世界一周(チケット)の旅 ‐ マドリッド・スペインなんといっても、クエンカの街は、とても幻想的で美しかったです。

9月3日(土)

   宿泊したホテル・プエルタ・デ・トレドトレド門
  (Puerta De Toledo)の正面に建つ。地下鉄の
  Puerta De Toledo 駅もすぐそば。
   インターネット経由で予約したのだけど、一泊68
  ユーロのところが、
49ユーロ弱だった

   室内はちょっとお疲れの中級ホテル。受付には
  中年オヤジが何人もいるけど、
誰もまともに英語
  を喋れない...。


   「地球の歩き方」にはシャワー・ルームが狭いと
  書いてあったけど、本当だった。




9月4日(日)

   この日のお昼にF1の放送があるので、
  ホテルで見ようか、外出しようか悩んだ
  けど、結局
アランフェスに行くことにした。
   近郊電車で約45分(2.55ユーロ)で到着。

   王宮に隣接する公園では、老若男女が
  集まって、丸い石を使った遊びをしていた。








   スペインでは
IRIZAR というメーカーのバス
  を良く見かけた。気持ちは分かるけど、かなり
  無理なデザイン。

   ちなみに、この街はロドリゴのアランフェス
  
協奏曲で有名になった。恐らく、
ジム・ホール
  や
リー・リトナー&渡辺 香津美の演奏を聴いた
  ことがあるのではないかと思う。






   まずは駅に近い
王宮に入る。4.50ユーロ。
   見所は
アラブの間喫煙の間)。この部屋は食後
  の喫煙席だったとのこと。
   全く、どんな煙草を吸っていたのか...。またはこの
  部屋なら、普通の煙草でもトリップ出来そう...。

   写真で分かってもらえるか分からないけど、装飾
  は特に上下方向で立体的に構成されている。見応
  えは十分。




   




   好みはあるけど、
磁器の間もダリのような
  シュールさも感じる...。
   もし、自分の部屋がこんなだったら、寝る時
  に怖くて照明を消せない...。












   王家を出て、ゴンドラ博物館に向かう途中、
  川岸にすごい人が集まっているので、何が
  始まるのかと聞いたら、ボートがやってくる
  とのこと。
   日曜日だから、
王家の船を実際に浮か
  べるのかと思い、待つこと30分。
   現れたのは、プラスチックのボトルで作ら
  れた船だった...。この街には
このくらいしか
  
娯楽がないのか...。






   
ゴンドラ博物館では王族が暇つぶしに隣接
  するタホ川を遊覧する時に使った船を数多く
  展示している。
   入り口に係員がいなかったので、タダで入った
  けど、本当に無料なのかな?

   よっぽど金があり、死ぬほど暇だったようで、
  一艘ごとのデキはなかなか。






   30分くらい(?)歩いたところで
農夫の家
  到着。早速、内部を見学しようとしたら、入口
  で
予約がないと入れないといわれた。

   「地球の歩き方」にも、そんなこと書いてなかっ
  たので、かなりショック!!入場制限するほど
  観光客もいなかったのに...。






   基本にはアランフェスには3ヵ所しか見学
  するところはないけど、その3ヵ所を結ぶ公園
  の小道が本当に美しい。気分が安らぐ。

   街が小さいので、3ヵ所を回っても半日くらい。
  でも、こういうところでゆっくりするのも良いかも。

   振り返れば、アランフェス協奏曲らしい時が
  流れるのは夕暮れ時かな。昼間はポルカと
  いった感じだった。





   マドリッドに戻り、アトーチャ駅を出ると眼の
  前に圧倒的な存在感がある建物を発見。
   地図で調べたら現在建築中だけど、どうやら
  
国立ソフィア王妃芸術センターのようである。










   ということは、あの安藤 忠雄先生が敗れた
  案件ということになる...。そしてこの建物を設計
  したのは
ジャン・ヌーヴェル!

   タイル張りの柱に見える部分のマッス感は、
  まるで積み木のようで、とても彼らしい。
   納得のデザインだね!?完成したら是非見て
  みたい。






   建設中の美術館のお隣には、ヴァスケス&

  イニグエス+リッチーが改修した、
レイナ・
  
ソフィア・アート・センターがある。
   北側の部分は既存の建物を保存するような
  形で改修が進められていて、ガラスによって
  囲われたエレベータが追加されていた。
   基は18世紀に建てられた病院だということ
  が分からないくらい、洗練されていた。






   
アトーチャ駅に戻り、ラファエル・モネオ
  改修した駅舎を見学。

   写真は
旧駅舎内部。植物を育てるためか、
  湿度が高いようで、ちょっと煙ってるように
  感じた。意外と居心地が良くない。








   隣接する屋外の駐車場。もちろん駐車は
  有料。これはもちろん、新たに建てられた。












   横の窓が変わっている。もしかしたら、
  可動式?












   これも新規に作られた
エントラス・ホール
  なんでも、この建物の屋根は、ローマのパン
  テオン
のような処理が行われているという。
   残念ながら、見損なった...。









   カステリャーナ通りを北上すると、プラド
  美術館
など、いくつかの美術館が現れる。
  本当に、この辺りは美術館天国。

   写真は
ティッセン・ボルネミッサ美術館
  ラファエル・モネオによる改修。結局、外観
  を見るだけで終わってしまったけど、下の
  写真のように、オリジナルの建物を尊重
  しながらも、新しい魂を与えているようである。




   



   その後もカステリャーナ通りを北上。
   だんだん、ヨーロッパらしいというか、
  スペイン、マドリッドらしい町並みが現れる。

   ちょっと歩いたところで、虫の知らせを
  感じ、左折してみると、銀行の支店のよう
  だけどハンス・クラインが設計したような
  建物が出現。建物は新しいようだけど、
  新旧の手法を積極的に取り込んでいるの
  が新鮮に感じた。



    


9月5日(月)

   7時に起きて、7時半にホテルを出たけど、
  まだ外は薄暗い。早朝というより、まだ夜と
  いう感じ。
   この日に訪れた
クエンカという街へは列車
  で1日4本、約2時間半の旅。乗り遅れたら
  大変だ。









   ディーゼル機関ということもあり、アイドリング
  時は船舶のようなすごい振動とガラガラという
  騒音。 走り出すと、一旦振動と騒音は大人しく
  なるけど、昨日いったアランフェスを過ぎると、
  今度は線路の方が荒れ出し、
凄い揺れ。寝て
  いられないくらい。
   スイスの登山鉄道の方が、よっぽどマシ。







   クエンカに到着し、やっと全身マッサージから
  開放される。
   「宙吊りの家」などがある旧市街へはバスでも
  いけるけど、歩くことに。最後の方は昇り坂が
  急で、ハアハアいいながらも、約30分で到着。

   ちなみに、クエンカは
世界遺産である。







   
サン・パブロ橋は足がすくむくらい怖い。高所
  恐怖症の人には無理だと思う。眺めは見事だけ
  ど、もっと頂上に向かったところでも、同じような
  景色を眺めることができる。無理することはない。













   上の写真にも写っている
宙吊りの家
   クエンカを代表する建築物だけど、意外と
  しょぼい。ちょっとテンションが下がってしまう。














   これは
カテドラル。構えが小さいこともあり、
  正直、期待値ゼロで、暇つぶしくらいの気持ち
  で内部に...。













   中に入った瞬間に
眼を疑った...。一筋の黄色
  光りが上部から斜めにさしている。あまりにも透明で
  美しかったので、色付きの照明でもあてているのか
  と思った。しかし、ステンドグラスを通して入ってきた
  太陽光だった。

   これまで世界中とは言わないけど、いわゆる有名
  な教会はそれなりに見てきた。しかし、このような形で
  彩りを与えているのは初めて。これまで見逃していた
  のか、そのタイミングを逸していたのかわからない。

   この写真の右下に見える、床に溢れる
青色の光
  に着目して欲しい。





   さらに、適度に室内を明るくしているので、微妙
  な光の色合いが分かりやすくなっているのかも知れ
  ない。他の教会で、色とりどりのステンドグラスが
  入っているところは概して礼拝堂内は薄暗く、逆に
  礼拝堂が明るいところは(例えばベニスの白い教会)
  ガラスに幾何学模様は入っていても、着色されて
  いない場合が多い。

   教会内は
撮影禁止だったけど、あまりにも美し
  かったので、数枚撮影。確信犯である。
   もちろん見つかり、
怒られた...。







   極端ないいかたをすれば、他の教会では太陽光が
  当たったステンドグラスを見せようとしていると思う。
  例えば、手の混んだ宗教画を取り上げたりして、
  薄暗い教会内に厳粛な雰囲気を醸し出している。
   一方、ここでは、ステンドグラスそのものではなくて、
  それを通して礼拝堂に注ぐ色とりどりの光を見せよう
  としているのではないか。ステンドグラスも、そう思わ
  せるようなデザインとなっている。

   正直、こんな素晴らしい教会がこんなところにある
  とは思わなかった。地球の歩き方に「一見の価値あり」
  と書いてなければ見逃していたかも知れないくらいで
  ある。
★★★★★






   カテドラルから坂道を昇ると、とんでも
  ないスケール観の景色が現れる。まるで、
  城壁都市を取り囲むようである。










   さらに坂道を登ると、クエンカの街並みを
  見下ろす絶好のポイントがある。

   写真のほぼ真ん中に写っているのがサン・
  パブロ橋。左側の大き目の建物が、旧サン・
  パブロ修道院。現在はパラドールと呼ばれる
  国営のホテルとして使用されている。

   金銭的に余裕があれば、ぜひとも宿泊して、
  夜景を見てみたい(宿泊費は高め)。




   ちょっと名残惜しいけど、帰りの電車の時間を
  考えて、城壁都市を去ることに。

   ひとつ良い教会があると、周囲の他の教会の
  レベルも高い場合が多い(ラーメン屋もそう)。
  クエンカもカテドラルから少し下がったところに
  ある教会は、中は見ることはできなかったけど、
  恐らく名作だと思われる。

   写真の門は上半分と下半分が巧みに異なった
  処理となっている。どうやら、右下の部分だけでも
  開閉できるようだけど、詳細は確認できなかった。






   残念なことに、スペインでは観光案内所が
  聞きたいときに休み(日曜日)かシエスタ(休憩
  中)で
タイムリーに情報を入手できない
  
最低!
   前日に翌日訪れる場所の情報を十分に
  入手しておく必要がある。








   新市街に下ったら、とてもユニークな教会
  を発見したけど、隣にある観光案内所が
  閉まっていて、名前も内部を見学できる時間
  も分からない...。










   試しに、ドア・ノブを回してみると、地下に
  あたる部分にある礼拝堂には入ることが
  できた。まあ、ある意味、
不法侵入だとも
  いえる。
   ステンドクラスが眩しいくらい美しい。そして、
  パターンがとてもユニークである。








   これは上記の礼拝堂の外にある待合室に
  あるステンドグラス。一番下の部分には、馬が
  モチーフになっているようだけど、それ以外は
  意味合いが分からない。

   上階にある礼拝堂を見学できないのが、本当
  に残念。もし、今度来ることがあるのなら、絶対
  に事前に調べて見学したい。










   駅のそばのパステリアで
ラザニア
  いただく。ポッドに入っているのは初めて。
   たっぷりの挽き肉が生地の間に使われ
  ているのは良い。しかし、やはり生地の
  表面が焦げるくらいの焼きが欲しい。









   ホワイトソースは使われていないので、
  味は丼の中でトマトソースと溶けたチーズ
  が絡まっているのをいただく、という感じで、
  重めのスープといういった感じ。チーズフォン
  デュにも近いかも。
   まあまあの
★★+くらいかな?





 列車があまり揺れるので、帰りはバスで帰りたいところだけど、往復チケットを買っていたため、我慢して列車で帰ることに。たかが、往復で17ユーロだけど、勿体ない。
 その列車が
揺れる、揺れる身の危険を感じるくらいこんなに揺れていいの??と思うくらい世界一揺れる列車かも知れない。


9月6日(火)

   この日はマドリッドの市内観光に出掛けた。

   まずは
アルムデナ大聖堂に行ってみた。
  飽きれるくらい巨大な建物は、王宮の真正面
  に建つ。堂々としているが、得意な(ユニーク
  に感じる)ところがないためか、圧倒されるよう
  なパワーは感じない。きれい。

   内部では特別展示が行われていたため、
  通常の状態を見ることができなかった。残念。



    



   アルムデナ大聖堂の次は
王宮

   個人では見学できないようで、英語や
  スペイン語などのグループに分かれて
  説明を受けながら見学。9ユーロ。

   まあまあかな?いろいろ見てきたので、
  ちょっと麻痺しているかも...。





   




   カテドラルを見学した後、昼食をバーガー・キング
  で摂り、プラド美術館へ。
   散々館内を歩き回って、一息入れてから、カステー
  リャ通りを北上することにした。

   すると、突然とてもユニークなビルが現れた。
  今見ていると、恐らくデザイン・テーマは意外に
  ギリシャの神殿に見られる柱のようである。
   内部を見学しようとしたけど、銀行が入っていて
  できなかった。




   




   ビジネス・ビルだけでなく、小規模な建物
  もかなり神経を使っているようである。

   これは、どうやら地下鉄の緊急避難路
  のようである。こんなの、日本では絶対に
  期待できない...。








   この通りは、噂通り変わった建築が多く、見ていて
  飽きることがない。また、ほとんどの建物が銀行か、
  銀行がテナントとして入っているようだ。
   やはり、銀行はスペインでも儲かるのかな?

   この写真の奥に見えるのは
PwCのビルのようだ。
  ここもか...と思ってしまう。










   このビルは遠くから見たので良く分からないけど、
  どうやら、外皮はガラス張りの2重構造のようで
  ある。

   ビックリするのが、これだけの規模でありながら、
  下部では1本の支柱で支えている。逆にいえば、
  この部分をここまで細い柱で支える意図が分から
  ない。ネズミ返し??









   このビルも上記の建物のそばにあって、距離が
  あるので詳細は分からないけど、カーテン・ウォール
  のように細い柱が建物を囲う。

   上のビルもそうだけど、いざ火災などが発生した
  とき、はしご車などが救出に来ても、窓から出られ
  ないんじゃないの??










   この日の
ピカイチがこの建物。そばに
  いた警官に「このビルは銀行?」と聞いた
  ら「そうだ!」といっていた。









   




   さらに、さらに歩き続けると、近隣する
  ビルが皆、カーテン・ウォールのような
  縦方向の細い柱を持つことに気が付く。

   単なる偶然か、それとも、これも一種の
  土着性(ヴァナキュラー)として、計画され
  たものなのか...。






   この建物は、どうやらホテルのようである。

   写真の枚数が異常に増えてしまったため、
  今回レポートできなかったけど、紹介したビル
  以外にもたくさんのユニークな建物に出くわした。
   例えば、
BBVAのビルは、一見奇異に映るけど、
  慣れてくるとまとまりがよいことに気が付く。
   また、レアル・マドリッドのホーム・グラウンドで
  ある
サンティアーゴ・デ・ベルナベウもこの通り
  沿いにある。







   カステーリャ通り巡りのシメはジョンソン
  &バーギーによる
ヨーロッパの門

   後日、この先にも、とっても変わったビルが
  あることに気が付くけど、別途レポートします。

   この通りは建築マニアには絶対お奨め
  です!!


   歩き続けたので、
本当に疲れた...。





バジャドリッドのレポートに飛ぶ

ツアーインデックスに戻る