世界一周(チケット)の旅 ‐ イスタンブール♪おいで、イスターンブ〜〜ル〜♪ by 庄野 真代
10月1日(土)
イスタンブールには9時過ぎに到着。
幸いなことに、その間一度もトイレに行か
なかった。やはり、メテオラでバイクに
乗ったのが効いたのかな?
モロッコ、スペイン、ポルトガル、ギリシャ
と来て、トルコでようやく治った...。長かった...。
インターネット・カフェでホテル選び。結局、
ベクダス(Bekdas)というところにした。
3つ★なのに、確か35ユーロで予約。
コーヒーを頼んだら、挽いた豆と一緒にお湯
を入れて、思いっきり砂糖を入れたものが出て
きた。もちろん、全部は飲めない...。
トゥルク・カフヴェスィと呼ばれているようだ。
ヤフーでメールをチェックしていたら、
なんと「戻る」ボタンが「Geri(下痢!)」
になっている...。
あの苦しい日々に「戻る」と思うと、気分
が重くなってきた...。
汚い話ばかりですみません。
ホテルのフロントで、しれっと宿泊料を聞い
たら、25ユーロ!でOKだという。後で、ホテル
斡旋業者がいろいろいってきて、ちょっと面倒
だったけど、この安さは魅力的過ぎる。税金を
入れても27ユーロしない。
ホテルについては、色々指摘したいところ
はあるけど、それも値段に反映されていると
思って我慢...。
イスタンブールのメイン・ストリートに出る
と、ザクロのジュースを売っているので
注文。1,500,000リラ!(126円...)
日本で売っている瓶詰めのものとは違い、
苦味のようなものは感じない。パッション・
フルーツのような甘さで、抵抗感などなく、
普通に飲める。
親父も陽気で、フレンドリー。
その後、遅いランチを摂る。
イズミル・キョフテというハンバーグと
ポテトなどを煮込んだもの。赤色のピラフ
のようなライスは、翌日に入ったレストラン
ではクスクスと呼ばれていた。確かに、
見た目は違うけど、味は近いかも。値段は
7,500,000リラ。630円なので、たいした
金額ではない。
ただ、思っていたより物価は安くない。
まずは、アヤソフィア博物館にいって
みた。入場料15,000,000リラ。なんと
1,260円!
最初はギリシャ正教の教会として建て
られ、その後、モスクとして改修されたため、
未だに壁に施されたモザイクが漆喰で
塗りつぶされている部分もあるという。
入館料は高いけど、それなりに見所が
ある。
見学後、ちょっと休憩。このルビー色の
飲み物は......チャイ(お茶)でした...。
ギリシャの人達は、休憩時間となると、
この茶を飲んでいた。味は紅茶に近い
かな。値段は1YTL(1,000,000リラのこと)
だから、84円。
となりで水パイプをしている人がいた
ので、写真を撮ってよいかと聞いたら、
「お前も吸うか?」と聞かれた。
うぅぅぅぅーっ、現在、禁煙してから8年。
トライしてみたかったけど、自分の意志が
弱いので、お断りした...。
次は、スルタンアフメット・ジャミィに
いってみた。ここは珍しく、入場料はなく、
寄付。
スルタンは英語読みでサルタンだな。頭
の中は、ダイアー・ストレイツの「悲しき
サルタン」がエンドレスで流れだす。
入り口付近にはスペインでみたアマンド
がまた現れた!
噂では聞いていたけど、実際に街角で
体重測り屋を見てビックリ!
本当のことをいえば、私も気をつけなけ
ればいけないのだけれど...。ついつい、
カツ丼の誘惑に負けて...。
これでホテルに帰るには時間が中途半端
なので、そばにある地下宮殿に入ろうか
悩む。だって、ここも入場料は10,000,000
リラだから、840円。
結局、入ったけど、あまり面白くなかった。
写真はメドゥーサの像。横になっている。
ホテルのそばにある、グランド・バザール
に行ってみる。トルコ版アメ横といった感じ。
入り口に1461と書いてあるので、ラフォーレ
のグラン・バザールよりはちょっとだけ早い
ようである。
でも、売っていた衣料品などはほとんど
偽物だと思う。だって、こんなところで、
HUGO BOSSなんて売っているわけない
でしょ!
結局、なにも買わなかった。
それでもホテルに帰るには早いので、
海に向かって歩いてみた。
怪しい旅行代理店がいっていたけど、
ホテルのあるベヤズット地区は治安は
あまり良くないようだ。
ホテルで今後のスケジュールを練った
後、外に繰り出すと、かなりヤバイ雰囲気。
ということもあり、晩飯はホテルの比較的
そばのレストランに行った。
トマト・スープとミックス・グリルを注文。
ドマテス・チョルバスと呼ばれるスープの方
は、味がこすぎてイマイチだった。少し牛乳
でも加えたいところ。
一方、イスタンブールでミックス・グリルは
失敗かと思ったら、意外にトルコ的な盛り
合わせで、なかなか美味かった。
10月2日(日)
早朝からすごい雨。濡れながらの観光は、
この街には合わないので、一日寝ていよう
かと考えていたら、8時半には雨が止んだ...。
ホテルの料金に朝食が付いているので、
6階にいくと、海を見渡すレストランが...。
雰囲気は良いのだが、料理やコーヒー、
ジュース、全てが不味い。まともに食べら
れるのは完熟トマトだけ。
まずは、昨日、観光案内所で教えてもらった
洗濯屋さんの場所の確認。
途中、スルタンアフメット・ジャミィが見える。
昨日よりも美しい。
次は、トプカプ宮殿に行ってみた。入場料
12YTL。改修中のためか分からないけど、
正義の塔は閉鎖になっていた。正直、建物
や展示物はなんの面白みもない。
ただ、服飾に興味がある人にはネタの山
と映るかも。なかなか、変わった当時の衣装
などが展示されている。
後は、写真のイズニック・タイルくらいかな。
おばあちゃん家のトイレみたいだけどね...。
第4庭園からの眺めは素晴らしい。ここまで
は晴れていたんだけどなあ...。
ハーレムも見学しょうと思い、チケットを
買おうとしたら、まだ12時前なのに、次の
見学ツアーは1時半だという。ツアーに参加
しないと見学できないというし、値段も10YTL
と高いし、見るのをやめて昼飯にした。
路面電車のスルタンアフメット駅の前に
ある、カンというロカンタ(大衆食堂)に入る。
注文したのはメルジメッキ・チョルバス
というレンズ豆のスープ。「これは豆のスープ
だよね?」と聞いたら、「レンズ豆」と日本語
で回答を頂いた...。
ドマテス・ドルマスという、トマトをくり抜いて、
サルサのようなものを詰めたものは、トマトの
酸味が強くてイマイチだった。
ナスの上にポテトサラダのような物を載せて
オーブンで焼いたものは、柔らかいが、味が
淡泊。普通のライスに見えるサーデ・ピラウ
は意外に微妙な味付けがしてあり、これが
あれば何を注文しても食事として成立する。
値段は炭酸水を込みで20YTL。
味はまあまあだったけど、やはり欲張り
過ぎて、食べ切れなかった...。
店を出ると、私が入ったときはそれほど
混んでなかったのに、店の前には観光客
の列が出来ていた。
雨が止まないので、洗濯をしようと一度
ホテルに向かうけど、豪雨のために路面
電車の駅で暫く動けなくなってしまう。
なんとか洗濯物を預け、観光を続ける。
そのまま坂を降りて、海に出る。日曜日と
いうこともあるかもしれないけど、イスタン
ブールの人は釣りが好きなようである。
でも、大きな魚を釣り上げた人を見なかった。
海岸沿いを歩き、イエニ・ジャミィに。
その奥にも2つジャミィがあるのが分かる
かな(右側)?
旧市街に当たるスルタン・アフメット、
スィルケジ周辺にはジャミィがいたるところ
にあり、トルコ特有の街の雰囲気を感じる
ことができる。
完全に好みの問題なんだけど、先にも
書いたけど、自分はイズニック・タイルが
高級感あるものには思えない。やはり、
大理石とかが張ってあるほうが、高級感
を感じてしまう。タイルを作る手間を考え
たら、逆なんだろうけどね。
やっぱり、ジャミィが曲面を多用している
ので、大理石は合わないのかな?
スペインにあれだけ素晴らしい建物を
造ったオスマン・トルコだから、タイル以外
のスタイルがなんでないんだろう...。
その後、リュステムパシャ・ジャミィ付近
を歩いていると、凄い雨。
雨が降ると、物売りの人達が雨宿りする
姿がなぜか印象的で、何枚も写真を撮って
しまった。なんだか昔の日本を見ているよう
で懐かしい。
「雨宿りは文化である」という、雨宿り
マニアはいないのかな?
洗濯物を受け取り、まだ6時だったから、
かなり早いとは思ったけど晩飯に向かう。
入ったのは、昼食で入った店の先にある
お店。昨晩はロール・キャベツがあったの
で、期待していたのだけど、料理は入れ換え
ているということで、この日はなかった。
クイマル・ユムルタという、挽き肉を煮
込んだ物に玉子を落としたものと、名前は
分からないけど、挽いた鶏肉とニンジンや
グリーンピースをパイで包んだものを注文。
挽き肉に玉子を落としたものは、味は
濃いけどサーデ・ピラウ(米の飯)とよく合い、
これだけでも充分。
鶏肉のパイの方はパサパサで美味くない。
半分しか食べなかった。もっと、こってりした
もの期待していたのだけど、クイマル・
ユムルタと同じような食感、味付けで、
ちょっと飽きてしまった感じかな。
でも、ビール込みで15YTLなら悪くない。
ホテルの廊下にある窓から、海を見てみる
とマルマラ海に船が無数に停泊している。
エーゲ海、地中海と黒海を結ぶ海路なのだ。
地理の授業みたいだね。
部屋に入ったら、そのまま寝てしまった...。
明日は晴れないかなあ...。
10月3日(月)
朝の6時に凄い音がしたので跳び起き
たら、イスラムの朝のお祈りだった。
でも、昨日はなかったと思うんだけど、
日曜日だったからかな?
その後は、また凄い雨。と、思っていたら、
9時頃には晴れていた。なんだか忙しい。
まずはスュレイマニエ・ジャミィに向かう。
建物も大きくてりっぱだが、内部のステンド
グラスはとても細かく、モザイク模様のよう。
こんなの見たことがない。
また、例のアマンド・ストライプが入り口
部分だけでなく、コルドバのメスキータの
ように主要なデザイン要素として使われて
いる。
なんだか賑やかで、楽しい!
スュレイマニエ・ジャミィのそばで見か
けた、長屋のような建物。レストランが
多数入っている。
それぞれの店舗スペースに対して、
屋根にはクープラのような丸屋根が載って
いる。実は、天文学マニアで、天体望遠鏡
やプラネタリウムだったりして...。
続いて、ガラタ橋を渡り、新市街ヘ。
世界一短い地下鉄といわれるテュネル。
途中駅はなく、乗車時間は約3分。
車両も1両編制で、途中ですれ違う。
ということは、路線で2両ということ...。
開業も1875年。
チケットの代わりにコインが使われている。
サイズが他のコイン(硬貨)と比べて明らか
に違うので、見間違うことはないだろう。でも、
ズボンのポケットに小さな穴が開いてたら、
間違いなく落としてしまうだろう。
テュネルを降りた先にある喫茶店で朝食。
レンズ豆のスープと焼きたてのパン。朝食
にはピッタリのコンビネーションだと思う。
この店は、パンが手作りというだけで
なく、客の前で粉を練って、すぐそばに
あるオーブンで焼き上げる。
こりゃ、いい店だ!★★★★★!
テュネルの駅からは、また1両編成の
路面電車でタクスィム広場まで乗る。
この路面電車は一時期使われていな
かったけど、景観保存運動により復活
したとのこと。
その後歩いてドルマバフチェ宮殿に
行ってみたけど、やっぱり休みだった。
とてもユニークなビルが新市街にあると、
昨日から気になっていたけど、そのビルは
リッツカールトンだった。
まあ、このクラスのホテルは「目立った物
勝ち」だし、デザインの自由度は高いよな。
今見ると、異常に手が長い人にも見える。
スルタンかな?
ということで、昼飯。
新市街のメイン・ストリートである、
イスティクラール通りにある、Bereket
というロカンタに入った、
ドマテス・チョルバス(トマトスープ)は
初日にトライしたけど、イマイチだったので、
再挑戦。お味は...クリーミーでウマイ!
エキメッキ・ドネルはドネル・ケバブを
エキメッキと呼ばれるパンで挟んだもの。
エキメッキは「地球の歩き方」で『世界一
美味しい』と紹介されていたけど、食べて
みたら、ギリシャ辺りから食べていた、柔ら
かめのフランスパンといった感じ。
マッシュルームはホワイトソースかと思った
ら、酸味のあるソースでダメ。
ラハナ・ドルマス(ロールキャベツ)と
ヤプラック・ドルマス(ブドウの葉で具を巻い
たもの)は両方とも冷めている上、香辛料が
かなりきつくてダメ。
でも、これで10YTLなら安いと思う。
食後はスターバックスへ。トルコのコーヒー
は凄く濃いか、薄いかのどちらかなので、
待ちに待ったスタバである。
しかし、残念ながらトルコのスタバも東京の
店のようにラテはミルクが多くて、コーヒー
の味がしない。
タリーズ派の私にはイマイチ...。
先ほども出てきた、新市街のイスティ
クラール通りはこんな感じ。
有名ブランドを売る店もあったりで、路面
電車が走ってなければ、どこの国だか分か
らなくなる。
近くには下の写真のような建物もあるくらい。
イスティクラール通りの終わり、テュネル
周辺にはビックリするくらい楽器店が多く、
フォークやエレキ・ギターがメインで売られて
いた。
ちょこっと覗いて見たけれど、残念ながら、
中古ギターはほとんどなかった。
でも、掘り出し物があるかも...。
テュネルを使って旧市街に戻り、リュステム・
パシャ・ジャミィに向かう。 赤いタイルが見所
というので来たみたけど、レンガ色がタイルの
一部に使われているだけで、その違いはあまり
分からなかった。
赤いタイルよりも、アマンド・ストライプを
効果的に使ったカラー構成の方が印象的
だった。
全く期待していなかっただけに、得した
気がした。
その後、雨が弱まらないので暫く雨宿り。
雨が降ると、なんだか歩き回りたくなくなる
のは、私だけだろうか...。やることがないので、
一度ホテルに戻って、ロンドンの予定を練る。
まだ6時前だったけど、腹が減ったので、
「地球の歩き方」で紹介されていたエティシュ
(ET-IS)という店に入った。
牛肉と野菜を煮込んだものと、鶏肉と野菜
をホワイトソースで蓋をして、オーブンで焼い
たものを注文。
両方とも見た目で期待した通りの味でご飯
とよく合う。並んでいる料理に派手さはない
けど、みな美味そうだった。
値段は10YTL強。まっ、こんなものかな。
「地球の歩き方」の地図の場所が違うので
注意。
10月4日(火)
昨日見学できなかったドルマバフチェ宮殿
に向かう。宮殿のそばまで路線電車が行って
いることが分かったので、チュネルを使わず
に直行した。
写真は路面電車でガラタ橋を渡っている
ところ。
考えた造形が素晴らしい。撮影料を払えば
良かったと後悔。後悔するくらい見応えが
あった。
最後の部屋は圧巻。耐えられずに、隠し
(隠れ)撮りをしてしまった。 ハーレムも隣接
しているが、こちらの方は意外にワンパターン
で歩き回る割には盛り上がらない。
ハーレムはお奨めでない。
旧市街に帰っておそめの朝食、という
より昼食。こうやって盛ると、中華のテイク
アウトの店とあまり変わらない印象。
トルコといえば、ベリー・ダンスである。
一人で見ても悶々とするだけだし、高め
なので見に行かないつもりだった。
でも、リラが余ってしまい、晩飯と送り
迎え付きだということなので、折角だし
見に行くことにした。50ユーロ。
店の名前はSultana's(サルタナス?)。
8時にバスが迎えに来て、市内をグルグル
回って客を乗せ、9時には現地到着。すぐ
に食事が始まる。
トルコ料理の盛り合わせのオードブル(写真)
の後、まずくて食べられないサラダ、意外と
美味い鶏肉料理のメインと続く。
でも、メインが運ばれてくる頃にはダンスが
始まり、食事どころではなくなる。
ダンスはベリー・ダンスだけでなく、民族
舞踊のようなダンスが間に入るので飽きる
ことがない。
リズムが面白く、気がつけば手足が自然
にそのリズムに合わせて動いてしまう。
ベリー・ダンスの方は、ダンサーの
スタイルが余りにも良いためか、踊りが
素晴らしいためか、全くエッチな感じが
しない。
ダンサーは代わる代わる何人も登場
するけど、まるでフラメンコでも見るよう
な感じ。
ちなみに、ウエブサイトは:
http://www.sultanas-nights.com
いきなり、腹芸が始まった。結構、
笑える。これもベリー・ダンス??
こっちとしては、隣に座っていた
メキシコから来た女の子の方が気に
なった。
寸劇が入るものの、特別な盛り
上がりはなく、ダンスは10時半ころ
に終了。
問題はここから...。ダイエットを済ませた
カルロス・ゴーンみたいなオヤジが、見に
来ている客の国の歌を歌い始めた...。
一部の年配の客には大ウケだったが、
私には「なにを見に来たんだっけ??」と
いった感じだった。
直ぐ終わるのかと思ったら、いろいろな
出し物を織り交ぜ、終わったのは12時
だった...。
現地にいるときは、イスタンブールの街はあまり印象的じゃなかった。しかし、帰国して、もう一度写真などを見ていると、異国情緒に溢れ、とても魅力的に感じる。
旧市街は薄暗く、あまり見所がなかった気がしていたんだけど、今見ると、質・量の両面でとても充実しているし、アクセスが良いことに気がついた。また、新市街はウィーンやプラハのようで、個性的じゃないと思っていたけど、仮にそうだとしても、それだけきれいな街があるのであれば、それはそれで訪れる価値があると思う。
やはり、この時期はモロッコやポルトガル、ギリシャなどに行ってきたばかりだったので、美しい街ボケしていたと思う。
イスタンブールもお奨めです!