にわか建築マニア in ヨーロッパ '04次は何に感動するのかな?
9月24日(金)
プラハ中央駅から地下鉄に乗り、ムゼウム
(Muzeum)駅に到着。重い荷物を背負い、
冷たい雨の中へ。
ホテルのホームページに出ていた地図を基に
探し始めるが、なかなか見つからない。
また、
こういう時に限って、住所や電話番号が分から
ない...。
結局1時間以上歩き回って、旅行代理店で
調べてもらい、ホテルに到着。ビショビショだし、
体力を使い果たした感じ。
後で場所を確認してみると、インターネットに
出ていた場所と実際の場所は全然違っていた。
ホテルの名前はLunik Hotel Prague。1泊は54
ユーロ(約7,300円)だけどプラハのホテルローマ並に
高かったので、我慢できるレベル。★★★
ちょっと軽く休みたいところだけど、プラハには1日
もいないので、重い体に鞭を打って外に出た。
まずは、ホテルの比較的そばにあるドボルザーク
博物館に向かう。もちろん、着くまでドボルザークの
交響曲 第8番を聞いて、気持ちを高揚させて到着。
かなり期待してきたのだが、なんかピンと
来なかった。残念だけど、恐らく展示されて
いたのは彼の生から死までの歴史であり、
一方、私の中では彼はまだ生きているから
ではないかと思う。
彼のお墓にも行こうかとも考えていたが、
やめることにした...。
ところで、最近知ったのだが、ドボルザークの第9番が「新世界より」と呼ばれているように、第8番も「イギリス」という副題がついているものと思っていた。しかし、どうやらこの楽譜が従来のベルリンにある会社でなく、ロンドンにある会社によって出版されていたために「イギリス」と呼ばれていたらしく、内容や背景には全く関係ないらしい。
「2へー」くらいかな? でも、その背景を知ってて「イギリス」と呼ぶのも通っぽいかも...。
博物館からすぐのところにフランク O.ゲーリィ
のナショナル・ネーデルランデン・ビル(Nationale-
Nederlanden Building)がある。
左側のシリンダー部がドレスを着た女性に見え、
右側のシリンダー部は逆三角形の男性的に見え
るので、ダンス・ハウスと呼ばれている。
実際に見てみると、左側の腰にあたる部分が
かなりふくよかな曲面になっており、確かに女性
的に見える。
モルダウ川の河岸には同じようなデザインの
建物が立ち並んでいる。その中では、もちろん
思いっきり浮いている。
残念なのは中に入らなかったこと。やっぱり
中がどのようになっているか確認すべきだった。
次に向かったのは、モルダウ川を渡った先
にあるジャン・ヌーベルのプラハ・アンデル
(Praha Andel)。
でも、あまりにお腹がすいていたので、そば
にあった中華料理店に入った。メニューで見る
と、中華丼が350円くらいである...。
どんなところか、ドキドキ。
しかし、入ってみたら、かなりまともな店内。
外に出ていたセット料理はメニューの最後に
出ているので注意。それに気が付かないで
帰る客を何組か見かけた。
写真の料理はビールを付けて90コルナ。
チップを込みで100コルナ払ったが、日本円に
すると400円強。信じられない位安い。 味は良く、
場所も良い。店内もきれいで、出てくるのも早い。
そして安いんだから、見事合格!である。
ヌーベルの方といえば、ほとんどの部分を
ING銀行が使っていて、中に入れず、1階に
入っている店舗からは白い面白味のない壁
が見えるだけである。
正直、あまり期待していなかったが、この
ビルはあまりお奨めではない。
大雨の中スメタナ博物館に向かう。もちろん、
スメタナの我が祖国(My Country)を聞きながら。
でも、ちょっと到着が遅れたために中に入れ
なかった。残念。
写真のモルダウ川に架かるのはカレル橋。
橋の右側に見えるのがスメタナ博物館。
雨も小降りになってきたのでカレル橋(上記左側
の写真)や旧市街(同右側)周辺を散策。
しかし、時間の都合で旧王宮を見学することが
できなかったのは残念。
もちろん、ものすごい駆け足だけどプラハ見学を
終え、ホテルに戻るため地下鉄のホームに降りて
みると...。
おおーっ!だからヨーロッパは気を抜いていら
れない。素晴らしいデザインである。
これなら、壁の改修工事が入っても、またこの
パネルを貼り付ければ元通りである。
でも、ふとなぜこの駅には赤が使われているのか
が気になった。もしかしたら、他の駅は...。
想像通りである。ムゼウム駅は赤茶色だった。
じゃあ、その他の駅は...。
おおーっ、次の駅はブルー。しかもこれまで
全てキャンディー・カラー!
この駅は柱にミラー効果のある素材を採用して
いる。壁のブルーが映り込み、さらにクール!!
調子に乗ってもう一駅。今度は濃い目の青味
がかかったグリーン。
調子にのっていたら、終電が終わってしまうので、
この辺にしてホテルに帰ることにした。これまでの
デザインはA線だったけど、C線に乗り換えると、
同じ駅でも表情が変わる。
デザインのテーストは変わるが、質は変わらない。
このあたり、日本の地下鉄も見習って欲しい。
丸の内線もこの前改装したが、その質たるや最低、
または最悪。どこか息のかかった事務所にでも
発注したとしか思えないデキである。
ちなみに電車のほうもデキが良い。このC線は
路線図上では赤が使われている。
日本でも、例えば先に出た丸の内線も赤が使わ
れているが、品質感が全く違う。
まったく、この前まで共産主義だった国にも及ば
ないとは、情けない...。
ホテルに最寄のこの駅は、上のムゼウム駅
以上のデキ。
この辺りまでになると、日本の官僚や公団など
に求めること自体が無理だと思う...。
淵上 正幸さんの本では、大江戸線のホームの
デザインがよく取り上げられているが、チェコの
地下鉄を知ってのことなのだろうか...。
9月25日(土)
今日はプラハからウィーンにへの移動日である。
もしかしたら予定していた時間より早く出る列車が
あるかと、試しに8時前に駅にいってみるが、一番
早いのは10:29だという。 残念。
ビックリしたのはその料金。なんと967コルナ。とい
うことは、約4,000円強!
どんな電車かと思ったが、プラハまでの電車と
比べると2回り位古い。振動も大きいが、新幹線
並み。音はこちらのほうが、ずっと静かある。
F1のザウバーをサポートしているレッドブルを
発見。コルナが余っていたこともあり、試しに買って
みた。味は酸っぱくて、安っぽい味。ちょっと
マシュマロのような風味がする。
ウィーンに到着し、地下鉄に乗り換えると、また
新たな発見が...。
赤いラインがアクセントで入るようなデザインは、
シド・ミードやガンダムの時代(20年位前?)に
良く見られた手法で、新しさは感じない。
しかし、このような公共のスペースで円柱形に
近い壁とともに使われると、また違って、新鮮に
見える。
この赤いラインも、路線によって色が変わるの
だろうか...?
ウィーンで泊まったペンション・クリスティーナ
(Pension Christina)は70ユーロとしてはまあまあ、
部屋自体は狭いが、ここも街の中心部、シュヴェーデン
プラッツ駅から歩いてすぐなので、地下鉄やトラムを
使って建築巡りをするには向いていると思う。
★★★くらいかな。
残念ながら、ここも窓を開けると隣のビルが現れる。
やはり、朝日を浴びて起床したい...。
ホテルを出て、ちょっと歩き出すと、突然
ありえないところからの突出物に腰を抜かし
そうになる。
劇場か、高級ホテルかといった感じだが、
Albertina Museum という博物館のようだ。
中には入らなかったが、かなり優雅な室内
には幅広い作品が展示されているようである。
http://www.albertina.at/
ウィーンではピザがかなり一般的な食べ物
らしく、切り売りの立ち食いピザ屋も多い。
正直、ローマよりお店の数は多いようである。
値段も安いし、出来立てのピザなら美味い!
お腹も落ち着いたので、中心部に行ってみる。
この建物は、ハンス・ホラインのハースハウス。
内部は見学ができないということなのだが、外観・
内部ともにかなり質感の高い仕上がりとなっている。
一部の本では内部も見学可能という記載がある
ので、なんとしてもチャレンジしてみるべきだった。
次にハースハウスの斜め前にある、
シュテファン寺院に入ってみた。
外観は改装中だったのが残念だが、
圧倒されるスケール感。
内部はミサの最中で、祭壇そばまで
は行けなかったが、すごくシンプルな
ステンドグラスが印象的。
800年前に建てられたが、外観は14
世紀に建てかえられたというので、約6
世紀が経っている。良い意味で時の流れ
を感じる。
この教会は後日訪れたので、この位で。
この後、東京の飲み友達に紹介されたパブにいって、ビールやワインをがぶ飲みし、酔っ払ってホテルに帰った。うーん、今日はあまり感動するようなことはなかったかな?
まあ、これまで毎日あったことのほうが尋常でないと考えるべきだろう。
< To Be Continued です >