ガサイレ in ヨーロッパ 5
★★:普通です ★★★:覚えておいてください ★★★★:お奨めです ★★★★★:借金しても行くべきです
9月26日(木): 今日は花の都(古い!)パリ。建築もエキサイティングでした。
昨日は6時から床に着いたようなものなので、夜中に何度も起きて
しまった。結局5時に起きて、駅には6時には到着。しかし、列車は
7時17分だったので、1時間以上待ち。7時になったところで、駅前
の喫茶店でいつもの生ハムサンドをいただく。
パリには11時過ぎに到着。ちなみに、ベルフォールからは40.40
ユーロだった。パリは空が重く、時折パラパラと雨粒が落ちてくる。
オーッ!パリだ〜ッ!道路脇に停めている手塗りの自転車ですら
おしゃれに見えてくる。使っているペンキは2色だけど、この辺りの色
使いがデザインの一般生活レベルでの日本との差を感じる。
まず、訪れたのが、1988年に建てられたフランス大蔵省新庁舎
である。本当にでかい、でかい。というか、長い、長い。事前に想像
していた以上。あまりにでかいので、建物がセーヌ川に突き出して
いる部分が、写真で見た時のような驚きがなかった。ちなみに、ここ
に船をつけることができる。
壁の素材感も月日が多少経ったためか、象牙色のようになって
いて、ちょっと柔らかい印象である。
しかし、残念ながら中には入れないようである...。
あまりにも規模の大きい建築物、造形物は間延びしやすいが、
造形的には側面のようにデザインされている横長のサファードには
いろいろな遊びを与えて緊張感を保っている。
ちなみに、建物の上にはヘリポートがあり、先の写真の川からの
アクセスを含め、空・陸・川からのアプローチが可能とのこと。
上の写真ではサイド面に遊びを加えていると書いたが、使っている
素材感も悪くない。壁の色を含め高級感がある。そして、この扉は
上品で重厚感がある。評価 ★★★+。
ポール・シュメトフ(Paul Chemetov)とボルハ・ユイドブロ
(Borja Huidobro)の作品で、1988年に完成。パリ・リヨン駅から、
セーヌ川に向かって歩けば、絶対に見つかる。
通常であれば、次はオムニ・スポーツセンターに行くところではある
が、とっても気になっていたので、コルビュジェのボートを先に見に
行くことにする。停泊しているのは、オステルリッツ(Austerlitz)橋の
そば。
コルビュジェの作品とは思えないくらい、ひっそりと停まっている。
川面の動きに合わせ、ギー!ギー!と船体と桟橋(?)部分から
ノイズを発生するのが、ちょっと聞くに絶えられなかった。
良くも悪くもコルビュジェらしく、窓が水平に自由に伸びる。見学
する際には救世軍本部に問い合わせが必要なようである。でも、
小人数ではちょっと幽霊屋敷を見るような感じになりそうなので、
私は遠慮したい。正式名称は、Asile Flottant というようだ。
予想していた通りのオンボロ。このボートを今後どうするつもり
なのだろうか...。寂しい...。
評価はいろいろな意味で、★★★★。見るなら今!
お昼も良い時間になってきたので、お目当てのレストランに向けて
歩いていると、なんだかゴミの運搬車ようなアームを装備するトラック
が何かやっている。
えっ、一瞬目を疑った。なんと、路肩に停まっていたクルマを2本
のベルトを付けただけで持ち上げて、トラックの上に載せて持って
いってしまった...。作業員も写真に映っている彼だけである。
これまでに既に駐車しているクルマが出るときに、前後のクルマ
にぶつけてスペースを作るのは見たが、こんなの日本人には信じ
られない!この吊り上げられているプジョーもそんなに古いクルマ
じゃないので、持ち主がスクラップをお願いしたとは考えられない。
故障か、違法駐車か、というところであるが、本当にビックリした。
今日の昼飯は、クスクス。なんでも、フランスにはアフリカ移民が
多く、フランスでそこそこのまとまったお金を作って、イギリスに
移っていくらしい。個人的には、イギリスよりはフランスのほうが
アフリカの人には住みやすいと思うのだけどね。
行ったのは地球の歩き方にも掲載されている、オ・ロワ・デュ・
クスクス(Au Roi du Couscous)というお店。和訳すると、「クス
クスの王様」とのこと。なんでも、「安くて、ボリューム満点」が人気
の理由らしい。腹が減りまくっていたところなので、バッチリ!?
ちょっと一人では入りづらい店構えであったが、何度か一人で
危なそうなパブとかに入っていたので何とかクリア。
まずは、サラダでスタート。どうやって注文したか覚えていないが、
今回の旅行中、メニューを見ても、なにがなんだかよくわからない
ので、いつもミックスを選んでいた。たぶん、これもミックス・サラダ
だと思う。
このころに、隣に一人おばさんが座り、いろいろ話し掛けてくる。
英語が話せるようなので、ちょこっと話したが、名前はドミニクと
いうらしい...。
そして、このクスクスもミックス。ちなみに、ミックスはMixeと書く
ようなので、なんとかわかる。
クスクスは日本で食べた通り、まるでブイヤベースのよう(もちろん
素材は違うが)だった。しかし、グリルの3品はすばらしい。柔らかく
て、肉の味がダイレクト。強い香ばしいような香り。堪りません...。
となりのドミニクも「私が今食べているのは、すごくおいしいけど、
今度来たら、絶対それを注文するわ!」といっていた。
評価 ★★★★ くらいかな?これでコーヒーをつけて23ユーロ。
お腹が一杯になったので、ちょっと戻って、先ほどに見た大蔵省
新庁舎のお隣の、オムニ・スポーツセンターの前に。しかし、この
建物もあまりにも大きすぎて、カメラに入りきらない。平面視で正方
形なために、新庁舎以上に収まりが悪い。中も見学ができないよう
である。仕方ないので、外観をちょこっと見て、次に行くことにした。
久しぶりに見た、シトロエン・アミ。パリの街には古いクルマが
良く似合うと聞いていたが、古いクルマをあまり見かけなかった。
衝突実験結果を見て、不安を抱いたのだろうか?
今日1番期待していたのが、このアメリカン・センター。設計は
柳田君でおなじみの、フランク O.ゲーリィ(Frank O.Gehry)。
ただ、なんか雰囲気が期待していたのと、ちょっと違う。
写真では良くわからないが、現在は閉鎖されているとのことを示す紙が入り口ガラス部分に貼られている。
やっぱり、建築物は人に使われて生きるのだと実感する。そういえば、コルビュジェのボートも死んでいた。
といいながらも、人目を気にする必要もないため、じっくり観察することにする。一般的に無味乾燥としがちな
建築物に、あまり3次曲面的なカーブを使わずに「顔」を与えているのはさすがである。比較的に自由に造形
しているように見えるが、建築雑誌などによれば、彼はかなり機能的に考え、人の動き、モノの動きを考慮して
立体を構築するとのこと。本当...?
使われていないこともあるのだろうが、建物の劣化が激しい。写真
のように、クラックが入っているのはましなほう。コーナー部などは、
なにかがぶつかったためか、割れて、奥が見えてしまっている。
今がバブルの時代だったら、ジャパン・マネーでこういう建物を買い
取って、保存とともに、中を開放してほしいところである。
森 稔さん。よろしくお願いします。ポケット・マネーだと思います。
やっぱり、ゲーリーがすごいと思うのは、一見アンバランスになり
そうなレイアウトでありながら、こうやって見ると微妙にバランスが
とれている点。
評価は★★★+。もし、ここに人影があったら、評価は変わると
思う。
実は、ここを訪れたときは知らなかったのだが、オムニ・スポーツ
センターとアメリカン・センターを包含する公園は、ベルシー公園
(Parc de la Bercy)といい、設計者はベルナール・ウエである。
道理で整然としながらも、人が自然に集まるような空間があったり、
逆に思いにふけるような空間があったりと、良く考えられていると
思った。
セーヌ川対岸に渡り、ドミニク・ペロー(Dominique Perrault)
設計による、フランス国立図書館に向かう。
左の写真を見てわかる通り、グランド・レベルより上は、4冊の本
を広げて空間を定義したようなデザイン。この恵まれたロケーション、
敷地面積を踏まえ、あえてこのような構成にするのは、上質の牛肉
をオーブンで焼きを入れた後、その周囲の肉を切り落としてお客さん
に出すような贅沢さ?
トルビアック橋の方から来ると、この階段を上がらなくては
いけない。
これが意外にしんどい。逆から来ると、駐車場や、足の不自由
な方のためのアプローチがちゃんと考慮されている。
上の写真で、室内には黄土色のブラインドがあるのがわかるが、
実は、木製の回転するタイプ。室内の空気はブラインドとガラスの
間を通って、上方に抜けていく。
グランド・ラインからの図書館へのアクセスは、ちょっと大げさな
サイド・パネルを持つエスカレーターから。まるで、これから宇宙船
に載るような趣き。風よけなのかも知れないが、それなら屋根が
欲しいところ。
4冊の本で囲まれた空間は地階(?)に対して吹き抜けになっており、その中庭的空間にはいろいろな植物が
植えられている。本を読みすぎて、疲れた目にはよいかも。
建物は平面視でロ型に構成されていて、中庭側は廊下になっており、赤いじゅうたんが敷かれている。ガラス・木・
コンクリート・金属といろいろな素材が適切に使われているので、とても上品で、かつ重厚な雰囲気を醸し出している。
図書館だけあって、入場は無料。実は閲覧室はもっと上品で、重厚な雰囲気(ジャン・ヌーベル的?)なのだけど
撮影禁止。「フラッシュは使わないから...」と交渉してみたが、ダメ。まあ、仕方ないかな...。
評価は ★★★★。実際のスケール感が自分が事前にイメージしていたのと同じだったからかもしれない。または、
今日はコルビュジェのボート、アメリカン・センターと人に使われていない建物を見てきていたので、活気(人気)の
ある建物に入り、ほっとしたのかもしれない。仕上げも良いし、とても落ち着く空間です。
新国立図書館の次は、セーヌ川沿いに進んで、コルビュジェの
ボートも通りすぎ、サン・ルイ島に架かるシュリー橋の手前にアラブ
世界研究所(Arab World Institute) がある。設計はジャン・
ヌーベル(Jean Nouve)とアーキテクチュア・スタジオ。
一見変哲もないデザインであるが...。
実は、窓または壁に見える壁面はカメラのシャッターのような小窓
が、大・中・小のサイズでレイアウトされている。その絞りを調節する
ことにより、採光を調整するということ。設計は、アーキテクチュア・
スタジオのロド・ティスナード。
来る前もすごいと思っていたが、実物を見て、想像したままの品質
感なので感動!こういうものは、ちょっとでも品質感が下がると、貧相
で見るに絶えないものになるので心配だった。
さらに来てみて知ったのが、この建物の室内高。通常、エントラ
ンス部分は吹き抜けにしたりして、高さ方向には余裕を持つものだ
けど、ここは写真の通り、2mを少し超えるくらい!
これだけコストがかかる建て方をして、こんな一等地なのに建物
の前に広場のようなスペースを抱いているのだから、決してお金が
なくて、室内高を低くしているわけではないだろう。やはり、民族的
な慣習を基にしているとしか思えない。前も書いたことがあるけれど、
地下鉄の銀座駅や東京駅の一部は恐らくここ以上に室内高が低い
のだから、日本人にはあたりまえ?
建物の内部も、外観と共通のデザイン・テースト。でも、やはり
狭い!
外観と同様、素材の選択が適切で、透明なガラスを多用している
ので、不思議な開放感がある。恐らく、三菱GTOの室内はこんな
感じではなかったのか?ミニカ・トッポとは全く逆の世界である。
この建物は大きく見て上記の写真で紹介した直方体の部分と、
この建物に隣接してセーヌ川に楔(くさび)形の部分とで構成され
ている。
楔形のほうの建物の上に、写真ではゴミのように見える物体は
見物客2人。知らなかったので、上がらなかったが、入場は無料
らしい。
また、友人に聞いたところ、上階のレストランではお手ごろ価格で
アラブ料理が楽しめるとのこと。
次回挑戦だね!
東京を出発する前に、パリにはとんでもなくおいしいラオス料理の店がある
といわれ、現地で同行してもらう女性まで紹介してもらい、コクトーが議論に
燃えたといわれる、とっても有名なル・セレクト(Le Select : モンパルナス
通り)で待ち合わせ。軽くコーヒーをたしなんだ後、そのお店に向かう。そして...、
写真でもわかる通りお休み......。一応、紹介された彼女が事前に調べてくれて
いたようだけど、結果としては次回に。
ところで、いったいこのお店の名前「月亮」、フランス語でなんて読むのだろう?
仕方ないので、彼女の知り合いの兄弟がやっているお店に
入った。まずは、サービスのシェリー酒で乾杯!
お酒が入れば...と思うかもしれないけど、彼女は体調が悪いらしく、
ほとんどお酒はダメ。料理は結構美味しいのだけど、実は緊張して
いたのか、疲れていたのか、デブヤ・モードになれなかった...。
結局、お店を出たあとお茶をして、東京での再会を誓った。ちなみ
に、彼女は既婚者で〜す!(最初から知っていました)。でも、喫茶店
でのヨーロッパの経済についての話とか、移民問題など、日本では
なかなか聞けない内容だったので、とても面白かった。
ホテルの部屋に入って絶句!なんとそれでなくてもエアコンの
ない、薄ら寒いホテルなのに、なんと改修中のためなのか、窓の下
に5cmくらいの隙間があり、外気がスースー入ってくる。
泊まったのは地球の歩き方でも紹介されている、オテル・デュ・
ミディ(Hotel du Midi)。確か1泊6千円くらいしたと思う。
チェックインの際も「予約している…です」といったたら、「No!面接
なら、一度表に出て、裏口に回れ!」と大声で冷たくいわれて
しまった。仕方ないので、一度外に出て、メールのコピーを提示しよう
ともう一度中に入るとそのオヤジはいなく、部屋のキーをくれた。どう
やら、私を浮浪者かなんかと間違えたようである...。
半分は仕方ないかな、という感じ...。実際に、薄汚かったし。
9月27日(金): もう旅も大詰め。張り切っていきましょう!今日はサボア邸だ!
パリを朝早く出て、近郊列車RERのA5線に乗りに約1時間で終点
のポアシーに到着。ホテルに近い、パリ・リヨン駅も通っているので、
とても簡単だった。
サボア邸は「ル・コルビュジエを歩こう」(エクスナレッジ発行)に
ある情報とは異なり、30分遅い10時開邸(?)だった。仕方ないの
で、近所をブラブラしていると、そばにスーパーを発見。朝市が奥で開
かれており、さらにその奥でカフェを発見。コーヒーをいただく。
ちょっと、肌寒い朝だったので、ありがたい...。
入場料4ユーロを支払い、いよいよ中に。オーッ!サボア邸だ!
念のため、このサボア邸は巨匠 ル・コルビュジェが設計した、
ある意味今の建築界で基礎となっている作品。この建物の中には
色々な提案があり、いまだに古さを全く感じない。今、注目を浴びて
いる安藤 忠雄もかなり影響を受けている。
入り口からすぐのこの角度は南東にあたる。基本的には左右
対称。
上の写真から、少し右側に入った角度。方位的には、東から見て
いることになる。
今となっては全く奇異な感じがしない、建物一杯にうたれた窓が、
コルビュジェらしさを一番あらわしていると思う。
基本形状が、あまりにもシンプルなためか、スチレンボードで
作ったスケール・モデルを接写したような、妙な圧迫感というか、
押し出し感を感じる。
入り口から見て真裏、北西側にはこの建物のキモ。エントランス
部分がある。自動車で来た場合、正面から柱(ピロティと呼ぶ)の
内側を通り、このエントランス部分で降りることで濡れずに室内に
入ることができる。
全く贅沢なつくりではあるが、利にかなっており、この部分だけ
でも存在の意義をいまだに感じる。
エントランス部分を入ると、目の前にはスロープが現われる。この
スロープを登っていくと、コルビュジェ・ワールド・パート2が始まる。
これぞ、まさにコルビュジェの世界!体が震えてしまった!
もちろん、展示されている、普段日本ではなかなか座ることができ
ないコルビュジェのイスも飽きるまで座ることができる。
もちろん、座り心地は至って快適。感無量でした。
イスに座って見渡すのは、これまた贅沢なレイアウトの中庭的
なオープンスペースで、恐らくBBQのようなことをやっていたので
あろう。
ちょっと、安藤 忠雄の住吉の長屋に似ているようにも見える。
これまた有名なバスルーム。浴槽の色も鮮やかで、印象的
だが、奥の波を打っている茶色の部分は、2つ上の写真に映って
いるような、寝そべることができるイスとなるように設計されている。
サボア邸を離れる位のタイミングで、空が少しだけ明るくなった。
ロンシャンの教会、ラ・トゥーレットの修道院も、みんな同じだけど、
やっぱり、青い空の下でコルビュジェの作品を見てみたかった...。
この角度は入ってきて左側、南南西くらいの角度だと思う。
評価は★★★★★。まずは行ってみよう!着いた瞬間に感激する
というよりも、一部屋、一部屋、見学しているに、頭の中が刺激で
グルングルン回り始めるはず。理屈っぽいが、イマジネーションが
ひろがる。
ちなみに敷地の入り口部分には、サボア邸のミニミーのような
管理室がある。こういうこと、好きだな。
パリに戻って、さあ昼飯だ!ピザだ!もちろん、注文したのは
ミックス(Mixe)だ!
やっぱり、ピザは伊豆の行きつけだと思い、あまり期待しないで
入った店だけど、食べてみると、美味い、美味い!
上の写真では、あまり具が載っていないように見えるが、実は
この通りの具沢山。半熟卵も載っていたので、日本でいう、カプリ
チョーザのような感じ。そしてチーズがよくのびる。
生地は薄く、柔らかめで弾力性があり、少し伸びるような、とても
ソフトな感じで、実はあまり好みのタイプではないのだけど、これは
美味い。
ウ〜ン、最初は絶対食べられないと思ったけど、飽きそうになった
ところをアンチョビの塩っぱさ気を引き締める。気がつけば完食して
いた...。何もいうことがない。★★★★。
そして食後のコーヒーも美味かった!ちなみにピザは9.15ユーロ。
くらいかな。お店の名前はCafe Paris Holles。
住所は41 Boulevard de Sebastopol
75001 Paris。Tel: 01 40 26
88 57。
ファミレスのような感じの、明るく、一人でも入りやすい店でした。
でも、ジモピーには、このくらいの味は当たり前だといわれてしまう
かも...。
ノートルダム大聖堂である。圧倒である。私がいっても意味もないかもしれないけれど、やっぱり、すごい。
すごくって、涙が出そうになった...。スケール感がでかいのに、細部まで手が入り、お互いに依存している
のにバランスが取られている。ときどき、とってもおいしいケーキのように見えたのが不思議である。美しい建物
は、見る人の食欲までも刺激する?文句なく、★★★★★!まずは行ってみて、実物を見てみよう!
次にサント・シャペル(Ste−Chapelle)に行ってみたが、入場
制限を行っていて入り口付近は無秩序な人だかり。お行儀よく行列
をしていないのが、フランスらしい。あまりの込み具合なので諦め、
ルーブル美術館に向かった。
このピラピッドはI.M.ペイ(Pei)の作品。ルーブル宮殿の約3分
の1を占めていた大蔵省が、先に紹介した新庁舎に移転し、美術館
として全面的に使われることになった。
ここに来るまでは、写真などで見る限り、こういう空間にピラミッド
とはあまりにも安直で、歴史的な建造物とは合わないのではないか
と考えていた。しかし、いざ来てみて、実物を見てみると、意外違和
感がない、というのが館内に入る前の印象だった。
ピラミッドの前には噴水があり、表面張力を保ちながら流れていく。
細かい演出だけど、逆にいえば、いきなりピラミッドというのは考えら
れないくらい唐突なのは私にも想像がつく。
地上はピラミッドというプリミティブな造形をもって構成し、地下はシンプルながら、隙のない、とても動きのある
空間となっている。単に広場にピラミッドが置かれているがけだと思っていたので、そのクオリティにビックリ!
ピラミッドの入り口からエレベーターにいたるエントランス部分の裏側にも、しっかりとピラミッド形状が反復して
使われている。
ここまではタダ(無料)!。もちろん中の展示物も見たかったが、後が控えているので、次回パックツアーで来た
時にでもゆっくり見ることにした。ちょっと、むなしい...。タダだし、★★★★+かな?
次に訪れたのは、安藤 忠雄がお奨めするパリの建築物の1つの
パレ・ロワイヤル(Palais Royal)。写真が暗く、何を撮っている
のかわからない。実はここはロの字形に作られた建築物で、撮影
しているのは中庭部分。はるか向こうに見える建物もその一部。
正直、あまりにも大きすぎて、私には安藤
忠雄が称えるこの建物
のすばらしさを感じることができなかった。
中庭は公園のように人々が集まり、政治などの議論を交わして
いたと聞くので、恐らく「人が集まる空間」としての評価なのだろう。
正直言って、★★+。よくわからない...。
ポンピドー・センターに行く際に通りかかったのが、証券取引所
(Bourse de Commerce)詳しいことはわからないけど、かなり
変わったレイアウト。正方形に内接する円を書き、ハサミで切り抜き、
中央に取引所として置く。残った部分を円から少し離したところに、
4方を囲むようにして置く、そんな感じなのである。
取引所部分はともかく、周囲の部分は非常に非効率なので、
普通こんなことは思いついてもやらないな。でも、造りもよいので、
機会があれば、じっくり見てみたい。
残念ながら、写真では上記の説明を補足できない...。
上記の取引所だけでなく、そばにあるサントゥスタッシュ教会も
なんだか見所が多そう。教会の前のスペースには掘り込んだ半地下
のスペースがあり、小さめだけど、ルーブルのようなピラミッドがいく
つか並んでいる。
時間が合ったら〜、を何度も連呼しながら、やっとポンピドー・
センターに到着。想像通りのパワーに圧倒される。設計はレンゾ・
ピアノとリチャード・ロジャース。日本の野球界でいえば、のON
(古い!)みたいなコンビである(野茂とイチローかな)。
足場のように組まれた部分を下から支える梁は、ゲルバレット梁
(Gerberette Beam)と呼ばれ、8mあるらしい。でも、正直いっ
て、広場側は意外と「顔」がないと感じた。
唯一建物に動きを与えるのは、外部に設けられたエスカレーター。
でも、これに乗るためには、展示会場の入場料を支払わなければい
けないので、展示があまり魅力的でなかったことや時間がないこと
もあり、諦めた。
リチャード・ロジャースらしい表情を醸し出すのは、やはり道路側で
あろう。やっぱり、その迫力に圧倒される。パリに来たときには必見
アイテムだと思う。評価★★★★。今では、リチャード・ロジャースは
ロイズ・オブ・ロンドンだと雑誌を見ながら思うため。
次に足を運んだのが、あのコルビュジェもパクッたといわれる、ガラスの家(Maison de Verre)。ピェール・シャロー(Pierre Chareau)の作品。時折雨が強く降る中、2時間半くらいサンジェルマン通り南側を歩き回り、英語で聞きまくったが、結局わからなかった。というのも、今回のツアーで訪れるところをリスト・アップし、いろいろ調査して、事前にスケジュールを立てていたのだけども、さすがに最終日までをカバーできなかったのである。よって、住所も調べていない。
ちなみに、住所は31, Rue Saint Guillaume
(7e), Paris。なんども目の前を通ったかもしれないので、一層残念無念。
気分を換えて、お土産をお買い物し、一度ホテルに帰る。軽く休憩
したあと、今回のツアーの影のメイン、オーベルカンプ通り113番地
を訪れるため、メニルモンタン駅で降りる。写真ではわからないが、
ここはどうやらイタリア系の移民(?)の街らしく、なんか怪しい。
かなり緊張して通り沿いに歩いてみると...。
上の右の写真のような、夕暮れから、夜になり、ライトアップされた状況を期待していたのだが、左のように、もう 真っ暗。一瞬、中に入ってみたが、すごい危険な雰囲気で、心臓がバクバクしてしまった。オーベルカンプ通り113番地(113 Rue Oberkampf) をちゃんと見れなかったのが、本当に残念だ。明日は出発なので、もう、どうあがいても無理。ガラスの家とともに、絶対もう一度見に来ることを心に誓った。ちなみに、フレデリック・ボレル(Frederic Borel)の作品です。本当に右側の写真の妖しいこと...。
その後、代替案として考えていた、マッシミリアーノ・フクサスによる、スポーツ・コンプレックス + パーキングを歩いて探し回ったが、見つからない。ジモピーに聞くが、全然だめ。もう少し出発前に時間があり、ちゃんとしたリストなどを準備できていれば...なんてことを考えても仕方ない。結局、ホテルまで道に迷いながらも、歩いて帰ってしまった。最後のパリの夜だからね...。
途中、イタリアンレストランを見つけたので、最後のラザニア・
チャレンジ。店的には、イタリア移民が経営していて、隣でお客が
娘のお誕生日を家族で祝っている、アット・ホームな雰囲気。
まずは、もちろん、ミックスのサラダ。まあまあかな?
で、メインのラザニア。でも味をあまり覚えていない。確か、
まずくもなく、かといって美味くもなかった気がする。今見ると、
かなり美味そうなんだけどねえ...。
念には念をで、店の名前は多分 セネジア(Senezia)?
住所は63 Rue Traversiere
75012 Paris。電話は
01−43−44−42−13 というが、もちろんわざわざ行く
店ではない。
翌日に訪れた、シャルル・ドゴール空港が最後の訪問地。
新旧ともに、ポール・アンドリュー(Paul Andreu)の作品
でも、単に好みの問題だと思うけど、あまりピンと来なかった。
新旧の比較であれば、旧施設のほうが上だと思う。宇宙船に
乗りこむような雰囲気は、サンダーバード世代には堪らない。
空港よりも気になったのが、このセトラのバス。ちょっと強引
な造形ではあるが、やはり目を引く。手法的にはちょっと古い
けどね。
室内のデザインもレベルが高い。運転席は恐らく成形タイプ
でサイド・サポートも良さそう。インパネのデザインもおもしろい。
ただ、ハンドルの径がバスとしてはかなり小さそうに見える。
最後の最後で、コンコルドの離陸を見ることができた。今年で
就航が終了するのだから、もう2度と見ることができないかもしれ
ないと思うと、かなり沈んだ気持ちになった。
ある意味、「時は金なり」の時代の終わりなのか。でも、パソコン
やインターネットなどITの発達により、「バーチャル」の時代の始まり
なのか...。どちらにしても、あまり良い響きがない。
ということで、最後のほうは不完全燃焼気味に終わってしまったが、基本的には80点をつけられるくらいに精力的に歩き回り、様々な感動を覚えた。残念なのは、時間の制限があるために、十分に回りきれなかったこと。
また、機会を作らなければ!あと、食べるほうも、ちょっと控えめだったかな...?
< 次回訪問まで To Be Continued です >