にわか建築マニア in ヨーロッパいまさらレポートしても...とも思いますので、スライド・ショー・スタイルでお送りします。

  ★★:普通です ★★★:覚えておいてください ★★★★:お奨めです ★★★★★:借金しても行くべきです

9月19日(木): 今月から建築マニアになりました。今後ともヨロシク!

 今年は久しぶりに9月に夏休みが取れた。いろいろ考えた挙句、「にわか建築マニア」になり、一人で有名な現代建築を見に行くことにしました。
 まあ、これまでヨーロッパに何度も行ったことのある方には今更だとは思うけど、行ったことがない人には意外と貴重な情報になることを期待して報告いたします。今月から建築マニアになった人間が何いっても失笑ものかもしれないけれど、厚顔無恥で行きたいと思います。


夢にまで見たバーガーキング
   とっても窮屈な空間に長時間閉じ込められた後、とりあえず、
  ロンドンに到着。乗り換えターミナルでバーガーキングを発見。
   夢にまで見たバーガーキングだけど、はっきりいって不味い
  なによりも、パサついたバンズが最悪。評価
   また、値段が全てポンドなのに気が付く。UKはユーロに参加
  していないのである。聞いてみると、ユーロは使えるとのこと。で、
  計算が分からないので、多めにユーロで支払ったら、お釣りは
  ポンドで帰ってきた...。そりゃそうか...。







   バルセロナには11時頃到着。日本時間で考えれば、もう早朝。
  インターネットで予約を入れておいた、ホテル・ペラヨ(Hotel
   Pelayo)にチェックイン。
   ホテルのそばのパブでビールとミネラル・ウォータを注文。した
  つもりが、なかなか言葉が通じない。
   スペインでは英語が通じないのは本当らしい。後日調べたら、、
  ビールはCerveza(セルベッサ)、水はAgua(アグア)というらしい。
   ちなみに、このスペイン・ビールは滅茶苦茶美味かった。評価
  ★★★★




9月20日(金): ヨーロッパで最初の朝。気分は小学生の遠足の日。もう、寝てられない!


   次の日は朝5時に起きてしまった...。テレビをつけたら、どらえもん
  をやっていた。ボケ-っと見てたら、約10年前、オーストラリアにいる時、
  毎週土曜日にマッハ・ゴー・ゴーを見ていたことを思い出した。
   自動車レースの漫画・アニメとしては、私はマッハ・ゴー・ゴー
  とチキチキ・マシーンサーキットの狼がベスト3であり、
  それ以外は思い浮かばない。
   村上もとかを挙げる人がいるかもしれないけど、やっぱり彼は
  オートバイものでしょ!? 熱風の虎でしょ!!!







   さすがはヨーロッパ。街中にとまっているトラックのデザインも
  なかなかのもの。乗用車では今ひとつのルノーではあるが、
  トラック&バスの世界ではやはり他を凌駕する。王道である。
   観光バスで流麗なスタイルを提案するのは比較的易しいこと
  だが、近距離、というより、ルート・トラックでこのレベルは流石
  である。デザインにこだわっていながらも、オーバー・デコレート
  にならず、道具感を失っていないところが気持ち良い。
   評価 ★★★★









   朝早く起きたので、コーヒーを求めて散歩をしていると、突然
  リチャード・マイヤーバルセロナ現代美術館が現れた。
   あまりにも突然であったため、心の準備が出来ていなかった
  せいか、早朝のため内部を見学できなかったせいか分からない
  が、印象はイマイチ。内部は見ていないが、評価 ★★











   ガウディのサグラダ・ファミリア教会は今回のメインディッシュである。
  いきなりメイン・ディッシュではあっけないので、一つ手前の駅で降りて、
  歩いて向かうことにしたが、地上に上がったところですぐに出現。
   しばらく歩いてみると、すぐに到着。あまりにも街の中なのでちょっと
  あっけない。神聖な場所は内外を問わず、もったいぶった参道があり、
  時には足に豆を作って辿り着くものである。鈴鹿サーキットだって、神聖な
  場所だから? ゲートを潜ってからかなり歩かないとサーキットまで辿り
  着けない...。











 
  コルビュジェがいうように、まずは距離をおいて観ることにする。やっぱり、
  裏口の方が私は好きだ。ただ、本当にガウディらしいのは、ゲートのある正面
  の方なのであろう。この写真は裏口。より繊細な彫刻が施されている。一方、
  正面の彫刻は、カサ・ミラの屋上にあるオブジェのような煙突の造形に通じる
  ところがある。
   写真では安定感を感じるが、下で実際に見上げると、今にも崩れてきそうな
  緊張感、躍動感がある。













   とりあえず周りを一回りして、教会目の前のCafeでスペインで
  の始めての食事。生ハムをはみ出るくらいに挟んだサンドイッチ。
  この日から最終日まで、ほとんど毎朝コーヒーとこのサンドイッチ
  をバクバク食べてしまった。
   時差のせいか、おいしいためか、分からないが、早朝からここ
  まで食べれるのが不思議だった。
   なぜか知らねど、評価は ★★★★。時差ボケかなあ...。







   一方、実際に来てみないと見られないのが、作業中の風景。写真
  は着色タイルを貼り付ける部分に形状を合わせ、貼り付けている
  ところ。こんなところが、意外と感動したりするのは不思議。

   考えてみれば、今後またここを訪れることもあるだろう。しかし、
  その時に私が見るこの教会は、今回目の前にあるものとは厳密に
  いえば異なるものである。もちろん、今回よりも完成度は高くなって
  いるはずであるが、訪れるたびに違う顔を見れるのは、見る側に
  とってとてもエキサイティングなことかもしれない。







   この教会の柱の上部は、一度2股に分かれてから、さらにもう
  一度2股に分かれているのが特徴である。有機的に2つに分かれる
  形を見ていたら、不思議に安藤忠雄のフォートワース現代美術館
  の柱を思い出してしまった。でも、安藤の柱は2股に分かれるだけ
  だから...と考えていたら、今度はBBSホィールのスポーク部分を
  思い出してしまった。 
   安藤さんの方はともかく、BBSホィールのスポークはあまりにも
  デザイン・テーストが似ているので、意外とパクリかもしれない。







   この教会を見にわざわざ来たのだが、あまりにも期待が強すぎて、いまひとつ
  「感動!」とはならなかった。雑誌などで絶賛されているラーメンを食べたような
  感じなのか...。まさか自分の作品がラーメンにたとえられるとはガウディは考えも
  しなかっただろう。
   もちろん、すばらしいのだが、やはりここに来るタイミングが遅かったのだろう。
  あと10年早く来ていれば、全く違った印象だったと思う。
   いろいろあったけど、今回の評価は ★★★★。いろいろな意味で残念...。












   サグラダ・ファミリア教会から1Km強歩いてカサ・ミラに到着。
  4階より上を有料で見学できるのだが、既に入場待ちの行列ができ
  ていて、40分待たなければいけないとのこと。
   とりあえず、今回はパスとして、1階と2階で臨時開催されている
  ガウディ展を見ることにする(無料)。
  










   中に入ってビックリ!出発前にも何度も見ていてスゴイ!と思って
  いたが、2階に上がる階段に施されたフレスコ画のような天井画は
  予想以上で、暫くここから動くことができなかった。以下続く。



































   まだまだお見せしたい写真はあるのですが、この位にします。
  光の当たり方(当て方)でここまで表情を変えるこの豊穣さには
  言葉を失う。本当に来てよかったと、実感しました。
   いま編集していても、あの時の感動を思い出し、またいつか
  見てみたいと思っています。
   評価はもちろん、★★★★★。文句無し!















   カサ・ミラはまた来ることにして、グエル公園に向かう。地下鉄の駅を上がり、
  すこし市街地の方向に戻ったところから、公園に上がるエスカレータと階段が
  始まる。もちろん、エスカレータで上がっている分にはなんの苦労もないのだ
  けれど、繋ぎのところにある階段をあがると汗びっしょり。途中のお店でAgua
  (水)を購入。














   道を間違えた、というよりも、地図すら持っていなかったので、
  迷って公園の背後にある丘の上まで上がってしまった。9月中旬
  というのに、熱い熱い。そして丘の上から見える風景はそれほど
  でもなかった。
   時間がない人、体力に自信がない人にはお奨めではない。

   で、やっと公園部分に到着。この日は日焼けしそうなくらいに
  日差しが強かったので、写真を見てもとても南国のような感じが
  出ている。汗だくだったけど、気持ちよかった。






   実際に来てみて気が付いたのだけど、グエル公園でもっとも有名な
  この造形物は、見ての通り、ベンチである。それが、長い、長い、恐らく
  100前後が一度座れるくらいなのである。
   こんな辺鄙な場所に、ベンチ1つでこれほどの人を呼び寄せてしまう
  ガウディのパワーに脱帽。そして、この広場の下は、なんとホールの
  ようになっている。言い換えれば、公園のように見えているが、実は屋根
  の上なのだ。













   上の公園の裏面にあたる、ホールの天井部分にも、砕いた
  タイルを使った装飾が施されている。日陰になっているので、
  涼むのには絶好。それより、タイルの色使いの鮮やかさに息を
  飲む。












   エレベータを使ってやってくると、最後に訪れるのが、入り口を入った先に
  ある階段部分。有名なトカゲはこのガウディのゴージャス風呂の上にある。
   それにしても、空が青い...。評価は ★★★+

   この後、歩いてカサ・ビセンスに行くが、個人的な好みからいえば、いま
  ひとつ。まあ、自分がガウディの作品としてどのようなものを期待するかが
  影響していると思うし、人によっては、ガウディのボキャブラリーの多さに感嘆
  するかもしれない。
   でも、内部が公開されていないこともあり、お奨めはしない。★★+かな?











   散々歩き回ったので、一度街に戻って、パエリアを堪能することに
  する。行ったのは「地球の歩き方」にも載っているグリル・ルーム
  (Grill Room)。ランブラス通りから Carrer dels Escudellers という
  細い通りを入ったところにある。
   量が多いと聞いていたので、サラダなど前菜を注文せず、パエリア
  + ビールのみ。客は日本人だけ。変に愛想がよい店員が気になる。
   運ばれてきたので、早速口に運ぶと......噂通り、ご飯に火が通って
  いなく、芯がある。というよりも、バリバリ食べる感じといったほうが
  近いかも。見ためがちょっとゴージャスなソース・焼き飯。やっぱり...
  と変な納得をしてしまった。評価 ★★。本家だからとうまいわけ
  ではない。  吉村家(家系の本家)しかりである。





   9月中旬のバルセロナは本当に過ごしやすい。今年は仕事であまり
  夏を感じる機会が少なかったので、なおさらである。
   Tシャツに短パンでも十分。また行きたい!












   ルノーの商用車。ちょっとやりすぎの感もあるが、逆にいえばよく
  やっている(努力している)ともいえる。バンパー上部のラインが
  フロント・ドアの窓の下端に繋がるのは商用車で世界初?もっとも、
  そんな無理なこと、そもそもやる必要がない...。

   パエリアを食べる前、そして後にグエル邸の前に行ってみるが、
  すごい行列である。係員に聞いてみると、ツアーでしか見学できず、
  事前に見たい時間の予約券をもらっていないと入場できないとの
  こと。しかも予約券の配布は当日分のみだという...。

   仕方ないので、カテドラルに向かうことにする。






   カテドラルの外観はイベント用のステージの組み立て中で、かつマイク・テスト
  などを行なっているので、鑑賞できる状況ではない。
   すぐに中に入ろうとすると、入り口のところで人だかりができている。その横を
  すり抜けるように中に入っていく人もいる。状況を確認してみると、どうやら、午後
  4時30分から無料開放されるとのこと。それまでは入場は可能だけど、4ユーロ
  のドネーション(献金?)が必要だという。お金にいろいろうるさそうな欧米人が係員
  と揉めているか、無料で開放されるのを待っているのであろう。
   時計を見ると4時前。ここは日本人らしく4ユーロを払い(献金し)、早速中に入る。
  予想通り、中は人の数は少ない。やかましい彼らが来る前に一通り見て回った。
   内部は、外観からは想像できないような高い天井と、荘厳な造り。
  マリア像など、いろいろ見るべきところがあり、ゆっくりとした時が
  流れる。
   大樹のように地にふんばっている柱が、天井に至る際にアーチ状
  になり、また地面に戻ってくる造形の迫力はすごい!




   白眉は奥のドーム部分であろう。思わず、生唾を飲んでしまう。
  タダなら、または時間があるならぜひとも行ってください!
   評価は ★★★+くらいでしょうか。

   この後ピカソ美術館に行ったが、全体的に見た印象としては、
  日本人観光客の私にも入場料の6ユーロは高いと感じた。たまたま
  建物が改修中で、展示数に制限があったこともあるかもしれない。
   内部はもちろん撮影禁止。よって写真はなし。
   少女の顔が段々とデフォルメされていく際のWorkが展示されて
  いるが、そのモデルになった少女の記号論的な確証実験のような
  気がして、ブルーになった。少女のどの要素がなくなると少女で
  なくなるかである。結果、評価 ★★。ちょっと厳しい?






   市内見物も一段落したので、試しにカサ・ミラに行ってみる。
  すると、あれだけ昼間に行列ができていたのに、すぐに中に入る
  ことができた。いろいろ見るところの多いカサ・ミラだけど、まずは
  屋上の排気ダクトの造形であろう。
   屋上も、屋内も撮影が自由なので、いろいろ自分の腕を試して
  みるのも面白いかも。夕暮れ時はいろいろ光の方向と角度に変化
  ができるので、お奨めです。









   これが、カサ・ミラでの35mmカメラでのベスト・ショット。しかし、
  手元にある写真の空の色は青すぎるし、それをスキャナーでとった
  イメージ(左の写真)も空の色が変である。
   最近知った話しだけど、最近の写真の現像には変化があり、昔の
  ように現像したネガを使って、印画紙に感光させるのではなく、ネガ
  の情報をスキャナーで取り、すこし色の鮮やかさを加えて、なんと
  プリンターで印刷しているところが増えているとのことである。
   こうやって、上の写真の色と比べると、いかに青みが強調されて
  いるかが良く分かる。しかし、写真全体に青みを強調すると、ダクト
  の色は比較的黄色に近い暖色なので、濁るはず...。奥が深い。




   このカサ・ミラはすばらしい!午前中に来た時にもその1階から2階
  に上がる階段に感嘆したところだが、この建物全体がガウディの
  英知に満たされている。時には荒削りで、冒険的に見える部分もある。
   この造形はとりとめもないような部屋の天井に施されたものである。
  こんな装飾を天井に持ってくるなんて、ガウディ以外の誰が考えるの
  だろう。
   しかし、造形的にはしっかり辻褄があっている。少しずらしたように
  3方に分かれた後、その溝の角部の一つは部屋の壁の部分の角に
  突から突で溶け込んでいるし、もう一方の角部は消し込まれている。
  その角部を回す、天井と壁の間には、その取り回しが不自然に感じ
  ない程度の凹Rが施されている。お見事!





   この部屋の天井の処理も面白い。波打つ天井と壁との間には比較
  的大き目の凹Rが一周し、そのRを回すべく、必要最小限の凸Rが壁に
  与えられている。
   あたりまえだが、部屋の印象はとっても柔らかい。
  
  










   一連の天井の処理の中でも、この照明部分の処理はとっても上品で、
  かつ印象深い。こんな繊細な処理をガウディがするとは思わなかった。

   一方、飲茶で運ばれてきた、海老シュウマイを連想してしまうのは私
  だけ?

   結局、2度目の評価だけど、前回と同じ ★★★★★。文句無し!









   カサ・ミラをあんなにゆっくり見れたのはとってもラッキーだと思う。もう大満足!
  来てよかったー!

   内部の見学ができないことは知っていたが、とりあえずカサ・ミラから3ブロック
  先にあるカサ・バトリョに行ってみることにする。着いた時はまだ明るかったけど、
  いろいろ見ているうちに段々暗くなってきた。まさに、カサ・バトリョに最も相応しい
  時間帯である。

   建物の前に立て看板がある。これを見ると、どうやらメイン・フロアに限られるが、
  10ユーロで内部を見学できるようだ!!ちょっと値段が高いような気もするけど、
  とりあえず明日来てみよう!










   まだ晩飯には早いので、お茶かビールでも...と思って歩き回るが、気楽に入れる
  お店がない。言い換えれば、この日は1日目で、まだとってもシャイだったのである。

   グルグル歩き回って、もう一度カサ・バトリョに来てみると、日が完全に落ちている
  ためか、先ほどとは少し異なる趣き。でも、薄暮の時のほうが幻想的である。

   もう、脱水状態に近いのだが、小雪の開店時間が近づいてきたので、お店に向かう
  ことにする。もう、今日は1日歩きっぱなしである。












   スペインに着いた時点で、カツ丼の連続記録はあきらめていたけど、
  バルセロナでカツ丼を食べられれば記録を更新できると思い、バトリョ
  からかなり歩いて小雪には到着。本当に疲れた…。

   カツ丼のコーナーでも書いたが、最近は人気があるようで要予約。
  でも、なんとか席に着くことができた。親父さんは最初の印象があまり
  良くなかったけど、話してみるととても楽しい人だった。詳細はカツ丼の
  コーナーを参照ください。とにかく胸が熱くなりました
 
   昨晩行った、ホテル前のバールに今日も行ってみるが、やっぱり英語
  が通じない。結局、欲しいものを指差して注文するしかなかった......。
   ビールを飲んで、ほっと一息。長い一日だった。

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