世界一周(チケット)の旅 ‐ ミラノ・イタリア2度目のイタリア。まずはミラノに...そしてフィレンツェへ...。

8月27日(土)


   ミラノに着いたらザーザー雨が降っていた
  けど、ホテルの場所が地下鉄駅からはそれほど
  離れてなかったので、あまり濡れないで済んだ。

   ホテルの名前は
リッター(またはリッテルと発音
  していた)。3星なのでもちろんシャワーとトイレは
  付いているけど、天井が高いので妙な高級感が
  ある。これで1泊
39ユーロなら納得!





   フロントでこの辺りでピザの美味い店があるか
  と聞いたら、
Fratelli La Bufala という店を教え
  てくれた。店に入り、店員お勧めの
Pontelatone
  
という具沢山ピザを注文。
   モッツァレラチーズが大胆に外側に置かれ、それ
  以外の具は中央部に置かれている。で、お味は?
  正直、自分の好みではない。中央部に置かれた
  具のために、生地はワンタンの皮のようになり
  かけている。やはり生地はクランキーでないとね。





   デザートは1番上に載っている
Fondente
  注文したら、かなり焼き込んだプリンのような
  ものがでてきた。でも、ぱっと見、日の丸のよう
  に見える。これって、ズッパ・イングレーゼ?

   ハウスワインとエスプレッソを含んで20.50ユーロ
  は納得できる値段かな。 土曜日とはいえ、雨が
  降っているのに、帰るころにはテーブルは客で
  一杯になっていた。どうやら
人気店のようだ。




8月28日(日)

   朝起きて、まずレオナルド・ダ・ヴィンチの
  「
最後の晩餐」を見にサンタ・マリア・デレ・
  
グラツィエ教会に行くが、噂どおり、予約して
  いないと入場できない。
   あとで、ウエブサイト(H.P)に行ってみたけど、
  この日に予約が取れるのは
10月に数人分
  
残っているだけ...。ルーブル美術館を見習って
  欲しい。






   教会の礼拝場は予約不要で、無料で入場
  できる。しかし日曜なので、ミサの真っ最中
  だったため、迷惑をかけないように静かに
  見学。

   室内の装飾はこれまで見てきたヨーロッパ
  北部のものとは異なり、スペインなどの教会
  と通じるような柔らか味を感じる。







   次は
ドオモ(ドーム)に行ってみたが、
  正面部分は残念ながら改修中だった。











   それでも改修してない部分の繊細な造作は
  
息を飲むくらい素晴らしい

   内部ももちろん素晴らしい。天井はかなり
  高く、外観から想像したよりも広大な空間が
  現れる。
   ステンドグラスも宗教画がはいるくらい豪華。
  全体的に迫力すら感じる。
   また、床に引き詰められた大理石も適度に
  主張している。



    




   ドオモの比較的そばにあるはずの
ヴェラスカの塔
  を探したけど、なかなか見つからない。ミラノは狭い道
  を挟んで8階建て位の建物が連なるので、意外に空が
  狭いのだ。

   すると突然変なビルが現れたので、写真撮影。誰の
  作品なんだろう...?










   なかなかフレームに収まらないので、そのビルの周囲
  をウロチョロしていたら、ヴェラスカの塔がヒョッコリ顔を
  出した。場所は地下鉄ミッソーリ駅のそば。B.B.P.R
  作品

   よく見ると、柱の下部が、エンタシス的に外に広がって
  いる。恐らく、上に大きなマッスを載せたので、下の直方
  体部分が平面だと痩せて(凹んで)見えてしまい、不安定
  に見えることを避けるために施されているのだろう。

   それとも、単純に強度を確保するためかな?





    

 
受付で聞いたところ、現在は事務所と住宅として使われているとのこと。メンテナンスは適時に行われているようだ。
 室内もシンプル過ぎることのないように、微妙な味付けがされている。このビルが1958年に建てられたのが信じられない。すばらい建築物である。


   
ピレリ・ビルは建築に興味を覚えてから、ずっと
  いつかは実物を見てみたいと思っていた。それが
  やっと実現した。ジオ・ボンティの作品。
   場所はミラノ中央駅前にあり、ヴェラスカの塔から
  地下鉄1本で行ける。

   基本的には上に行くほどフロア面積は減っている。
  しかし、側面にある荷物の搬入口?の間口は変わら
  ないので、コンクリートの打ちっぱなしのように見える
  部分が微妙に捻れているようである。 そのためか、
  私にはダイヤモンドのようにカットされた水晶のように
  見える。建築は結晶である」という、彼の言葉が
  具現化されている。



       

 逆に正面からみると、あまり面白みがなく、ちょっと間の抜けた印象となる。単なる偶然か、先程のベラスカの塔とこのピレリビルは
両方とも1958年に建てられた。その割には、ピレリビルの方は外から見る限りつい最近建てられたビルのようである。
 どちらも素晴らしい作品であり、私のお気に入りである。


   「
ゲーッ!」 中央駅で見かけた彫刻。どう
  見ても、ゲロを吐いているようにしか見えない。

   この旅のテーマの一つは
音楽。イタリアで
  音楽といえばカンツォーネ??

   いえいえ、
サッカーの応援の声でしょう!







   ホテルのフロントで確認すると、
セリエA
  開幕戦、
インテル vs トレビソ戦があるという。
   海外のサッカーの試合は夜8時くらいから
  始まると思っていたので、昼過ぎまで市内見物
  していて、試合開始時間を知ったのは2時過ぎ。
  まさか
真夏の3時にキックオフなんて思わな
  かった!
   アドリアーノがディフェンスをかわすように
  スタジアムに向かう。





   
スタジアムに到着した瞬間に大声援が!
  アドリアーノのゴールのようだ! チケットは
  完売だったけど、遅れたことが幸いして、
  ダフ屋から定価の30ユーロで入手。

   階段を駆け上って、スタンドに着いたのは
  前半終了間際。







   で、席につこうとしたら、なんとゲートを間
  違えていた...。でも、入手したチケットは
  サポーター席だったので、係員と交渉し、
  そのまま空いている席に座った。

   だって写真の通り、サポーターはほぼ全員
  試合中立ちっぱなしだし、すごい応援をして
  いて1人では入っていく勇気がなかったから...。






   勝負の結果はもちろんインテルが3‐0で
  完勝!
だいたい予想がついていたけど、
  アドリアーノのハットトリックがでるとは思わな
  かった。
   もちろん、サポーターはオオノリで、ミランが
  負けていることが分かった時に、サポーター
  が踊り出すと、堅牢なスタンドが揺れだした。







   アドリアーノのパワーとスピードはすごいと
  思っていたけど、あれほど身軽で、かつ落ち
  着いてプレーをしているとは思わなかった。
  2点目、3点目はパワーというよりテクニック
  でゴールした感じ。でも、彼の
放物線を描か
  ないシュート
も見てみたかった。

   ちなみに、この
スタディオ・ジュセッペ・
  メアッツァ
(サン・シーロ)はラガッツィと
  ホッフェルの作品




   さて晩飯、昨日入った店の前には長蛇の列
  ができている。
   ドーム付近からいろいろと歩き回ったけど、
  結局ホテルのそばで発見した
フレームという
  店に入り、「フレーム」というオリジナル・ピザ
  を注文。

   運ばれてきてビックリ!フォークが小さく
  見えるくらい巨大なのである。全長50センチ
  あるとのこと。




   食べてみると...生地は薄く、カリカリなんだ
  けど、まるでクラッカーにトッピングして食べて
  いるような食感。
   でも、かなり糖度の高いトマトやモッツァレラ
  チーズとの相性はよく、食べ終わった時の満足
  感は昨日の店より高かった。
   また、店内はスタバのような感じなので、気楽
  に入れるところも嬉しい。 ビール、グラスワイン
  も注文して17ユーロだから、納得プライス。





8月29日(月)

   この日も朝起きて、ホテルのそばにある
  
スフォルツェスコ城を横切り、ドーム方向
  に向かう。

   この城のいたるところに、昨日訪れた
  ヴェラスカの塔のように上部にせり出す
  形で、より若干大きなマッスを載せている
  デザインを見かけた。
   ヴェラスカの塔の処理は土着性があること
  に気がつく。




   ドーム周辺を歩いていたら、
Aperol という
  ラザニアをやっているお店を発見。
   ラザーニャは7ユーロ。よって、この日は朝食
  からーニャ(現地人の発音)。

   味はもちろん最高で、切ると、生地の間から
  ホワイトソースがはみ出てきて、後からかけた
  ミートソースと絡み合い、味のハーモニーとなる。
   まあ、一気に食べたんで、正直、あまり覚えて
  いないんだけどネ...。
★★★+くらいかな?





   せっかくなので、
ドオモの屋根部分まで登った。
  施された細かい装飾や、彫刻のレベルは恐ろしい
  くらいにレベルが高い。魂が入っているという感じ。

   写真はドオモの上端部分。












   ドウモに上った後は昼飯。あまり考えずに
  入った店は
ブイトーニの店だった。
   もちろんお目当てはーニャ。 ミニサラダ
  は?と聞くので合わせて注文。

   すると出てきたのは
ジャンボサラダ...。これ
  でミニなのか?と思いながらも完食。







   ラザニアは見掛けは悪いけど、味は先程の
  より強めで、自分の好み。

   会計をしたら
25ユーロ(三千円以上だよ!)
  も取られた。こちらからしたら、ボッタクリ。
   そういえば、他の店ではレシートはプリントされ
  ていたけど、ここでは手書きだった。
   どちらにしても、
ここはお勧めでは無い






   昼食後、マリオ・ベリーニ
貿易見本市
  見に行ったけど、建物がやたらデカイ。

   建物の側面部にグリーンエリアを設けたり、
  透明の螺旋階段は多少新しさを感じるけど、
  基本的には間延びしていた。なによりも、中を
  見れなかったのが残念。






8月30日(火)

   ミラノには、まだまだ見てみたい建築は
  あったけど、次回に取っておくことにして、
  
イーエススターフィレンチェに向かった。
   料金は29ユーロ。時間は2時間45分。

   気掛かりは、フィレンチェに関しては何の
  下調べも、「地球の歩き方」などのガイドも、
  そして地図さえ持ってきていないこと...。






   朝の8時にホテルを出て、9時にミラノを
  離れ、12時前にはフィレンツェ到着。この
  近さが、1泊だとはいえ、フィレンツェ行きを
  決めた要素。
   電車を降りたら、
暑い暑い。ミラノとは違い、
  真夏の気温にビックリ。

    泊まった
ホテル・ダンテの場所はサンタ・
  クローチェ教会のすぐそば。





   水周りは最近リフォームしたみたいで綺麗
  だし、受付のおっちゃんの笑顔が心地良く、
  長在したいくらい。
   難点といえば、テレビが英語の放送も入らない
  ことくらい。

   そばにはコインランドリーやインターネットカフェ、
  中華やインドのテイクアウトもあり(インドの方が
  お勧め)、とても便利。40ユーロという値段を
  考えれば、
満点かもしれない。




   昼食を摂った後、まずは、
サンタ・クローチェ
  教会
に行ってみる。中は意外とガラガラ。
  絵画がいろいろ展示してあるけど、正直、この
  時代の作品に対してコメントするほど造詣が深く
  ない。とくに宗教画は説明的で、時に漫画チック
  になるので、言葉に詰まる。400年前に見てみた
  かった。

   帰国後、この教会はかなり見所が多いことを
  知り、後悔することに...。




   次にドオモに向かうが、長蛇の列ができている。
   諦めて、安藤忠雄がお勧めする、
メジチ家の礼拝堂
  に向かう。外観のほとんどが修復中だったけど、思って
  いたより地味な印象。正直、面白味がない。

   地下にある入口から、
礼拝堂に上がった瞬間、暫く
  
呼吸が出来なくなった。周りにいた日本人もスゲー!
  
スゲー!を連発している。
   中は撮影禁止なので、紹介することができないのが
  残念。一言で言ってしまえば、ローマのパンテオンの空間
  に、アーヘンのドオモの内装を与えたよう。豪華でスキが
  無い。改修中とはいえ、その凄さは見学者全てが感じて
  いるようだった。
絶対お奨め!!





   隣接する、
ラウレンツィアーナ図書館
  も安藤忠雄のお勧めの場所。

   写真は中庭部分。









   安藤さんイチオシの階段を昇ってみたけど、
  うーん、正直そこまでの感動はない。
   2階には上がれなかったためかも知れない
  けど、ぶっちゃけ普通の階段に感じてしまうの
  が、天才と凡才の違いなんだろうね。

   と思っていたら、ミケランジャロが設計したの
  は全く
別のところにある階段だった...。
   まあ、どちらにしても、図書館の開館時間は
  午前9時から午後1時までということだから、
  結局見れなかったんだけどね...。







   4時半過ぎに
ドオモに行ったら、行列が消えて
  いた。せっかくなので、クーポラ(写真真ん中の
  煉瓦色の部分)の上に登ってみた。入場料は
  6ユーロ

   渋滞の理由は、中に入ればすぐ分かった。狭い
  通路を双方向で通るため、簡単にいえは、中で
  移動している人の半分が道を譲るため、立ち
  止まっているからである。








   写真はクーポラの内部

   天井に描かれたフレスコ画を真近で
  見ることができる。










   フレスコ画をゆっくり見ていると、通路が
  狭いので渋滞を作ってしまう...。ちょっと、
  落ち着かないかな。










   ドオモのテッペンからの眺望は思っていた
  より素晴らしく、フィレンツェの街が全方位で
  見渡せる。

   これは西北西方向で、前出のメジチ家の
  礼拝堂ラウレンツィアーナ図書館がある
  サン・ロレンツォ教会
や、遠くにフィレンツェ
  の駅などが見える。







   こちらは南西の方向で、宿泊しているホテル
  のそばにある、サンタ・クローチェ教会
  右すみに見える。











   隣にもタワーがあるけど、高さは若干低いし、
  恐らくクーポラが360度の絶景を邪魔をする
  ので、ドームの方がお勧めかな。

   方角的には西南西になるかな。












   クーポラからの復路、教会から出る直前に
  礼拝堂の中を覗くことができた。

   厳しく入場制限をしている割には、人も、建物
  も
スカスカ。まるで明るい倉庫のようである。
  こちらで並ぶくらいなら、他の場所に行ったほう
  が良いと思ったので、街の中をブラブラすること
  にした。







   


   


   これはフィレンツェの駅のそばにある
  
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
   思い出したようにいってみたけど、既に
  入場時間は過ぎていて、中は見ることが
  できなかった。
   イタリアで初めて見た、白を基調にした
  外観も、これだけ空が青いととても美しい。





 日が暮れたので、ホテルに帰り、コイン・ランドリーで洗濯。その後、ホテルに近いところにあるインド料理店で晩飯をいただく。
なかなか美味い。値段も手ごろだし、英語は通じるし、なにより入りやすいので、いいかも。
 フィレンツェは予想していた以上に街として雰囲気がよく、
気に入った!
また来てみたい。


8月31日(水)


   この日はベニスに移動する予定だけど、昨日
  ドオモからヴェッキオ宮殿へ行く途中で見掛けた
  教会がどうしても気になったので、ちょっと行って
  みることにした。
   名前は不明。場所は多分オルサン・ミケーレ教会
  
の道を挟んで反対側だと思う。

   外観はとてもシンプルな構成。唯一ユニークな
  所といえば、入口の上部にある丸い窓くらいだろう。
  もっとも、この処理はサンタ・クローチェ教会でも
  見られるので、フィレンチェでは珍しくないはず。







   入口のセンターと祭壇の軸が微妙にズレている
  のが面白い。

   入口は開け放たれ、ステンドグラスやパイプ・
  オルガンもないとてもシンプルな構成。でも、それ
  が逆にフィレンツェの街に合っている。メジチ家の
  礼拝堂のように豪華なのも素晴らしいが、僕は
  この素朴な教会が同じくらい好きになった。








   前日訪れた時は、確か夕日が差し込んでいたと
  思う。室内から丸窓を見てみると、内側に広くなる
  ようにテーパーが付いている。

   ベニスに向かう電車の中で気が付いたのだけど、
  この処理は丸窓を通して入った夕日がまるでスポット
  ライトのようにきれいな楕円となって入ってくるため
  の処理ではないか。それを助けるために、祭壇が
  北側に若干ズレているのではないか、という仮説が
  浮かんだ。
   できれば、もう一日滞在して、楕円が動く軌跡を
  確認したかった。







   教会が気に入ったためか、マリア様も
  とても美しく見えてくる。まるで、生きて
  いるようだ。
   しかし、彫刻家はどうやってマリア様の
  顔を決めるのだろうか。自分の奥さん、
  恋人あたりがベースになるのかな?意外
  に自分の子供あたりかな?






   そろそろこの街を出なくちゃいけないん
  だけど、なかなか踏ん切りがつかない。
   いつも
ニコニコしている、ホテルの
  おっちゃんともこれでお別れ。チェックアウト
  の際に、「この場所は気に入ったし、
  おっちゃんもネ!」といったら、ちょっと
  恥ずかしがりながらも、
いつもよりもっと
  
ニコニコしてくれた...。また会いたいな。





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