世界一周(チケット)の旅 ‐ パリパリは本当に何度行っても楽しい。今でも、今度行ったときはどこにいくか、思わず考えてしまう...。
8月14日(日)
ニュー・ヨークからパリまでは7時間というとても中途半端なフライトが、さらに2時間遅れたため、パリには10時30分ごろに到着。
ニューヨーク時間だと深夜の2時30分だから、はっきりいって眠い。さらに気温は16度だから、肌寒いくらい。とはいえ、1日分の宿泊代が浮いたわけだから、良しとしよう。
重い身体を引きずるようにしてホテル(Hotel des Arts)
に到着。
フロントで名前をいうと、「そんな名前で予約は入って
いない」という。
「こりゃ、おかしいぞ!」と、確認のメールを見せたら、
なんと同じ名前のホテルがパリに何軒かあり、どうやら、
予約をしていないホテルの地図を印刷しまったようだ...。
いわれてみれば、イタリア広場にあると聞いて予約したのに
着いたのはモンマルトルだから、もう少し早く気が付きそう
だけど、頭の中は深夜だし、まさか同じ名前のホテルがパリ
に何軒もあるなんて思わないじゃない??
予約していたホテルに着いたら、13時30分。
リニューアルしたばかりなので、水回り等は
新しくて気持ちが良いけど、防音が良くないので、
隣の部屋のトイレの音とかが丸聞こえ...。でも
まあ、パリで1泊65ユーロはかなり安いので我慢...。
とりあえず仮眠をしたら、気がつけば夜の8時前!
晩飯にくりだしたが、日曜日ためか多くの店が
閉まっている...。そこで、お客は全くいないベトナム
料理店にリスク覚悟で入った。最近食べてなかった
んでネ。店の名前はイタリー2(変な名前)。
揚げ春巻と汁ソバを頼んだけど、やっぱりどちら
もイマイチ。野菜は朝切ったようで、鮮度が悪い。
飲み物をお茶にしたこともあり、11ユーロ。
翌日も店内を覗いて見たが、お客はいなかった。
8月15日(月)
この日は、まずはルーブル美術館を見学。前回
来た時は、現代建築を観るのを優先したので、中
を見学するのは今回が初めて。
入場料は8.50ユーロ。1ユーロ138円で計算して
約1,200円!これは本当に安いと思う。
ちなみに横浜で開催された「ルーブル美術館展」
は、はっきりって有名な作品が来ていなかったのに、
入場料はなんと1,500円!こりゃ、ボッタクリと
いってもいいくらいだと思う。
モナリザなどの人気のある展示物は、凄い行列
ができていて、上野のパンダのように、観るのも
時間制限があるかと思ったら、ただ展示してある
だけ...。しかもかなり近くで観ることができる。
行列を作らないせいか、見学者がそれぞれ自分
の観たいだけ展示物の前に立つので、意外に
回転が良い。この辺りは良い意味でフランス
合理主義。
この日のお気に入りは、コロー(Camille Corot)
のCampagne Romaine. Le Monte Testaccio,
1825。
手の平サイズといって良いくらい小さい作品
だけど、一度見入ると、とてつもないスペース感。
かといって、タッチはチマチマすることなく、むしろ
伸びやかな感じがするくらい。
気がつけば人間は、とても小さい眼球を通して
世界を見ているわけで、キャンバスのサイズが
小さければ、近づいてみればいいのである。
ナポレオン3世の部屋は呆気にとられる
くらい豪華で、かつ、見応えがある。必見。
最初は何時間かかっても良いから、展示物
を全て観るつもりだったけど、入館から4時間
経ったところで断念。
残りは今度来た時に観ることにした。
ノートルダムを観た後、エッフェル塔に行く
予定だったけど、あいにく天気があまり良くない。
そこで、安藤 忠雄が設計するピノー財団の
美術館の工事の進捗具合が気になったので
行ってみることにした。
セーヌ川沿いに歩いていると、中洲部分に
大きな公園があり、その中央部にクラブハウス
のような木造の建物を発見。
まるでベンチューリが設計したような、左右対称
のデザイン。
さらに、角度を変えてみると、3階部分(?)が
ボイドになっている。換気のためか、目的が分から
ないけど、不思議なデザインである。
ピノー財団現代美術館建設予定地(スガン
島)に到着。予想通り(?)、工事は全く進んで
いない...。ルノーの自動車工場すら解体されて
いないので、2006年に完成するのか心配。
また、この周辺には、かなり変わった民家が
多く、上の写真を撮影した辺りには4軒連続で
ユニークな建物が建ち並ぶ。
手前の建物の下部はピロティになっている。
かなりル・コルビジェを意識したと思われる。
このくらい変わった民家などいくらでもある。
また、傾向として、古い建物に追加するような
形で特徴的な要素を加え、全体としてユニーク
な雰囲気を醸し出しているのが多いと感じた。
その後も、面白い民家がないかと、フラフラと
歩いていると、突然大きな建築物が現れた。
そばに近づいて見ると、なんとその建物はあの
ジャン・ヌーベルが設計したCLM/BBDO本社
だった!
まさか、こんなところに来るとは思っていなかった
から、ノーマーク。これだから、建築マニアはやめ
られない!!
ただ、気になったのは、外観しか見ることができ
なかったけど、月曜日なのに従業員を1人も見な
かった。
また、外観もかなり痛んでいて、雑草も生え放題。
上の写真では、本来水を張っているべき池に
水が入っていないことが分かると思う。
この作品はよく軍艦に例えられるが、そうだと
すると、ここは船尾部分。
写真ではよく見えないけど、ここからトラックが
搬入・搬出をするように設計されている。また、
従業員も、この奥にあるエスカレータを使って
入場しているようである。
これだけユニークで機能的な建物がもし使わ
れていないとしたら、とても残念!!
晩飯はホテルのそばにあるIL VAGABONDO
というピザ・ハウスに入店。トマト・サラダを注文
すると、写真のように見た目にも楽しい感じで盛り
付けされていた。
野菜をあまり食べていなかったので、野菜
を多く使っているカプリチョーザを注文。
ビール1本込みで16ユーロ。
決して不味くはないけど、特記すべきレベル
ではなかった。★★★ くらいかな。でも、店内
は活気があり、常連客も多いようだった。
8月16日(火)
地下鉄が工事中のため、途中から歩いて
エッフェル塔に向かう。
パリは外を歩いているだけで気持ちが良い。
もちろん、町並みが視覚的に気持ち良いこと
もあるけど、聴覚的にも心地良さを感じている
のではないかと思う。
渋谷や新宿などで歩いていると、ビックカメラ
やマツキヨが店頭で大音量で宣伝をしている
けど、パリにはそれがない。
その代わり、クルマ、バス、バイクの音が
ドップラー効果を伴い、かなり遠くから聞こえて
来て、姿が見えなくなるくらいまで耳に届く。
その音があたかも波の音のような効果がある
のではないかと思う。 海辺に座っていると、落ち
着くでしょ?まあ、賛同してくれる人は少ないとは
思うけどネ。
写真はアンヴァリッド廃兵院
突然、ユニークな建物が出現。あまりにも突飛
なので、受付で聞いてみたら南アフリカ大使館
とのこと。
後で調べたら、設計はJ.M.ガレ、J.ランベール、
J.ティエールパールとのこと。各部に配したパッド
のようなものは機密保持のためだというが、衝突
試験を行っても優秀な成績を納めそう...。
エッフェル塔が見えてきたところで、建設中の美術館の現場にかなり変わった事務所(?)を発見!なんと壁面に植物が植えられている!!日本でも旧防衛庁の現場あたりで似たような塀を見かけたが、建物は初めて。
エッフェル塔の展望台は東京タワーに
比べて本当に最上部にあるので、かなり
高い。また、使っている鉄骨も、大丈夫
かなと思うくらい細いので、エレベーターに
乗っている際は心細くなるような恐怖感を
覚える。
天気が良いので、見晴らしが良く、気持ち
良い。顔がこわばっているのは、日差しが
強かったから。
高いところも悪くない。
前回パリに行った時、アラブ世界研究所
の屋上に、許可なしで上がれるとは知らな
かったので、今回チャレンジした。
左の写真は2002年に撮影したもの。
このエレベーターも3年振り。
シャッター付きのガラスから差し込む日差しは
モザイク模様のように見えて、独特の雰囲気を
醸し出している。
予定では、ここでアラブ料理を堪能する予定
だったけど、ここに来る前に、イタリアンレストラン
に誘われ、そんなに美味くもないパスタを食べて
しまった...。
仕方ないので、ここはコーヒーのみ。それでも、
結構値段が高かったな。
次もジャン・ヌーベルがデザインしたカルチェ財団
に行こうとしたが、インターネット・カフェで調べても
場所が分からない...。
実は、パリには最初来る予定がなかったので、事前
調査もしないし、地図などの資料も全く持ってきて
いなかった...。完全になめきっているとしか思えない。
仕方ないので、前回あまり見ることができなかった、
オーベルカンプ通り113番地の住所を自分のサイトで
確認。行ってみることにした。
現地には7時半過ぎに到着。なんと建物の左側は
郵便局だった。建物がユニークだけに意外。
オート・ロックの門があって、中に入れないようになっている(前回は開いていた)ので、住人に断って中に入れてもらう。やっと、再会できる!と思ったらけど、なんだか雰囲気が「ヨーロッパ建築案内」に載っていた写真と違う。艶っぽさがない。前回来たときは真っ暗で、今回は明る過ぎるのだ。
仕方ないので、日が暮れるのを待ったけど、8時半になってもまだ明るい(真ん中の写真)。
9時半過ぎに撮影したのが右側の写真。まだ明るい。でも、かなり暗くなってきたので、ホテルに向かうことにした。
この後、ホテルのそばのケンタッキーとマクドナルドに行ったけど、両方とも長蛇の列。結局ケンタに入り、テイクアウトして、ホテルに着いたのは11時過ぎ...。
8月17日(水)
パリからケルンまではタリスで移動。新幹線
より静かて、揺れも少ないし、もしかしたら速い
かも知れない。2等でも快適!
これで、83ユーロ(約11,500円)だから、本当
に安いと思う。というか、新幹線が高すぎる!