ガサイレ in ヨーロッパ 4ベルフォール(Belfort) という、ドイツとスイスに近い街に2泊してみました。

  ★★:普通です ★★★:覚えておいてください ★★★★:お奨めです ★★★★★:借金しても行くべきです

9月24日(火): 今日はコルビュジュ第2弾のロンシャンの教会。でも、そとは小雨が降っている...。



   いつも通りに、朝6時くらいに起きてしまった。フランス語による
  放送を聞いていても面白くもないので、とりあえず駅に行ってみる。
   7時過ぎには着いてしまったが、やはりロンシャン行きは8:02
  だという。駅前のカフェが開いたので、生ハム・サンドイッチとブルー
  ベリー・ケーキをいただいた。おいしゅうございました。生ハムとピク
  ルスが挟んであるだけなのにやけに美味い。かなりのボリューム
  に見えたけど、あっという間に完食してしまった。









   
ロンシャン(Ronchamp)には8時30分ころに到着。教会までは
  坂道を約30分くらい登らなければいけない。それほど構えるような
  勾配でもないが、できれば重い荷物を持ってあがるのは避けたほう
  がよいと思う。幸い、雨が上がっているので、空は重いが、傘をさし
  て登るよりは断然よい。

   教会には9時ころには到着。しかし、見学は9時30分から。入り口
  が閉ざされているので、おとなしく30分外で待つ。寒い。バルセロナ
  の生ぬるいくらいの気温が懐かしい...。
   ちなみに、10月〜3月の期間は10時から。






   9時30分になり、やっと
ロンシャンの教会とご対面。外壁が
  白いだけに、晴天でないのがとても残念。
   この写真で右側の壁面の造形が時として人間の顔のように
  擬人化される。この教会が日本にあったら、「
ロンちゃん」とか
  いって、Tシャツや人形など、いろいろなキャラクター・グッズが
  作られ、お土産やさんで売られていることだろう。










   上の写真から右に約90度移動すると、こんな表情になる。右
  半分が造形上、裏のように扱われているが、入り口はその裏口
  中央部にある。
   この辺りで、この教会がこれまで作られてきた他の教会と比べ
  て、平面でのレイアウトで全く異なっていることがわかっていただ
  けると思う。










   逆に左側の方からみた、ルーフと壁面との端末処理。曇天なの
  は残念だけど、逆に幻想的に見えてくる。
   天井部分は、もう少し自由な曲面を使っているかと思っていたが、
  意外と端末に至るまでは2次曲面に近い。下から見える範囲では
  コンクリート打ちっぱなしに見える。











   そして壁面部分は、日本で職人たちがいうところの「タイル」仕上げ
  のローラーなし、といった感じにみえる。または、「りしん」の上から、
  保護のためペンキを塗った感じかもしれない。
   わかり易くいえば、ザラザラした表面の上をペンキで塗ってツルツル
  にした感じ。よって、打ちっぱなしのルーフの下面部分とは色味が異
  なって見える。










   このアングルもよく写真集などで使われている。通常の教会のように天に
  向かって高くそびえる塔のような気持ちが込められているように見える。



















   外観を一通り見て回ったので、いろいろ室内に入ることにする。そこで
  待ちうけていたのは、コルビュジェによる、光の側面攻撃であった。
   「あ〜っ、これが安藤さんが絶賛していた光の教会だ」と思い、感無量
  であった。

   今、写真で見ても十分美しく感じるが、やっぱり実物のほうが何倍も美し
  かった。ラ・トゥーレットの修道院を訪れたときには覚えなかった、とても
  わかりやすい美しさである。








   床には太目の線が2本描かれ、中央部分で交差しているが、90度
  ではない。そのため、軸線がありそうで、わからない。設計から完成
  まで、現場的にいろいろ混乱したことと思われるが、それがゆえにこれ
  だけの自由度を得られたのかもしれない。先にも書いたが、通常の教会
  とは全く異なる。
   座席は正面を向いて採光窓がある右側だけにレイアウトされている。










   外から眺めていると、屋根部分はしっかりと立ち壁に載っかっている
  ように見えるが、室内から見ると、天井と立ち壁の間にスリットがある
  のがわかる。外から見ると、あれだけ厚く、重く見える屋根部分なのに、
  室内からはとても軽く見える。












   採光窓の右側には、コルビュジェによってドローイングが描かれて
  いる。実は彼の画家としての評価はあまり聞いたことがない。














   上のドローイングの右側には奥に行くと丸くなっている空間があるが、
  採光窓の反対側にも同様の空間がある。そころから見上げると、赤い
  壁の色に自然光が反射して、あたかも赤い光(炎?)が差し込んで
  いるようにも見える。もう。コルビュジェのやりたい放題である。
  











   さよなら
ロンちゃん。なんども書くけど、今度来ることがあれば、
  やっぱり晴れた日がいいなあ...。














   まだお昼なので、今からパリに向かうのもそれほど無理ではないが、
  ロンシャンなんて、もう2度と来ないかもしれないので、もう1泊し、
  今日はこれから市内観光!

   駅を降りてちょっと歩いたところに、不思議なショールームが...。
  かなり、不気味というか、(あまり使いたくないが)シュールな空間で
  ある。









   基本的には通路はの字、またはEの字の形でレイアウトされ、
  昼間なのに店員が見当たらない。黄色い紙は正札なので、電話で
  注文するのであろうか?まさかE-mailなんてことがあったら、もっと
  不思議である。こんな恐ろしいものを作る前に、ホーム・ページを
  作ったほうがよいからねえ。

   しかし、この通路を一人で真夜中に通りたくない......。









   朝が早かったので、お腹はペコペコ。で、フランス版ガストみたい
  なところでランチ。確かこれで15ユーロくらいだったと思う。ワイン
  は小瓶だけど3ユーロしなかったと記憶している。













   雨がだんだん激しくなってきたが、市内観光に向かう。駅から
  数分歩くと比較的大きな川があり、噴水、というより、放水が
  行われていた。

   下記のサイトでも(英語だけど)簡単にベルフォールの街の雰囲気
  がわかります。
 
    http://www.interfrance.com/en/fc/fc_belfort.html








   基本的な町並み。日本人が見れば、まとまりがあり、美しい
  と感じるかもしれないが、世界的に見れば、きわめて普通だと
  思う。日本があまりにも無計画・無秩序なだけ。あと、けちり
  過ぎ。











   街から10分くらい歩くと、城壁に至る。昨夜、ホテルの
  クルマで前を走ったが、あまりにも緑が青々していたので、
  上級ホテルか、ゴルフ場かと思っていた。フランス語では
  
Le Chateau とある。「ザ・キャッスル」といった感じか。
   このあたりはARAホテルからは本当に目と鼻の先で
  ある。









   これがベルフォール市民の自慢、
Le Lion である。なんでも、
  1870年にペルシャ軍の攻撃を受けたこの城壁が103日間守り
  通したことを記念して1880年に作られたという。作家は
自由の
  女神
で有名な、バーソルディ(?)らしい。全長は22m。

   ちなみに、ロンシャンの教会で知り合った、イタリア人のアントニオ
  はここを訪れないという。なんで?と聞いてみると、「
たかだか17
  
世紀のお城でしょ?」という彼の彼女が答えた。バッサリである。
  アメリカ人やオーストラリア人には聞かせたくない...。
 






   写真ではわからないが、雨がかなり強くなり、体中ビシャビシャ。
  天気が悪いので見晴らしもよくないが、ライオンの前からはこんな
  感じで街が見下ろせる。
   パリに行く時間を遅らせてまで見る価値があるかといえば、言葉を
  詰まらせてしまうが、だいたい2時間もあれば見終わるので、時間
  調整に使ってみては?








  

  
カテドラルは、田舎町でもこのくらいはやりまっせという感じ。ミルクココアのような
 壁の色がとても柔らかい。ステンドグラスがあまりにも新しいのに違和感を感じた。
 また、ここのパイプオルガンはたいしたものらしく、ここで録音されたレコードが何枚
 も出たようだ。

  疲れが溜まってきたこともあり、部屋に帰って軽く休むつもりでベットに入るが、気が
 つけば夜の8時。ホテルの隣のパブでわけのわからないサンドイッチを作ってもらい、
 ビールで流し込んだ。
  明日はパリだ。もう、こんな時間だから、開き直って、今日は十分に休養を取ることに
 した。

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