら、スキーのジャンプ競技が
  できそうである。







   教会の名前は
Convento Sacro Cuore
  というようである。通称
メストレ修道院
   興味津々だけど、もう時間が遅いので見学
  は無理そうだった。

   仕方ないので、この日はそばにある中華の
  テイク・アウト店で晩飯を摂り、ホテルに帰った。







   この日は疲れが溜まっているのか、足取りが
  重い。ハンカーノックかと思い、多めに食べたり、
  水分不足かも知れないので、多めに水分を摂った
  り、糖分&カフェイン不足かと思いいろいろと試し
  たけど、レモンライムジュースを飲んだら、身体が
  動き出した。どうやら、
ビタミン不足だったようで
  ある。
   そこで、ヴェニスのスーパーで果物を買ったけど、
  これだけ買って、
なんと2ユーロ以下
安!!





9月1日(木)

    この日はちょうど50日目。このツアーの丁度
  中間点である。
   昨日買った果物を食べて、
前日に発見した
  教会に行ってみた。

   無断で教会地下部分にある礼拝堂に入り、
  
熱くどうしても内部を見たいと掛け合ったら、
  職員のような年配の女性が快く対応してくれた。







   
内部に案内されて、唖然!!まさかとは
  思っていたけど、通り側の壁一面はグラデー
  ションを駆使した、
巨大ステンドグラスだった
  のだ!!










   実際に測ったわけではないけど、恐らく
  1つのコマが1辺2メートルくらいあると思う。

   すごい迫力だし、不思議な妖しさを感じる。










   反対側の壁にはステンドガラスはないけど、
  コルビュジェのロンシャンの教会のように、
  屋根と壁の間に窓が組み込まれている。
   これは恐らく、シルエットとして富士山の
  ような形を強調するためだろう。









   建物の上部には、大きな鐘が並んでいる
  のだが、それらが室内から見えるのかと
  思ったら、なんだかよく分からない構造物が
  見えるだけ。









   中央に置かれたテーブルも、とても奇異な
  形をしている。まるで、丸い板をくり抜いた後
  の端材のよう。

   案内してくれた女性は「この教会は夏暑く、
  冬寒いから大変」など、率直な意見を述べて
  いたけど、その深層は心からこの教会を愛して
  いるようである。






   建物自体、体育館のように方向性があまり
  ないためか、マリア像も壁際に置かれていた。

   写真の小窓もロンシャンの教会の影響を
  受けていると思われる。
   でも、これだけのスケールの作品でそれを
  行うのは確信犯というより、オリジナルの昇華
  という意味合いを持つかもしれない。






   内部にある階段は片持ち。

   その後、案内してくれた女性がこの建物が
  取材を受けた建築雑誌のコピーをくれた。

   建築家は
Adriano Galderisi だという。
  彼女によれば、この教会を作るまでは無名
  だったけど、この教会で有名になったとのこと。







   写真は昨日撮影したもの。

   上部の鐘までの柱に見える部位は、螺旋階段を
  包含しているように見えるけど、実は補強のため
  の柱で、
地中百メートルくらいまで埋まっている
  らしい...。
   ビックリしたけど、この辺りは干潟地帯なので、
  このくらいの長さ(深さ)が必要なのだということで
  ある。







   ヴェニスに到着。まずはボートに乗り、
  ジューデッカ島へ。

   
レデントーレ教会パラディオの作品。
  内部は白く塗られ、フレスコ画や絵画は
  ほとんどない。真夏の天気の良い日に
  入ると、涼しげで気持ちよい。
   でも、美しいけど、ちょっと物足りなさを
  感じてしまう。






   半円形の窓からの円錐形と、天井のそれ
  より大き目の半径の円錐形が貫合すること
  によってできる稜線は、CADが当たり前に
  なった現代では簡単に確認できるけど、16
  世紀では管理が恐らく難しかったはず。
   気を抜いていると、S字のように乱れて、
  気持ち悪くなる。

   他の教会ではあまり見られなかった処理。






   
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会
  同じくパラディオの作品。とても美しい。
  コリント様式の4本の柱は伸びやかで、
  ギリシャの神殿のようである。










   またボートに乗って対岸に戻り、
スカルパ
  が改装した
クエリーニ・スタンパーリアへ。

   入り口から左部分はマリオ・ボッタが改装
  を行ったと、日本に帰ってきてから知った。









   内部は撮影禁止なので、紹介できないけど、
  そこはまさに耽美の世界だった。ある意味、
  かなり和の世界に近いと感じた。

   付属するカフェは撮影可能なようなので、
  何枚か撮影。図書館が上階にあるためか、
  若い女性がたむろっている。







   上の写真に写っている女の子が携帯で
  ダラダラ電話していたので、話しかけて、
  どいてもらった。

   どうやら、スカルパの作品であることが
  知らなかったか、価値が分からなかった
  ようだった。










   ちょっと身を乗り出して、上の写真にも
  映っている池(?)を撮影。

   似たようなデザインをスペインでも発見
  するので、覚えていてね!?








   
サン・マルコ寺院。どこかイスラムの建築物
  のように感じるのは私だけだろうか?

   中は撮影禁止なので、ここも紹介できない。
  でも、正直、今ひとつだった。
   過去の遺物をそこまでありがたがるのかと、
  違和感を感じたくらい。
   そのため、隣接するドゥカーレ宮殿などの
  建物を見る気がしなくなってきた...。






   そこで、ボートに乗って、リド島に向かった。
  早速、そばにあるレストランに入って
ラザニア
  とビールを注文。11.50ユーロ。
   ラザニアは味自体は悪くないけど、生地が
  ベチャベチャ。後で気が付いたのだけど、店の
  名前は
Hu Shao Wu。どうやら中国人夫婦に
  よるお店のようである...。失敗...。







   リド島は歩いているととても気持ち良い。
  まるで、ハワイやケアンズなどに来ている
  ようだった。











   ここは高級リゾート地らしいが、砂浜は
  吸い殻だらけ。
   でも、意外と海がきれいだった。波はない
  けどね。










   海岸に向かう途中(往き)に別の店で焼き
  上がったラザニアを発見!
   その時は我慢することにしたけど、帰りは
  我慢できなかった。まだ、30分も経ってない
  のに...。ミネラル・ウォーター込みで10ユーロ。
  
ラザニアの梯子は初めて。








   見てみると、ちょっとウットリするくらい
  良い感じ!
   でも、一番上の生地はカリッとしていたのに、
  その下からはベチャベチャで、今回イタリア
  で食べたラザニアで
一番不味かった

   料理も見た目じゃない?






9月2日(金)

 計画では、この日はトレビソにあるスカルパの究極の作品、トンバ・モヌメンターレ・ブリオンに行くつもりだった。でも、かなりアクセスが難しいことを知り、その代替案として、列車でスカルパの作品があるベローナに行くことにした。
 往きは12.65ユーロ(急行・指定席料込み)。時間は1時間強。帰りはローカル列車だったので、9.40ユーロ。

   ベローナは単なる田舎町かと思っていた
  けど、とても美しい街だった。フィレンツェ並
  かそれ以上かも。
   また、観光客が比較的少ないのがよい。


   不安なのは、またまた「地球の歩き方」など
  のガイドがないこと。駅前で無料の地図を
  もらって歩き出す。






 スカルパがリフォームした
Musei Civici Verona は大満足。入場料も良心的な4ユーロ。
 美術館にいる日本人は建築マニアが多く、建物しか観てないので、展示品を鑑賞している他の国の見学者と交錯することを見ることが多かった。

    


    



   展示スペースの壁沿いには荷物置き場だか、
  作品をゆっくり鑑賞するためのベンチだかよく
  分からない低い棚のようなものが設置されて
  いる。これが、また、妙な存在感・緊張感が
  あるんだな。









   これは展示ルートで最後のステップ。これを
  降りると、玄関ホール(エントランス)になる。

   見学ルートの最後の階段から出口付近には、
  スカルパのボキャブラリが溢れている。もし
  行ったら、首を上下左右に動かして確認して
  欲しい。







   街の中央部にあるアレーナ(円形闘技場)
  は改修中で、中には入れないような雰囲気。

   これまで工事現場でいろいろな作業用の
  壁を見てきたけど、ここまで手が込んだもの
  を見るのは初めて(闘技場の右半分)。
   1回使っただけで捨ててしまうのだろうか...。







   昼はもちろん
ラザニア。アレーナのすぐ
  横にあるお店で注文。
   運ばれた時点で、ホワイトソースが多いと
  思った。食べてみると、他の店はトマトソース
  とチーズの味のハーモニーなのに、ここは
  既に混ざっている感じ。
   また、まだ冷たいところがある。冷凍食品
  かも?






   食後かなり迷って、スカルパが改修した
  
ベローナ銀行に到着。銀行なんだから、
  仕方ないかもしれないけど、セキュリティが
  かなりきつくて、事前に許可がないと
内部の
  見学はできない。









   
スカルパの世界は古典落語に近いところ
  があると思う。漫才などと比べて激しさなど
  ないが、絶妙な間やリズム感を強く感じる。











   先輩が作った作品の良いところは壊さず、
  自分の味を加えて、結果としてオリジナル
  を超える作品になったり、現代風に生まれ
  変わったりする。
   同感してもらえるかな?









   ヴェローナは、大通りももちろん美しいが、
  やはり写真のような小道も趣がある。

   どうやれば、このような通りを日本で作り、
  維持することができるのだろうか?
   まずは小汚い看板を通りから降ろして、
  電柱を地下に埋めれば、違った表情に
  なるかもしれない。









   ロミオとジュリエットの
ジュリエットの家
  いってみた。 写真の女性もジュリエット気分
  のようだった...。周りの人は苦笑...。













   列車でメストレに戻る。
   晩飯は
コロンブス(Columbus)という、
  メストレで数少ないレストランテ・ピッツェラ
  のひとつでシーフード・ピザ(8ユーロ)を
  注文。








   生地が適度に薄く、カリッと焼かれている
  ので、なにも掛かっていない耳まで美味しく
  いただける。
   一方、具のほうがこちらの期待と異なり
  色合いが悪いし、小さいタコがそのまま載って
  いたり、太いイカの足がぶつ切りだったりと
  グロテスク。
   でも、味、香り、生地ともに満足できる
  レベル。値段も、ビールとコーヒー込みで
  14ユーロは納得プライス。見た目がなあ...。




9月3日(土)

   ただでさえアクセスが悪いのに、土曜日は
  さらにバスの本数が減る。フロントで聞いたら、
  空港までタクシーで15ユーロくらいだとのこと。
   ゲーリーの新しい空港ビルもじっくり見て
  みたいこともあり、タクシーを呼んでもらう。
   すると来たのは
ムルティプラ!一度乗って
  みたかったんだよね。車体回りの乗り心地は
  意外と良くてビックリしたけど、リアシートは
  落ち着きが悪い。そして意外に狭い。





   空港に到着したけど、フロントがいっていた
  よりも料金が高く、空港乗入れ料を含んで
  35ユーロ...。
   そして、ゲーリーが設計したような建物は
  見つけられない。写真の建物は、最近建てら
  れたようなので、ゲーリーの作品はこれに
  隣接する形で建てられるか、予算の関係など
  で、計画がなくなってしまったのかも知れない。




 ヴェニスはテレビや雑誌で見た通りだった。、それ以上でも、それ以下でもなかった。


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