にわか建築マニア in ヨーロッパ '04なんの情報も無しにレンゾ・ピアノの音楽ホールに行って来ました。
9月19日(日)
昨日はバスでホールを下見に行ったら、大失敗
したので、この日の朝、テルミナ駅前で聞いてみる
が、ちょっと怪しい...。そこでタクシーで行くことに
した。
かなりスポーティーな運転にちょっとドキドキした
が、なんとか無事に到着。メーターは8.3ユーロ
だったので10ユーロ渡した。早いし、迷うよりは
マシだと思う。
おおーっ、AUDITORIUM PARCO DELLA
MUSICA はどうやら大中小の3つのホールが
あるようである。カーサ ブルータスには載って
いなかったので、ちょっと得した感じ。
ちなみに、タクシーでいく場合は、事前にトラム
のチケットを事前に買っておいたほうが良い。
車内では買えないので、結局20分くらい売って
いるところを探してしまった。
ガイド・ツアーは10:30からなので、周辺を調査。
タクシーに乗っているときに発見した体育館に
行ってみる。
音楽ホールから歩いてすぐ。この周辺は住宅地
のようであるが、緑が多く、道路の作り方も広々
しているので朝歩いているととても気持ちよい。
まるでフォートワース現代美術館のようなY字
コラム。安藤さん、またパクッタね!?
でも、そのYコラム自体の美しさとその扱い方は
こちらのほうが上だと思う。恐らく、構造上はこの
コラムがなくても成立しそうだし、さらにいえば、
なくてもデザイン的に面白い建築物になっていたと
思われる。有名な人の作品なのかな?
入り口のドアは開いているが、外の鉄門に鍵が
掛かっていて中を見れない...。天井裏の処理など、
結構面白そうなのに残念。
ようやくツアー開始の時間になったので、チケット
オフィスに戻るが、ツアーはなかなか始まらない。
写真で分かるとおり、ロビー的な空間であるにも
拘わらず、イスが置いてない。仕方ないので、立って
待つしかないが、これがシンドイ。
ちなみに、ツアーは4ユーロだった。
チケット・オフィスに隣接する形でカフェがあり、
ビールを含め、飲み物や軽食にありつくことが
できる。
同じ建物の中には本屋もあるので、時間潰しも
可能かと思われるが、置いてあるのはほとんど
イタリア語で書かれている。
ホールに至る階段スペースはかなりシンプル
で飾り気が全く無い。味気ないともいえる。
イタリア語による説明は分からないだけでなく、
恐ろしく長い。そして階段の昇り降りが多い。
また前半は特に立ちっ放しになることが多くて、
約1時間のツアーが終わるころにはフラフラ。
最初に案内されたのは、小ホール。地元の
オーケストラの思われる人たちが練習していた。
当たり前だが、バイオリンの音色などが本当に
気持ちよく響き渡っていた。
一方、デザイン的にはとてもオーソドックスな
構成であり、特に目を引くものはなかった。
小ホールの外観。この角度から見ると、建築
物に自動車のような動的なデザインを与えた
ようである。
このホールを見ていると、マリオ・ベリーニが
デザインしたオリベッティーのタイプライターの
ことを思い出した。あれもイタリアン・デザイン
だったな。
目に見えているものが現実だとは信じられない。
この距離で見ると、どう見ても建築物というよりも、
鯨や恐竜、またはスケールは異なるが甲虫類と
いった感じだろうか...。
中ホールの室内も素っ気無い。パンフレットには
小ホールと同じようにフレキシブルなレイアウトが
可能だと記載されている。
この日は講演会のためのレイアウトなのか、座席
でホールが埋め尽くされていた。
天井や座席のレイアウトも奇異に感じるところは
全く無い。というか味気ない。
外板(甲羅)の裏側。共鳴を考慮してか、縦に走る
リブはなんと合板で出来ている。外皮は確認できな
かったが、見た目は鉛のように見えるが、環境に
対する影響を考えればアルミの叩き出しではないか
と思われる。
木枠にアルミの叩き出しの外皮となれば、やはり
この構造物は往年の飛行機かレーシングカーと
同じ感覚で作られているのか...。
これが音楽ホール...?
さあ、いよいよ大ホールの室内に。舞台では
照明のセッテイングをやっている。
スポットのようなランプが点灯されているため
よく分からないが、天井部分が甲羅のような
不規則なパターンでかなりの量で突出している。
おーっ!という感じではないが、ひしひしと
その素晴らしさが身に沁みてくるような、不思議
な感動を覚えた。
こうやって見てみると、3つのホールが話し合って
いるように見えてくる。
どういう思考回路で考えるとこのような建築物に
なるのか創造できない。
こちらは大ホールの外観。小ホールと比べると
量感に富んだ造形となっている。より一層自動車、
特にスポーツ・カー、レーシング・カーによく似た、
コカコーラのボトルを思い出させる造形となって
いる。
ちなみに中ホールは敷地の関係もあり、カメラの
フレームに収まらなかった。
実はこの3つのホールの中心部にはオープン・
エア・シアターという空間があり、訪れた前夜にも
クラシックのコンサートが行われたようである。
ここに来るためにいろいろ手間が掛かったが、
やっぱり来てみてよかったと思う。
ちなみに、帰路はトラムの2番と地下鉄を使った。
場所が分かれば、とても交通の便と良いところ
なので、お奨めします。
イタリアにはバーガー・キングがないのかと
思っていたら、トリトーネ通りからトレヴィの泉
に向かう路地の周辺で発見!
ダブル・チーズ・ワッパーを注文。久しぶり
なので感嘆、感銘...。やっぱり美味い!
ヨーロッパではビールやサラダなど、メニュー
が豊富なのも嬉しい。
試しにトレヴィの泉に行ってみたが、完全に
イメージと違った。建物や彫刻の質はものすごく
高いが、それを取り巻く空間はこんな感じ。
まるで、多摩川にタマちゃんを見に集まった
集団のよう。怖いよう...。
スペイン広場にも行ってみたが、「別に...」と
いった感じ。
気温が高いので、ジェラートもすぐに溶けて
しまい、手はベタベタ。ヘップバーン気取りも
楽じゃない。
ローマ最後の晩飯は、これまたテルミナ駅そば
のRestorante-Pizzeria 10−12 という店に
入った。もちろん、美味いピザを期待して。
店のお奨めに従い、1番値段の高いムール貝
と小エビ(正直、注文したときはなにが出てくるか
分からなかった)のピザを注文。
味は...イマイチ。昨日のピザのほうが美味い。
ピザは8.20ユーロ。ワインやデザート、食後酒
も注文したので、合計20.40ユーロだった。
ローマの夜に乾杯!
この時はもちろん、明日とんでもないことが
起こることなど知る由も無かった...。
< To Be Continued です >