世界一周(チケット)の旅 ‐ ケルンケルン周辺も、パリ同様、建築マニアとしては見所がたくさんあるので、飽きることがない。
8月17日(水)
パリから約4時間でケルンに到着。ロッカー
に荷物を預けて駅を出ると、凄い人だかり。
どうやら、ワールドユースデイというのが
開かれているようだ。
ローマ法王が近々来るので盛り上がっている
とは聞いていたが、こんなに若年層が世界中
から集まっているとは思わなかった。
まるで、ワールドカップにでも来ているようで
ある。完全に彼等に呑まれてしまった。
ケルンの大聖堂はとにかくでかい。普通のカメラ
だと全部は入り切れない。霞ヶ関ビルより高いらしい。
連中と一緒だったので、入場料は払わなかったが、
通常も無料?
正直、内部はかはりシンプルで、面白味がない。また、
ステンドグラスのデザインに統一性がなく、上半分は
モザイク模様なのに、下半分は宗教画だったりする。
正直いって、イマイチ。
これを見にわざわざケルンまで来たので、かなり残念。
この後、大聖堂の隣にあるヴァルラーフ・
リヒャルツ美術館/ルードヴィヒ美術館に
いった。
外観は変化があり、ユニークなデザイン
だったので、期待して内部にはいったら、
内部は広々としているものの、どこかの地方
都市の図書館といった感じで閑散としている。
隣にインパクトの強い大聖堂があるので、
つらいところである。
このままホテルに向かうには早いので、
美術館の受付でデュモン出版社の場所を
聞いたら、行き方を親切に教えてくれた。
意外と近くて逝きやすいようだ。
写真は隣接するケルン駅。最初は真っ黒
という印象だったが、よくよく見ると見応えが
ある。
ケルン中央駅から地下鉄16号で北上し、
5つめのAmsterdamer Strasseで下車したら、
デュモン出版社は目の前。線路沿いに建って
いる。
設計はHPPという、日本では恐らくあまり
知られていない会社。HPPの作品は翌日も
登場します!
雑誌で見た通り、大きなガラスの壁が円弧を
描いていて、その裏にビルが建っている。この
壁を作ったのは防音対策で、かつ閉塞感をなく
すためだという。
しかし、同時にガラスの持つ透明感と、その前
に植えられている植木の緑色が出版社という
業態に合っていて、企業イメージの向上に役立って
いると思う。
ちょっと角度を変えると、ガラスに空が映り
込む。この日は雲がないのが、逆に残念で
ある。30分位、夕日になるのを待ったけど、
日が沈むのが、またまた9時過ぎになりそう
だったので、ホテルに向かうことにした。
ケルンではこれがピカイチかな!?
泊まったのは、Hotel Fuerstenberger.
1泊50ユーロだから、日本のビジネスホテル
と質的にも、広さ的にも同じか、ちょっと高い
くらいかな。まあ、普通。
晩飯は地下鉄の駅の近くのレストランで、
「ソーセージやポテトとかの典型的なドイツ料理」
をお願いした。
なにが運ばれてくるか、楽しみ!?
ヨーグルト・ドレッシングを使ったサラダに引き
続き、メインが運ばれてきた。
写真では分かりづらいけど、鶏のカツレツに
マッシュルームのブラウンソースをかけたもの
だった。ベーコンとポテトを炒めたものも添えら
れている。
肉はかなり火が通っていて、堅くなっていたけど、
両方とも味付けが絶妙!!。塩味が強めなのも
ほろ酔い加減の私にはちょうど良い。
ビールを2杯飲んで17ユーロだから、値段でも
満足!!
8月18日(木)
時差のせいか、朝寝坊の癖がついてきて、この日も
起きたのは9時過ぎ...。とはいっても、サマータイムなの
か、8時はまだ早朝といった感じだし、夜の8時位まで
明るいので、外を歩き回っているので仕方ないかな?
この日はケルンの周辺にある、アーヘンとデュッセル
ドルフに行くことにした。
写真のバスはなんてことないが、旧BMWの3シリーズ
のヘッド・ライトをそのまま使っているのにはビックリした。
ケルンからアーヘンまではタリスを使わなく
ても普通列車で約1時間、12.20ユーロ。
エアコンが効いていたら、普通列車でも快適
だったと思う...。
アーヘンに到着。古い町並みは観ているだけ
で楽しくなってくる!!
アーヘンの大聖堂までは歩いて約15分。
この大聖堂は本当に素晴らしい!!
ケルンの大聖堂とは全く逆で、規模は小さい
けど、細部まで神経が行き届いている感じ。
どこか、最近日本で見かけるホテルのロビー
ぽいところもあるが、普遍的な美しさがあると
いうことかな。来た甲斐があった。
これは大聖堂に隣接する資料館。
面白みはあまりないけど、とても
バランスが良い。
これは市庁舎。でも、入り口で入場料を
払えば、入場は可能で、展示物を見学
できる。
結局見学しなかったけど、ほとんど美術館
化していた。
これは大聖堂に隣接する小さな教会。デザイン処理がメキシコで見たキャンデラの作品にちょっと似ているかな??
メイン・ストリートで見かけたホットドッグ売り。ホット・プレートの下から一本脚が伸びていて、売り子さんは立ちっぱなし。衛生面が気になったので、ここでは買わなかったけど、そばの店で買ったホットドッグはこんな感じ。ソーセージに比べて、パンの大きさが思い切り小さい。これでも、この店はまだパンが大きいほう。
このあと、アーヘンを離れ、またまたローカル
列車に乗り、デュッセルドルフへ。15.30ユーロで、
1時間20分くらいかな。
まずはHPPが設計したプロビンツィアル保険
本社に向かうが、通りの名前を間違えたため、
40分以上歩いて到着。
ちなみに、帰りは地下鉄で10分位だった。
歩いていて、突然ビルが現れた時は、苦労した
だけに感動!
早速、目玉であるアトリウムに向かったけど、
関係者以外中には入れないとのこと...。仕方
ないので、受付から写真撮影。
でも、雑誌で見るより実物は広大でもなく、
作りもそれほど変わったところがない。
気を取り直して、外観を観てみたけど、
無味乾燥としていて、味気ない。もう少し
色調を変えたり、なにかアクセントのよう
なものを加えたいところである。
ジャンヌーベルだったら、手摺りの上部を
真っ赤に塗るんじゃないかな?
このビルはテッセンハウスといって、これ
まで出て来たHPPのもっとも有名な作品
らしい。
1994年に改装を行ったというが、今見れば
普通のビル。
テッセンビルの裏に隠れるようにデュッセル
ドルフ劇場が建てられている。プファウの作品。
垂直に切り立つ、2次曲面の連続による造型
だけど、40年位前に建てられたためか、光を
失っている印象。
基本的なデザインはいまでも充分古くなって
いないので、改修してほしい。特に、品のない
入口付近は問題がある。
これはノルトラインベストファーレン美術館。
テッセンハウス、デュッセルドルフ劇場、そして
この美術館は、地下鉄インリッヒハイネ通り駅
からすぐのところにある。
「ヨーロッパ建築案内」では、黒色の大理石の
壁がとても艶かしく変化する様が述べられている
けど、実物はこれが同じものなのかと疑いたく
なるくらい普通の建物だった。
本に書かれていることは、言われてみれば
その通りなのだけど、言われなければ気が
つかないレベル。
淵上さんの洞察力に脱帽。
到着が遅れたために、中に入れなかったのが
とても残念。ちなみに、デュッセルドルフから
ケルンまでは約40分、8.50ユーロ。
結局、ホテルに着いたのはかなり遅くなって
しまった。仕方ないので、晩飯はホテルのそば
の店で済ませた。
ケバブとマカロニ・ボロネーゼ、ビール1本で
10.40ユーロ。
ドイツはパンが堅くてまずいけど、クリーム
ソースは絶妙だった!!最も、数回しか食べて
いないので、偉そうなことはいえないけどね。
8月19日(金)
この日はスイスへの移動日。ホテルを出て、地下鉄に乗る。
地下鉄が川を渡る際、橋の上からケルンの大聖堂が見えた。なんだか近くで見るより趣がある。恐らく、ケルンの大聖堂も住民の精神的なシンボル、中心地であり、異邦人が近くで見て、どうのこうのいうべきものでもないのだろう。日本人にとっては、東京タワーや富士山なのかな。
東京タワーも夜見ると妖しいけど、昼間に近くで見たら、工事現場の管理塔くらいにしか見えないもんね...。