にわか建築マニア in ヨーロッパ '04今年の夏休みは、またヨーロッパに行って来ました。
イムレ・マコヴェッツ(Imre Makovecz) って知ってますか?
今年の夏休みも仕事の都合もあり、9月末になってしまった。
なにをしようか、どこに行こうか悩んだが、これまで「ヨーロッパ建築案内3(淵上 正幸著 TOTO出版)」を見て、気になっていたイムレ・マコヴェッツを見に行くことにした。
イムレ・マコヴェッツの作品の多くはハンガリーにあるのだが、本当にハンガリーに行くことになるとは正直夢にも思っていなかった。
折角だからと、ローマ、プラハにウィーンを加え、「3都物語」でなく、「中央ヨーロッパ 4都物語」とし、許された日数は11日なので、大忙しの毎日となってしまった。
今考えれば、もう少しゆっくりすれば良かったかもしれない。
9月17日(金)
いよいよ出発!!
訪問する街を考えて、オーストリア航空を予約。 ボーイング747(ジャンボ)以外で海外に行くのは初めて。
エアバスA340は一人分のスペースにかなり余裕があるので、ウィーンまで約12時間だけど、窮屈な感じはしなかった。
一方、機内食のほうは質・量の両面でかなりひどい。
コンビニ弁当の残り物を乗客で分け合った感じ。 また、前席のシートバックにモニターがなく、機内中央部分に中型のモニターがあるだけなので、窓側の人はまともにみることができないと思われる。
さらに、ウィーンからローマまでの機内食は、最初から期待はしていなかったが、サンドウィッチ位はでるかと思っていた。
しかし、実際は食事は全く出なく、ビールなどの飲み物も有料。 しかもかなり高い。 出るのはコーヒーか紅茶だけ。
我慢は出来るけど、どちらかというと、情けなくなってきた...。
さあ、ローマです。
予約してあったホテル ハリファクス(Halifax) を
なんとか捜し当てたが、想像以上に室内が狭い。
また、部屋が4階だというのに、エレベーターがない。
これで75ユーロだというのが信じられない。
ただ、ローマの観光地を見て回るのに、テルミナ駅
の目の前というのはとても便利である。
ローマのホテルは高いと聞いていたので、こんな
ものなのかもしれない。
晩飯は近所のピザ屋で切り売りのピザとラザニア、
ビールを注文。13ユーロなり。
メニューになにが書いているのかわからなかったの
で、切り売りしているピザをたのんだが、これが失敗。
ピザーラのほうがよっぽど旨い。
ラザニアのほうはなんとか普通に食べられるレベル
だった。
やっぱり冒険して1枚オーダーしておけばよかった。
さっさと寝て、明日に備えることにした。
9月18日(土)
やっぱり思い切り早起きしてしまった...。やることが
ないので、まだ朝日が出ていないけど、テルミナ駅に
いった後でESホテルを見に行くことにした。
テルミナ駅は元々新築でないこともあり、最初の
印象はあまり良くなかった。近くで眺めていても、
全然良さがわからない...。
やはり、ディテイルを見すぎていたのだろう。
外に
突き出している部分を含めて見始めると、なぜこれ
だけ評価されるかが分かるようになってきた。
レンゾ・ピアノの関西国際空港のような連続感と
ともに躍動感を感じる。 建てられた時期はテルミナ
駅のほうが古いけどね。
ESホテルの場所はカーサ ブルータス2003年
5月号に記載されている場所とは大きく違い、
散々歩き回って発見。
空港行きの特急が出るテルミナ・エアロ駅の目の
前だった...。
中庭に行ってみたが、ブルータスに掲載されて
いたような色とりどりの部屋からの照明を見ること
はできなかった。
エントランスから撮影。レセプションは大きな繭の
ようで、やはり目を引く。
建物の半分は立体駐車場として使われている
ようだ。かなり素っ気無い印象だった。
次に向かったのはバチカン市国。ESホテルで
時間を取られてしまったので、着いたのはは9時
過ぎになってしまった。
でも、まだ見学者はほとんどいなく、すぐに中に
入れた。
ちなみに、出てくるころには何百人という行列が
できていて、本当にビックリした。
まず、サン・ピエトロ広場のスケール感に圧倒
されてしまった。細かい部分を含めて本当に質感
が高い。
また、早朝ということもあり、とても気持ちが良い。
ゆっくり座ってアイスでも食べていたかった...。
この広場はあまりにも有名なのでこの位で...。
サン・ピエトロ寺院のクーポラ(ドーム)からの
眺望。南側を見ているのだが、写真右下の建物
がすごく気になった。
寺院を出てから、見学が可能かいってみたら、
立ち入り禁止だった...。
中に入った瞬間に体中に鳥肌が立った。すでに、
先ほどの広場で感動し、気持ちは昂ぶっていたが、
これ程の空間が待ち受けているとは外観からは
想像できなかった。
「すっげー!」、「すっげー!」の連発だった。
建物自体も素晴らしいが、彫刻も素晴らしい!
ため息が出てしまうくらいである。
お昼にはまだ時間があったが、腹が減ったので昼食にした。左側のかなりでかくて、厚いサンドイッチを注文すると、右側のようにぺしゃんこで出てきた。パニーニの一種だと思うが、あまりの見た目の違いにビックリ!
次はバチカン美術館。先ほどサン・ピエトロ寺院
に並ぶ行列にビックリしたが、こちらの方がずっと
長かった...。
約1時間並んで中に入った。ここには今回のツアー
のメイン・ディッシュの一つ、システィーナ礼拝堂に
あるアダムの創造を見ることができる。
システィーナ礼拝堂以外の場所はカメラだろうが、
フラッシュだろうが全部OK。
システィーナ礼拝堂はまだかまだかと思いながら
も、ラファエロなどの作品に圧倒される。
本で見てもあの写真のような描写力には言葉を
失う。しかし、ここではその実物をなんと、ほんの
数十センチの距離で見ることが出来るのである。
本当にこの距離で見ても、その無駄のないタッチに
驚かされる。
さあ、いよいよシスティーナ寺院だということで、これまで以上に盛り上がっていると...アダムの想像はなんと寺院の天井部分に書かれていた...。
これは聞いていなかった。残念なことにその天井までは数十メートルある。首は痛くなるし、凝視するため目は疲れてくるし...。また、見たく無くても、周りの絵がいろいろ視界に入ってきて集中できない。もちろん、写真撮影もできない。
この距離で見ると、アダムがちょっと体を伸ばせば簡単に届くのに、アダムに全くその気が無いように見えてくる。ううーんん、期待が大きかっただけに、イマイチ...。
とはいえ、バチカンに来て良かった。しばらく時間を
あけてもう一度来てみたい。
次に訪れたパンテオンには歩いて行った。ここ
も今回のツアーのメインの一つである。
これまで何度も安藤忠雄が推奨しているのを
見ていて、いつかは行ってみたいと考えていたもの
である。
正面から見ると分からないが、建物の外壁は
かなり痛んでいる。正直、いつ何かの拍子に崩れ
てもおかしくないくらいである。
考えてみれば、1900年前に建てられたもの
だから、当たり前と当たり前。存在していること
自体が驚異である。
入り口をくぐると、いきなりドームが現れた。しかも
改修中であった。
ドームのおおきさは想像通りだが、中央部の丸穴
が思っていたより大きい。ううーんん、ちょっとイメージ
的には多き過ぎるかもしれない。光のありがたみが
感じられない。
安藤忠雄の作品はすばらしいのだが、彼が推奨
する建築物のいくつかは、彼が称えるほどの感動
は覚えないことが多い。
この日はすでにかなり歩いたが、老体にムチを
打って、トラムや地下鉄B線を乗り継ぎ、EURに
向かう。天気は残念なことに、パンテオンを出た
くらいから雲が多くなり、駅を降りたときには土砂
降り。
やっぱりロンシャンの教会と同じように晴れた
日に来たかった...。
どうやら内装を改装中で、中に入れない。私の訳
が間違えてなければ、地域の交流センターのような
形で今後使われるようだ。
近くにスポーツセンターがあるためか、ナイキに
よる棒高跳びの分解写真のような表現が行われて
いた。
場末感に満ち溢れていた...。
小腹がすいたので、テルミナ駅にあるカフェテリア
でパスタを食べるが、はっきりいってまずい。
明日訪れる予定のピアノ設計の音楽ホールへの
行き方をホテルの受付に聞いたので、その通りに
バスで行ってみると、ローマのはるか郊外、グイディ
広場に来てしまった。テルミナ駅に戻るとすでに夜。
仕方ないのでESホテルにもう一度行ってみた。
おおっ、朝とは違う印象である。ブルータスで見た
通りである。かなり初歩的な手法だけど、訴えてくる
ものがある。
でも、これもホテルが新しく見える間だけかもしれ
ない。古くなったら目も当てられなくなるかも。
残念なのは、このホテルのお客ではないので、
かなり肩身が狭い点。撮影もおっかなびっくり。
今度はお客として来てみたい。
この日4度目の食事は昨晩と同じ店。でも、この日
は切り売りではない。
やはり、切り売りとは異なり、カリカリとクランキーな
食感はたまらない。日本で皆がありがたく食べている
紙みたいなものとは全く違う。もちろん、こっちのほう
が無茶苦茶美味い。
しかし、この日は朝から晩までチーズが載っている
料理だった...。
< To Be Continued です >