世界一周(チケット)の旅 ‐ ニュー・ヨークたった3日の滞在だったけど、建築マニアとしては十分充実していました。
8月10日(水)
ニュー・オリンズから無事ニュー・ヨークに到着。
ここはYMCAなのに一泊59ドル。
でもバストイレは共用だし、エアコン付きといって
も、こんな有様。隙間を新聞でふさいでいる...。
とはいえ、NYでは150ドル出してもまともなところ
に泊まれないといわれているので、毎日1万円
セーブしているともいえる。
ちなみに、向かい合っている建物はニューヨーク
警察の分署。
YMCAでチェックインを終えると9時前になって
いた。近所を歩いて、店選び。結局、そばにある
ポーランド料理店に入った。
ポット・ローストビーフを注文。要は牛肉を
茹でたものだが、肉が柔らかくなっているのに、
旨味はしっかり残っていた。パンとビールを付けて
約10ドル。明日も行ってみようかな。
8月11日(木)
やっぱり、ニュー・ヨークといえば、自由の女神
でしょう!?
皆がクレジット・カードを使うため、長蛇の列に
並んだ上で、遊覧船のチケットを購入。
天気も良いこともあり、他の場所ではあまり
感じなかった達成感のようなものを感じた。
自由の女神像を見た後、また地下鉄に乗り、
建築巡りの再開である。
クライスラービルは本当に凄い!エントランス
の廻りでのクローム(メッキ)の使い方は、余りに
凄いので1980年位に建てられたのかと思ったら、
完成はなんと1930年!!そんなことすら知ら
ない自分にもビックリ。呆れてしまう...。
さすが、にわか建築マニア!?
ミースが設計したシーグラム・ビル。このビルは
当時のシーグラムの社長の娘がミースを指名した
ことで有名。
黒色の金属部分とブロンズ色のガラスの組み合わ
せは今でも気品を感じるが、シカゴで同じデザインの
ビルを散々見たので感動など全くなかった...。
下の2枚の写真はセント・パトリック教会。あまり
期待していなかったのだけど、ステンド・グラスの
青味がとても爽快感があって、居心地が良かった。
暑い日にクールバスクリンの風呂に入った感じかな?
MOMA(ニュー・ヨーク近代美術館)に
いってみたら、谷口 吉生氏による新しい建物
は完成していた。
でも、入場料20ドルは高すぎる、というか
痛すぎる。展示品目もそんなに多いとは感じ
なかった。
写真は入り口付近。パッと見、どこがMOMA
なのかわからないでしょ!?
新しく建てられた建物も、なんの面白みもなく、
展示スペースが各階異なるので混乱してしまう。
良くいえば、レゴでできた建物の中にいるような
感覚を覚えたけど、見学者が混乱するようで
あれば、意味がない。
写真は中庭。多摩センターあたりの駅周辺の
よう...。安っぽい...。
リンカーン・タウンカーは日本ではほとんど
見かけないけど、NYでは1、2割は占めていると
思う。当たり前のように3,4台が連なっている。
NYに駐在していた友人に聞いたら、リムジン
(ショーファー・ドリブン)といえばタウンカーで、
キャデラックはパーソナル・カーらしい。驚き!
その後、ソニープラザ、シティ・コープ・ビルなど
を見て、YMCAに戻った。
晩飯は、またポーランド料理店。ローストチキンを
コール・スローとフレンチ・フライと一緒に注文。
胸肉辺りをソテーしたものをイメージしていたの
だけど、モモ肉が骨付きで出てきた。コール・スロー
とフレンチ・フライと合わせると、まるでKFCに来て
いるような気がしてガックリ。
でも、肉は事前に蒸していたようで柔らかかった
し、全部で8ドルだったので、まあまあ満足。
8月12日(金)
この日、まず訪れたのがグッケンハイム美術館。
もちろん、フランク・ロイド・ライトによる設計。
ニュー・ヨークに来たのは、この美術館を見る
ためだといっても過言ではない。
もう、一目見ただけで圧倒され、大いに感動!
やっぱり、建築もシンプルに越したことはない。
入館料は15ドルだけど、YMCAでもらった地図を
見せたら、2ドル割引になった。ラッキー!と得意
になっていたら、カウンターにその地図が置いて
あった。
ある意味、とても親切だけど、定額を払っていた人
もいたので、微妙...。
外観も室内も共通の螺旋をテーマにしたデザイン
は、シンプルで、かつシンボリックなのに、見ている
人を圧倒するような存在感、というか威圧感を
覚える。
螺旋状のフロアに展示してある作品は正直レベル
が低いので、完全に建物のほうが勝ってしまって
いる。
はっきりいって、床も天上も斜めだと、四角い
大きな絵画等は納まりが悪いし、見ているほうも
安定しない。
例えば、アメリカ建国の歴史や偉人の生涯など、
全体的にストーリー性があるような展示内容の方
が、建物の性格にあっていると思う。
また、見ているといくつかのことが気になった。
@ 螺旋状の手摺りにあたる部分の高さは身長
181cmの私にとっては腰までもなく、かなり
不安な感じがする。
A 一方、各階の天井に当たる部分は吹き抜けに
向けてスロープを付けて開口を調整している。
これは最初は開口面積を減らすことにより、
見学者の視覚的な安心感を出すためなどいろ
いろ理由を考えた。しかし、結局、単純に1階
の吹き抜け部分から見上げたときのバランス
を取るためだということになった。
でも、もしそれが目的であれば、安全を考え、
天井部分のスロープをやめ、手摺り部分の高さ
を上げるべきだと思う。
B 螺旋状のフロアは、上に行くほど径が小さく
なっているのが、垂直に立つ柱との貫合の
具合で分かる。
以上の3つのなんでだろうに対するの私の推理は:
ライトは見学している人が動く様を、下の吹き抜け
部分から見えるようにしたかったに違いない。
そのため、手摺りの部分の高さを押さえる必要が
あった。また、上に行くほど見学者が見えにくくなる。
そこで少しは見やすくなるように上すぼまりにした。
また、これにより、上部にいる見学者が身を迫り
出すような姿勢で下を見ることになるので、より周り
からは見易くなる。
その目的は何か?私の推理では、やはり、
ライトはこの美術館を自分の作品だと考えて
いて、見学が螺旋状に動く様も、作品の一部
として考えたのではないか。
まるで、ビー玉やミニカーがレールなどに
沿って動く仕掛けのように。
最上部から俯瞰していると、私の推測もまんざら
外れていないという気がしてくる。
1階の吹き抜け部分にいる見学者はブラウン運動
のように不規則な動きをするが、1度螺旋状の展示
スペースに移動すると、細かい動きは異なるが、決め
られたレールに従って動き出す。
もし、私の推理が正しいのであれば、見学者はできる
だけカラフルな服装で来たほうがライトは喜んでくれる
と思う。そのために、室内色も白にしたのかな、なんて
ことをセントラルパークを歩きながら考えていた...。
次に歩いて国際連合本部に行ってみたら、
荷物検査を行えば、ビルの内部に入れるよう
である。
で、中に入ったら、有料だけど、内部を見学できる
ツアーがあったので、迷わず参加。
数は少ないけど、日本語によるツアーもある。
でもその内容は、今どのような事が世界的に問
になっていて、国連がどのような動きをしている
のかだけで、建物の説明などほとんどなかった。
大不満!
私のグループを担当した説明員など、廊下
で見学者を立たせて国連について説明を続け
ていた。これでは、内部を見学できるツアーに
金を払って参加した意味がない。
とはいえ、通常では入れない国連本部の内部
を見学できたので良しとすることにした。
写真は入り口部分。
ビックリ!したのは国連の分担金をアメリカ
(米国)がずっと納めていないことを同じクループ
だったアメリカ人がほぼ全員知らなかった
のである!
恐らく、このことは国内では報道されていないの
だろう。
この時、アメリカも情報のコントロールという見地
においては、キューバ、北朝鮮とあまり変わらない
と感じた。
写真は本会議場。席順の決め方などの説明は
結構面白かった。
いろんな意味で★★★+くらいかな?
この日のメインディッシュはジャズスポットの老舗、
ビレッジ・バンガード。でも、演奏は9時からというの
で、まだかなり時間がある。
先程の地図にエンパイアステートビルの86階
からの展望が2ドル割引の12ドルでできると書いて
ある。
すごい行列ができていたけど、なんとか展望
スペースに到着。と思ったら、ガスっていて、あまり
遠くまでみることができない...。 残念...。
ライブが始まる直前にビレッジバンガードに到着。
お店が地下にあるとは知らなかった。時々地下鉄の
音がする。
この日の演奏はアル・フォスター・カルテット!
......ドラムがニヤニヤしながら走り過ぎ!逆に他の
3人は全く楽しそうではない。なので、見ていてあまり
楽しくない...。
演奏開始からずっと耐えていたのだけど、我慢が
できずに、始まって30分くらいのところで席を立って
しまった...。
お店の出口では「本当にここで帰るのか?」と聞か
れてた...。
お陰で、演奏が良よければ12時を回ってしまう
ので、安全のため考えていたタクシー代をセーブ
できた...。
8月13日(土)
夕方の6時の飛行機でパリに移動。6時までは時間があるけど、だからといって、どこかに遊びにいけるほど余裕がない。結局、インターネット・カフェでホテルの予約とかをしただけだった。
ニュー・ヨークは動きやすかったけど、なんか海外にいる気がしなかった...。