にわか建築マニア in ヨーロッパ 2なんとか最初の1日が無事に過ぎ、時差が取れてきたなと思ったらバルセロナ最後の日です。
★★:普通です ★★★:覚えておいてください ★★★★:お奨めです ★★★★★:借金しても行くべきです
9月21日(土): 事実上、ヨーロッパ2日目。今日も元気に行ってみますか!?
昨日は歩き回ったので、気持ちよく眠りにつくことができた。バルセロナで
選んだホテルは、「地球の歩き方」に載っていた、ホテル・ペラヨ。普通の
日本人観光客が泊まったら、気を失うか、顔を真っ赤にして怒りそうなレベル。
とりあえず、一般的日本人観光客には、ぎりぎりの線だと思う。
ホテルの入り口は写真の通り。右の観葉植物の上にある、インターホンで
名前を言うと電動ロックを開けてくれる。入り口周辺には誰もいない。
ここをを入ることができても、まるで迷路のような階段を上りつづけて、やっと
ホテルの入り口に辿り着くことができる。
フロントの若い男の子も、後日いろいろ聞いてみると、インターネットで受講
する大学生だという。彼以外のフロントにいる人の英語は最低...。後は、いか
にして相手と言語を使わずにコミュニケーションを取れるかである。
今日はまず歩いてカサ・バトリョに向かった。日本に帰った後、知人に
聞いてみたが、やはりここは以前は内部の見学はできなかったようである。
10ユーロだけど、十分に満足。一方、撮影ができないのがとても残念。
写真はデザインエクスチェンジ社の写真集からお借りしました。
この写真も悪くないけど、実際にこの部屋に入ってみるとまた種類の異
なる感動がある。この部屋は2階にあり、道路側は一面窓で、かなり開放
的。外には順番待ちの人、見上げている人などがたくさんいるので、まるで、
これから長い船旅に出る高級客船の甲板にいるような感じ。ここは夜間は
パーティ会場として使われているのもうなずける。
ガスタービン・エンジンのような照明は本当に見飽きることがない。また、
その周囲の天井の処理も究極の調和である。ガウディはいろいろな処理を
天井に施しているが、これは白眉だと思う。
上の写真のような力強さ、求心性はないが、階段周り、とくに1階から2階に
上がる階段の処理も魂が入っている。やっぱり、個人的にはカサ・ミラとカサ・
バトリョはお奨めで、仮に時間がなくても、無理してでも行くべきである。逆に
いえば、にわか建築ファンの私がこれだけ感激するのだから、とても分かり易い
ということであろう。
まあ、日本の建築でいえば、銀閣寺あたりかな?分かりやすいし、共感し易い。
評価は★★★★+。満点でないのは、メイン・フロアしか見学できないから。
(写真は上と同じ写真集より拝借)
カサ・バトリョを出た後は、地下鉄でグエル邸に行き、6時の予約
券をもらった。既に、建物の前には行列ができていた。
コロニア・グエル教会に行くために、カタルーニァ鉄道に乗り、約
20分。コロニア・グエル駅に到着。
実は「地球の歩き方」によると、現在工事中で、内部の開放は日
曜日の10:00〜13:30という。念のため、前日にランブラス通り、
パラウ・ジュセップ市場そばにある観光案内所で聞いたところ、親切
にも教会の電話番号を教えてくれ、ここで聞いてという。スペイン語
がしゃべれれば案内所にこなくても、直接きいてるよ!
よって、内部が見れなければ、明日も来る覚悟である。
駅から教会までは、小さいけれど、かなり目立つブルーの看板が
設置されているので、駅を出たところさえ間違えなければ、教会から
少し離れた事務所に辿り着けるはず。
事務所には、簡単に教会に関する展示物があり、初期の模型など
が展示されている。ここで確認すると、内部を見学することができる
という。自分の持つ運に感謝!
事務所で入場料を支払って、教会へ。だいたい5分位歩くと教会に
到着。初期に計画されていた上物がないためか、想像していたよりも
建物が小さく見えたためか、ちょっと押し出しに欠ける。地味。
中に入ると、印象が一変する。外観と造形テーストは同じだけど、
ステンド・グラスの色味が大きいのかもしれない。天井を支える柱は
山から削り出してきたままという印象。もともとこの部屋は講堂として
設計されているので、もし「上屋」ができていたら、ガウディのこと
だから、全く印象の異なる造形を施していたかもしれない。
そのステンド・グラスは実は一部が換気のために外気が取り入れ
られるようになっている。本当にガウディは芸が細かい。
実際、この窓の下から見上げると、この可動部分が蝶の羽のよう
に見えてくるから、不思議。
教会に置いてある椅子に自由に座ることができる。これが感動
もの。座り心地は良いし、膝を受ける可動部分は華奢だけど、見た
め以上にしっかりしている。
載っけた写真の枚数は少ないが、ガウディの世界を堪能するには
十分のクオリティと分かり易さ。評価は
★★★★。時間があれば、
本当の意味でのコロニア・グエルを見てまわりたいところ。
コロニア・グエルのすぐ横には、朽ちた古城がなんの手当てを
受けず、放置されていた。バルセロナが仮に新宿だとして、電車で
20分だから、荻窪あたりのところに放置された古城があるのだから、
この辺りが長い歴史を持つ国の余裕だろうか。
人気を全く感じない不気味さを感じながらも、古城まわりを一周して
みることにする。
古城の裏にいってみると、枯れた草木を発見。マインド・セットが
ガウディなので、なにを見てもガウディ的に見える。
バルセロナに帰ってから、初バーガー・キング
in スペイン。In UK
は最低だったけど、ここバルセロナはそこそこの味。
でも、懐かしさに涙するようなレベルではない。★★★かな?
ようやく、予約を取った6時になったので、グエル邸に行ってみる。ちょっと
だけ待ったけど、しばらくして見学ツアーが始まった。英語が分かるメンバーが
多かったので、説明は英語で行なった後にスペイン語でもう一度行なっていた。
1階から地下に至る構成は、今思えばコルビュジェのサボア邸にとてもよく似た
発想法である。但し、サボア邸は自動車をピロティの下で取りまわすが、こちらは
馬車を地下に取り回す。
一方、2階より上は、組み木を使った室内装飾で、サボア邸とはまったく異なり、
とてもデコラティブ。いろいろな展開が繰り広げられているが、あっけにとられて
逆にあまり覚えていない。これまであまり見たことがない凄さ加減なので、把握
しきれなかったのだと思う。
白眉は建物の裏側にある、手動のベンチレーション。クルマのエアコン噴出し口
のようなデザインで、アルファの164を思い出してしまった。テイストはずいぶん
違うけど...。
とても残念なのが、ここも撮影禁止。なぜそうするのか、よく分からない。(写真は
前述の写真集より拝借)
先ほど、グエル邸は撮影禁止と書いたが、屋上は撮影自由。この
辺りの判断基準もよく分からない。もしかしたら、撮影可能にしてしまう
とツアーで回る場合、皆が記念写真を撮ったりして時間がかかってしま
うので、禁止しているのかと勘ぐってしまう。
いろいろな制約があり、あまり自由が利かないが、折角バルセロナに
来たのであれば、見学することをお奨めする。値段も3ユーロなので、
かなり安いと思う。 ★★★★。
この写真も、普通の35mmフィルムで撮影して、近くの現像所で現像して
もらったもの。その写真をもう一度スキャナーで取ったのだけど、やっぱり
色味がおかしい。ちなみに、スキャナーは安物なのだけど、なかなか自然な
色味なのでプリントが印画紙を使わないためだと思われる。
昔から、私は思い込みが激しいのだけれど、あんなに有名なのだから、
絶対サグラダ・ファミリア教会は、夜間ライト・アップしていると思っていた。
というか、昼間来た時に、建物のそばにたくさんの照明器具を発見していた
からなので、思い込みではなく、自然な推理だと思う。
だけど、お別れの挨拶に来たら、もう真っ暗。不気味な位である。
また今度来れるのは、いつになるのであろうか...。
部屋に帰ったら、明日予定されていた、サッカー・バルセロナダービー
をやっていた。ええっ!それだったらスタジアムに行っていたのに!!!
まあ、これもスペイン、かな?
今思うと、一番残念なのが、ミースのバルセロナ・パビリオンを
見逃してしまったこと。9月からの建築マニアだから、ある程度は仕方
ないが、実はその存在すら知らなかったのだ!残念!
バルセロナに来たのは今回が初めてだが、とても気に入ってしまった。
明日の早朝には離れなければいけないが、また今度、ゆっくり来たいと
思う。