ラーメン刑事 ガサイレ日誌 in 中部昨年春にクルマの不調で断念した中部地域のガサイレ。今回はそのリベンジです!

背景
 昨年のGWに敢行した
ガサイレ中部シリーズ。しかし、リポートした通り、富士宮のうたちゃんでやきそばを食べて、高速に再びのったと思ったら、すぐにクルマが不調になりリタイヤ。無念、三島にて引き返すことになった。
 これまでにも2001年のGWに東北に行った際に、あまりにも不甲斐ない結果に終わったため、その夏にリベンジを行なったこともあった。そうだ、このままでは引き下がれない。
リベンジするしかないでしょう !?
 基本的なスケジュールは、一部を除き昨年のGWに立てたものとほぼ同じ。ほぼ毎食のように麺類を堪能するという、まさに吹っ切れた感じもする気合いの入れよう。
 今回のメインディッシュは多治見の「信濃屋」。この店は毎週4日しか営業しない。それ以外の日は仕込みをしているとのこと。三輪の「森正」は月・火休み。伊勢うどんの「山口屋」は木曜日休み。まさに針の穴を突付くようなスケジュールである。


5月1日(木): いざ、出発である!

   5月ならではの爽やかな朝日を浴びながら、先回
  ダダをこねた
2CVに火を入れる。8万円をかけて
  キャブをオーバーホールしただけあり、それ以降は
  極めて好調なので、今回も2CVで行くことにした。
   雲ひとつなく、絶好の出発日和である。
   まず向かったのは、メイン・ディッシュである多治見
  の
信濃屋。この店はなんと毎週4日しか営業しない
  もちろん、そのほかの日は仕込みを行っているとの
  こと。マニア心をくすぐられるではないか!




   ダラダラとヘチマの静岡を過ぎ、約3時間+で
  信濃屋に到着。実は一度信濃屋の前に来ていた
  のに、あまりにも謙虚な店構えのため気がつかず、
  少しだけ迷ってしまった。
   テレビでは、開店前には行列ができている光景
  が放送されていたけど、店の前には行列はない。
  さっそく、うどん(600円)と支那そば(800円)を注文。






   

 まずはうどんが運ばれてきた。あまりの麺の太さに度肝を抜かれる。コシというより、とても柔らかい。くずれる直前という感じ。少々甘味を感じるスープは濃いが、すっきりとしており、何杯でも食べられそう。あっという間に完食。ボリュームは少なめ。


   ラーメンの麺はきしめんのように平打ち
  で半透明。歯当たりも固く、噛み切ると
  いった感じ。うどんとは全く正反対の印象。
  これがラーメン?という人もいるかもしれ
  ないけど、ユニークなのは間違いない。
   スープはうどん同様、和風で何杯でも食
  べられそう。
   これが幻とまでいわれたラーメンかあ...。
  感無量である。








   この店にはメニューが3つしかない。すで
  にそのうちの2品をいただいているので、
  折角だから、うどんをかけでいただく(ころ
  かけ:600円)。基本的には最初のうどん
  と同じ食感。オヤジさんが話している内容を
  聞いてビックリ!なんとこの店はうどんを

  1時間茹でる!
そうである。
   これだけ有名店ながら、お店の人はみな
  腰が低い。また、お客さんに気軽に声をか
  けてくれる。
★★★★★。また気楽に来たい。
   岐阜県多治見市上野町3-46 Tel: 0572-22-1984
  日〜火休み。AM11:30〜PM3:00ごろまで。



   次はフランク・ロイド・ライトの
旧帝国ホテル
  見に、
明治村に向かう。ちょっと道に迷うが、
  何とか明治村に到着。着いた瞬間に
興ざめ...。
   確かに歴代の建物をそのままに展示している
  のだから、コストが掛かってしまうのかもしれない
  けど、入園料(1,600円)、駐車料金(800円)、園内
  の周回バス(500円)など、全ての価格が高い。
   でも、まあそのお陰で本来スクラップされるしか
  なかったライトの作品を今見ることができるのだ
  から、感謝すべきであろう...。



   ライトらしい、立体感溢れる造形処理。写真
  よりも実際に見たほうが、個々のモジュールが
  複雑に組み合わさった効果を実感できる。
   近寄って、マジマジと見てみると、かなり腐食
  (?)が進んでいるのがわかる。ライトの作品は、
  どうやらメインテナンスが大変な作品が多い
  ようだ。







   ひさしのように突出している部分も、日本の
  欄間の透かし彫りのような処理が施されている。











   肌に刺さるように感じるくらい強い日差しを避
  けるように室内に入る。事前に調査はしていた
  けど、とっても落ち着いた雰囲気。
   そして、意外に各階の天井高が低い。ライトの
  ボキャブラリー溢れる世界だけど、とてもバタ臭い
  (米国的な)感じがした。







   ほぼ同じ場所を2階から撮影。なぜだかわか
  らないけど、妙に(不思議と)落ち着いてしまう。
  和食を食べる際、日本茶でなく、コーヒーを
  ブラックで飲んでいるような感じかな?


   最初に批判的なことを書いたけど、ここで
  公開されている建物はすばらしいものばかり
  であった。





   遠くから眺めていると、あまり特徴のない
  建物も、実際に足を運んで、じっくり見ると、
  感動で背筋が凍る感じがした。
   上の写真は、敷地の端っこにポツンと保存
  されている
大明寺聖パウロ教会堂。凡庸で
  あり、なぜこんなところで保管されているのか、
  不思議になった。しかし、室内に足を運んだ
  瞬間に、頭から足にかけて電撃が走った...
  (外観の写真は明治村のH.Pより拝借)。




   

 室内だというのに、まるでマイケル・ホプキンスのテントのような空間が広がっている。なんでも、「コウモリ天井」と呼ばれる、交差するリブが特徴的なヴォールト空間である。昨年スペインやフランスで見てきたレンガやコンクリートを使ったものに比べれば、とても日本的な解釈だと思うが、清潔感にあふれ日本の嗜好にとても合っていると思う。
 ぜひ、(特に晴れた日に)一度足を踏み入れていただきたい。

 ほかにも、聖ザビエル天主堂、菊の世酒蔵、宇治山田郵便局、西郷従道邸、聖ヨハネ教会堂など、挙げ出すときりがない。やはり半日くらいはここで過ごすくらいのスケジュールが良いのではないかと思う。それだけ、行く価値があると思う。


   次の目的地は高山。明治村からは東海
  北陸自動車道を使えばあっという間に行け
  そうである。しかし、クルマがあまりに非力
  なので、下の道で行くことにした。
   下の道を走っていると、なんとも不思議な
  建築物を発見。後で調べると「
バーチャル・
  リアリティ・テクノセンター」
というらしい。
  なんとこの建物は
リチャード・ロジャースが
  設計したという!
それを知っていたら、立ち
  寄ったのに...。
   URLは http://www.vrtc.co.jp/(イラストは
  H.Pより借用)。


   途中に走った県道73号は標高が高いのに、
  曲がりくねっているので、時々2速で走行する
  こともあった。疲れた...。
   いくらお昼に3杯食べたといっても、高山に
  着くころには腹ペコ。
高山の有名店、豆天狗
  は7時までなので、もう閉まっている。今日の
  晩飯はコンビニかと諦めかけたところ「飛騨中華
  そば」の看板を発見。ダメ元で店に入った。
   
たぬきという冗談のような名前。店内は
  ラーメン店とすればあまりにも簡素なインテリア。
  場末の雰囲気プンプンである。



   ラーメンが運ばれてきた。まずは麺を
  食べてみた。ニッシンのカップヌードル
  を細くしたような感じ。しかし、スープの
  方は一口で単なる街道沿いのラーメン
  屋でないことがわかる。
   恐る恐るオヤジさんに声を掛けてみる
  と、やはり豚骨は使わないで、丹波の
  地鶏を使っているとのこと。豚肉をスープ
  にも使うけど、こちらもモチ豚を使って
  いるという。
   塩味がかなり強く表に出てきているけど、
  意図してやっているようである。評価は
  90点をちょっと下回るくらいかな。
  減点はこれだけスープにこだわるなら、麺も自家製にして
  欲しい。あと、店主が客の前で「今日はデキが悪い」と
  明言するのはいかがなものでしょうか...?

   場所は前述の県道73号から来ると、国道
  158号とのT字交差点を右に曲がって、高山
  方向へ。高山市に入ってすぐか、もしかしたら
  清見村かも知れない。まあ、夜走っていれば、
  右手にある先ほどの看板を見逃すことはない
  と思う。
   お腹も一杯になったので、高山セントラル
  ホテルに宿泊。5,800円プラス駐車料金800円。
  普通のビジネスホテルである。




5月2日(金):やっぱり、朝7時に起きてしまった。体は正直?

   朝7時前には目がさめてしまい、7:30には
  チェックアウト。高山市内を観光することにした。
  街中を歩いていると、そば、うどん店が多く、
  そのほとんどが支那そば(中華そば)とカツ丼を
  やっている。高山はラーメンとカツ丼天国のよう
  である。
   写真は高山の名店、豆天狗。11時からなの
  で、今回は諦めることにした。





   上三之町は古い町並みがそのまま残って
  いる。この地域は、保存されているのではなく
  て、住民が生活している。街が生きている。
   いつも東京の街中を歩くスピードの3分の1
  くらいで歩くのが心地よい。









   観光名所、高山陣屋は8:45にならないと
  中に入れないので諦め、白川郷へ向かった。

   高山から白川郷へは昨日来た道を戻り、
  さらに荘川村まで戻り、北上するか、国道41号
  を使って、北から大回りをするかの選択肢が
  あるようである。昨日、時には2速を使って
  山道を通ってきて大変だったので、北回りで
  いくことにした。
  



   で、白川郷に向かう、国道360号に入って
  すぐに、電光掲示板が行く手を阻む。なんと、
  残雪で通行止めだという。そばに交番があった
  ので聞いてみると、この時期は毎年通行止めに
  なっているという。しかし、このまま高山まで
  戻るのもショックが大き過ぎる。
   お巡りさんにしつこいくらい聞きまくって、その
  中間にある県道90号を使って清見まで戻る
  ことにした。






   途中、御母衣湖脇を通った時には、思わず
  クルマを停めて、景色に見入ってしまった。
  写真ではその時の感動の10分の1も伝えられ
  ないのが残念である。
   5月の強い日差しが湖に反射してハレーション
  を起こし、全体的に白っぽくなっているのが残念。
  せっかく、湿気が少ないので遠くの山並まで見渡
  せるというのに...こういう時は偏光フィルターに
  望遠レンズで撮るんだろうなあ...。
  








   心地よい5月の風に吹かれながら、なんとか
  白川郷に12時前に到着できた。去年の春に
  失敗しているだけに、達成感十分である。
   うぅぅぅぅぅーん、これが長い間自分が見たかった
  合掌造りかぁ...。
   ただ、ここに来て感じたのは、あまりにも観光地
  化していて、街道沿いなどは鎌倉の大仏前の
  ような賑やかさである。うぅぅぅん...。まずは、昼食
  にしよう。
  
   






   注文したのは、よくばり和膳 1,350円。そばと朴葉(ほうば)味噌
  で飛騨牛を堪能できるという、欲張り振り。でも、写真の通り、今
  一つ盛り上がらない。不味くはないんだけどねえ...。










   少し歩き回った後、国重文の
和田邸を見学。ここまで来ると、
  「はなまるき」の世界であり、あまり懐かしいという感じはしない。











   和田邸の2階。以前写真で見た通りである。2階の窓から
  外を見るとまた格別である。

   今回、白川郷を訪れたもうひとつの理由は、合掌造りの集落
  をバックに2CVを撮影したかったからである。なぜなら、2CV
  のビラー等の造形と、日本家屋、特に合掌造りの造形ととても
  近いものを感じていたからである。






   とはいえ、街道沿いはクルマと人に溢れて、2CVを停めて
  写真撮影なんて不可能だし、事実上宿泊客でもない限り、撮影
  のために路地に入っていくのも回りの目が気になる。
   地図を見ると、街道をさらに北に進み、富山県に入ったところ
  に
菅沼相倉にも合掌造りの集落があるようである。スタンド
  で確認してみると、白川と合わせて3ヶ所で世界遺産として登録
  されたらしい。
   しかし、実際に行ってみると、正直いって2ヶ所ともショボく、
  また、クルマでは入れなかった。




   2CVの撮影を諦めて、白川郷の入り口まで
  戻ったところでおそば屋さん
あらいを発見。
  カツ丼もやっているようだ。早速、カツ丼850円
  を注文。店内は、都内でも良く見かけるような、
  普通のおそば屋さんらしい店内。

   カツ丼が運ばれてきてビックリ!ご飯の上に
  揚げたてのカツがそのまま載り、その上に蒲鉾
  などの上品だけど鮮やかな素材をとじこんだ
  玉子焼きが(玉子の層が)載るといった感じ。
  カツを玉子ではとじていないようだ。
   味付けは...甘い...。砂糖と玉ねぎの甘さがW
  でやってくる。カツの衣はカリカリだけど、肉は
  薄くてハムカツのようである。評価はユニーク
  なので
★★★




   食事が終わって、白川郷の表通りを走ってみると、
  思っていた以上に人の数が減っている。どうやら、
  ここにはお昼前後に到着して、3時前には帰ってしまう
  ようだ。
   お昼時にはクルマと人でいっぱいだったお土産やさん
  の駐車場もこの通り。この写真は光の具合、特に屋根
  の色が明暗のきれいなグラデーションが出ているところ
  や、2CVがミニカーのように見えるくらいかわいく映って
  いるのだが、家に帰ってきてみてみると電線がとっても
  うるさく映っている...。とっても残念。
   せっかく、火気厳禁というのであれば、電線くらい地中
  に通せ!


 明日のスケジュールもあるので、後ろ髪を引かれる思いで白川郷を出て、大阪の茨木を目指すことにした。途中、行きで使うのを控えた
東海北陸自動車道にのってみる。のってすぐにその判断が正しいことがわかった。それほどきつくないけれど、下り坂がずーーっと続いているのである。言い換えれば、行きは登り坂がずーーーーーっと続いていたことになる。そんな坂を皆100km/hくらいで走行している。しかも走行車線は片側1車線のみ。もし、2CVで走ったら、70km/hでるか心配なくらいなので、大迷惑である。よかった...。



   ちょっとボケ―ッと高速(といっても90km/hくらいだけど)を流して
  いると、左側に眼を疑うようなタワーが目に入る。あまりにも気を抜い
  ていたので、幻覚と思ったくらいである。とりあえず、写真を撮ろうと
  したが、すぐに防音壁が始まって、撮影ができなかった。
   帰宅後調べてみると、このタワーは一宮市にある
ツインアーチ
  138
というらしい。写真は下記の一般の方のH.Pから拝借。勝手に
  使ってすみません。一所懸命、一宮を宣伝しておきました。
    http://www.petile.com/home/index.html









 茨木には夜9:30頃には無事到着。2CVは極めて快調。新車の時期よりも元気かもしれない。怖いくらい...。セントラル・ホテルに泊まったが、消費税、駐車場代(500円)込みで6,590円だった。室内も普通だけど、昨夜のホテルよりは名前は同じ(?)だけど、2ランクくらい上といった感じ。不満はない。さあ、晩飯だ!

 駅前をグルグル回ってみたが、適当なお店が見つからない。仕方ないので、
孝来というラーメン店に入った。店内はごった返していているのに、お客さんは多い。しかし、お客さんが多いからといって、美味い店とも限らないので期待は禁物。「チャーシュウ麺専門店」というので、ウリのチャーシュウ麺(650円)を注文。



   麺は中華らしく、白く、ストレートで伸びやかである。
  あっさりスープは透き通り、あたりがすごく柔らかい。
  また、甘味がある一方、喜多方ラーメンっぽいところ
  もある。恐らく、野菜をかなり使っていると思われる。
   まあ、このくらいが大阪の普通のラーメンのレベル
  なのだろう。黄色いのコップがお茶目である。
★★+

   その後、本屋さんに行き、ラーメン本を見てみると、
  石神の本の関西版を発見。茨木で調べると、なんと
  比較的近くにあるラーメン店が記載されている!
  もちろん、悩まず購入。すぐにお店に向かう。




   駅から徒いて約20分。万博会場に向かって歩き
  続けると、「万博ラーメン
」を発見。半チャーシュウ
  麺750円を注文。並が600円で、チャーシュウ麺が
  900円。その半分ということ。
   豚骨だけで出したスープはむしろあっさりした印象。
  麺はストレートで柔らかめ。上に載るチャーシュウは
  半分なのにすごい量!麺が見えないくらい。
   全体的には気を遣っているが、あまり特徴のない味。
  7割くらい食べたところで箸が止まったが、テーブルの
  上に置いてあるニラを辛し味噌であえたものを入れ
  たら味がひきしまり、輪郭がはっきりした。思わず完食。
  
★★★+

 ホテルの鏡で体を見ると、ほとんど臨月状態。「苦し〜っ!食べ過ぎだ〜っ!」 今日は5食だったからなあ...。しかし、明日のスケジュールはもっとハードなのだ。思わず武者震いが...。
 テレビをつけると、「探偵!ナイトスクープ!」が始まった...?最初は地方だから遅れてやっているのかと思ったが、すぐにこの番組は関西で撮っていることを思い出した。実は、私この番組好きです。
 期待して見ていると、なんだか東京で放送されている内容と違う!?正直、あんまり面白くないし、やることもないので寝ることにした。


5月3日(土): さあ、最終日。張り切って参りましょう!


   今日のメインは、安藤 忠雄の通称「光の教会」。見学は
  要予約となってはいるが、とりあえず現場にいってみること
  にする。見学が始まる10時に電話を入れてみると、掃除が
  あるので11時にして欲しいとのこと。それでは、ということで、
  もう数十年間気になっていた万博会場にある
太陽の塔
  見学することにした。
   光の教会から歩いていったが、距離はそれほどでもない
  のに(20分くらい?)、強い日差しのためか結構つらい。
  でも、塔を見た瞬間に全身が震え、暑さは感じなくなった。




   正面から見ると、ウルトラ怪獣の登場シーンのようである。
  正直、基本造形はあまりたいしたことはないと思うけど、
  この大きさが岡本太郎のパワーであり、かれの才能を確信
  する回りの方の団結力を現していると思う。圧倒である。
   手(?)の部分の造形がコルビュジェのロンシャンの教会
  
と似ていると思うのは私だけだろうか?








   この塔が本当にすごいと思うのは、遠くから塔の一部分が見える
  だけでも認識でき、その見事なバランスに思わず眼を奪われてしまう。
  背後から見ると、背中のカーブと全体に対する顔の部分のバランス
  から、まるで猫のように見えてしまうのは、これまた私だけだろうか?
   万が一、これまで実物を見たことがない人は、絶対一度見て欲しい。
  いつ、このすばらしい作品を解体...なんて話しがでてきてもおかしくない
  くらいの齢を重ねているので、どうせ見に来るなら早いほうが良い。
   文句なく、
★★★★★








   天気も良いので、Isamu Noguchi (日系アメリカ人なので)
  の作品もイイ感じ。

   そろそろ約束の時間に近くなったので、仕方なく教会に向かう。
  今回は上記2作品しか見学できなかったのが残念。毎度のこと
  だが、次回はしっかり他の施設なども見てみたい。
   教会に着き、暫し待っていると、平松 剛著の「光の教会
  にも書かれた軽込牧師と思われる方が現われ、いきなり教会に
  通してくれた。




   この教会は「
光の教会」と呼ばれるが、正式名称は茨木春日
  丘教会
という。教会の中に入った瞬間にこれまでここを見学する
  ために費やした時間と費用が全て報われた気がした(それほど
  大したことはしていないけどね)。
   本当に美しいし、前出の平松 剛著の「光の教会」を読んでから
  来ると、その感動はより一層だと思う。「一柳社長、社長の手がけ
  た教会をやっと拝見することができました。もちろん、すばらしい
  デキです。仕事を引き受けて本当に良かったですね。天国でも
  自慢されていることでしょう...。」
   この本を読むと、「生みの苦しみ」という言葉が頭に浮かぶが、
  実際に建物を見てみると、そんな感じは全くなく、何事もなかった
  ように、当たり前のように敷地一杯に建っている。








   これだけ「光の教会」が有名になったので、資金を得た
  ためだろうか。上記の写真の右側に礼拝堂の同じくらい
  の敷地面積で、かつ2階建てで増築が行われていた。
   礼拝堂のほうはコスト削減のため、足場板が床とか
  長机に使われたといわれているが、増築部分は北欧の
  インテリアを思わせるような白木作り。同じコンクリート
  打ちっぱなしで木製の家具とはいえ、印象は硬と柔という
  印象で、全く異なる。







   2階からの眺め。もともとの敷地が広くないので、
  のびのびとした感覚は全くないが、箱庭感覚でなんと
  か収まっているといった感じ。












   増築部分の凝った作り。エッシャーのだまし絵のよう
  にも見える。ここまでやる必要があるのか、正直疑問。
  正直十字架の礼拝堂だけで十分だと思う。
   この教会の信者の方は反対するだろうけど、礼拝堂
  に増築するのではなくて、独立したままの形にして、
  軽込牧師の住居部分に手を加えてお手洗いなどを
  設置すべきだと強く感じた。蛇足である。









   増築部分の2階に至る階段横に無造作にスチレンボード
  のモデルが展示されていた。全てはこのモデルが始まりなの
  だろう。安藤氏にとっても、この教会にとっても...。
   しかし、これだけ集客(?人)効果があり、仮にその結果、
  増築ができたとすれば、最初の安藤による礼拝堂の建設は
  費用対効果という面ではまさに投資である。
   えっ!評価?もちろん
★★★★★ しかないでしょ!






 ところで、昨晩セントラル・ホテルのフロントにいた、老若の女性社員に光の教会について聞いてみたのだが、2人にとも知らなかったのはビックリ!もちろん、安藤 忠雄も知らなかった。やっぱりこの辺なんだろうなあ。不況、不況といっている人たちの多くが見聞というか、貪欲さ、勉強する気持ちが少ないために目の前にあるチャンスに気がつかないのは。
 私がこのホテルの関係者だったら、絶対、教会と関連付けてホテルのバスで往復するような安価な見学ツアーなど考えるのに、もったいない。英語のH.Pを作って、外人向けの万博と合わせたツアーなんて結構受けそうだけどね。結局、教会があると思われる近隣の地図を見せてもらっただけ。全く貪欲というより、むしろ厚顔無恥のような印象を覚えた。

 念願の光の教会太陽の塔を両方見ることができたので、もう満足!今、タイプして気がついたのだけど、
の教会と太陽の塔とはなんという偶然。これに対抗するためには、南アのサン・シティーくらいしかないかな?ジャクソン・ブラウン...懐かしい...。

 知的欲求が満たされると、今度はお腹が空いてくる。クルマを茨木駅前に停め、電車で難波に向かう。
一個人で紹介された今井といううどん屋さんに行くためである。しかし、現地に着いていろいろ歩き回ったが、見つからない。仕方なので、古本屋さんのオヤジサンに聞いてみると、なんでも
火事でお店を焼失し、店を閉めてしまったということである。せっかく来たのに食べられなかったという失望感より、一個人で掲載されるようなお店が、火事のようなお店には直接関係ない理由で店を閉めてしまったことのほうが悲しかった。


   他のお店を探したが、奈良・天理ラーメンの神座はすごい
  行列ができている。日本橋のふもとに喫茶店があり、なんと
  そのお店でカツ丼をやっているのを発見!かなり迷って入店
  することにした。
   お店の名前は
カフェ・カッサション(Cafe Cassazione)。
  店内から道頓堀川を見下ろすことができる。
  






   モダンなイスを置いている店内で、まさかカツ丼が食べれる
  とは思わなかったので、入店のときに思わず確認してしまった。
   このムーミンに出てくるニョロニョロのようなイスは見たことが
  ない。見た目はあまり座り心地が良くなさそうであるが、意外
  や落ち着く。まさかこんなコテコテの関西丸出しの場所で、また、
  こんな不思議な空間でカツ丼を食べるとは思わなかった。
   ちなみに
カツ丼はコーヒー(または紅茶)付きで850円!
  えぇっ!
コーヒー付き!でも本当なんです。




   カツ丼が運ばれてきて、ここが関西だったこと、
  ここが喫茶店であったことを思い出した。カツが
  バラバラである。まるで冷やし中華の具のように
  円錐形を形作るようである。
   で、食べてみると...、うまい...。半熟に近い玉子
  がご飯にからみ、玉子掛けご飯状態。時折カツを
  つまむような感じ。味付けが良いためか、あっと
  いう間に完食。そして、コーヒーも予想していた
  より美味い。恐るべし関西文化。評価は関西と
  いうことも加味して、
★★★+
  





 茨木に戻って、クルマを走らせ、今度は奈良へ向かう。今の天気は本当に晴天で、気持ちが良い。さらに、気温も湿気も真夏ほどではないので、エアコンの無い2CVにはぴったりの天気である。キャンバストップを半分開けて、走り続ける。名神・茨木I.Cから近畿自動車道、西名阪自動車道と乗り継いで天理に到着。本当なら、天理で彩華や天理スタミナラーメンにでも寄りたいところだが、この日を最終日に決めたので、泣く泣く三輪までノンストップで走りつづけた。
 通常、クルマでノンストップというと、ドライバーが頑張って運転し続けたのが焦点となるが、2CVの場合は明らかに焦点はクルマの方。ここまでノントラブルなのが信じられない。などと考えていると、三輪にはいった。三輪といえば、もちろんそうめん。森正(もりしょう)とい店の場所を出発前に地図で調べて見るととてもわかりづらい。かなりビビッテいると、そばにある大神神社の看板が...と思ったら、今度は
ドデカイ鳥居が出現。これなら見逃すことはないと思います。


   そのドデカイ鳥居をくぐり、これ以上は車両進入禁止という
  ところで細い路地を左に入ってすぐのところに
森正が店を
  構える。
   古い蔵付きのお屋敷の前庭を使ったような、広々としながら
  も、良い意味で箱庭感覚がある心地良いスペース。5月の
  そよ風に吹かれながら、そうめんを待つ。







   この店は一個人2000年No.3号で紹介
  されていたので、これまでの実績を考えれ
  ば、もちろん期待がたかまる。

   そうめんはすぐに運ばれてきた。

   「あっ、同じだ!」 
一個人に掲載されて
  いた写真と運ばれてきたものが全く同じ
  なので思わず声が出そうになった。
   見た目にとても涼しい。いったいこの店は
  冬はどうしているのだろうか?800円なり。
   そうめんだから、当たり前かもしれない
  が、麺が思っていたよりずっと細い。







   のど越しが究極に良く、いくらでも入りそう。
  お庭を草花を見ながら、そうめんを口にする
  と、運転に疲れた体が蘇ってくる。もう大
  満足である。そうめん自体も細いけれど、
  1本1本にしっかり腰があり、ちょっと濃い目
  の味付けの付け汁に負けていない。この汁
  がまた独特の味付けで、六角を使っている
  ような味で、奥が深く、影で尖っているような
  ところがある。麺も汁も販売しているので、
  お土産にいかがでしょうか?
   また、麺は茹でなくても、微妙な塩味がある
  ため、ポキポキとスナック感覚で食べれて
  しまう。でも、もったいないかもしれない。
   この店も
★★★★★ である。



   普通の人なら、ここで帰路に着くところだが、
Big Jessie
  私はもう1軒目指して、今度は伊勢に向かう。
   しかし、伊勢に向かう国道368号の峠付近は最悪。林道を
  簡易舗装しただけのような道はスピードが出ず、閉店時間の
  7時に間に合いそうもない。焦って、よく地図を見ないで運転
  していることもあり、松阪市周辺で道に迷ってしまった。
   何度も諦めたけど、ダメモトでお店に電話すると、なんともう
  
お店を閉めてしまった...という。でも、ぜひとも伺いたい旨
  を迷惑にならない範囲で(口調で)話すと、少しなら
待ってくれる
  という!
涙がでそうになった
。伊勢市駅前にクルマを捨てる
  ように停め、お店に走った(ワクワク)!




   お店に入って、まず待っていただいたことに
  お礼を述べ、すぐに伊勢うどんを注文した。
   この
山口屋も先ほどのと同じく一個人
  2000年No.3で紹介された店。先ほどの興奮も
  まだ体に残っているので、期待がたかまらない
  わけがない。
   早速、小ぶりのどんぶりに山盛りに盛られて
  伊勢うどんが運ばれてきた。
   ゴン太の麺を濃い付け汁に浸すと、純白の
  麺の色が濃い茶に変わる。お店の人によれば、
  こちらは自家製だけど、最近は製麺店から
  仕入れるお店がほとんどだという。






   その茶色に変わったうどんを口に運ぶと...。
  “軽い...” 極端ないい方をすればマシュマロの
  ような感じ。腰というものはなく、とても不思議
  な食感。
   後で一個人を見てみると、この店もうどんを
  1時間茹でるという。そして山口屋はこの製法
  を昭和初期の開店以来守りつづけているという。
   器が小振りなこともあり、すぐに完食。本当は
  お代わりをしたいところであるが、既に閉店の
  時間は過ぎているので、心残りはあるものの
  お礼を述べて店を出た。
   う〜ん、個性があるけど、1回食べただけじゃ
  よくわからない。
★★★★+ くらいかな。




   普通の人は三輪でそうめんを食べたところで
  帰路に着く。マニアの人は伊勢まで足を運ぶ。
  病気の人は山口屋の前にある
なきりやに入る。
   なきりや?どういう意味だろう。とりあえず、
  伊勢うどんを注文。
   明らかに山口屋とは異なる食感、、軽さ。でも、
  普通のうどんと比べれば十分に軽い。ただ、汁
  のデキもあり、まるでお餅を砂糖醤油につけて
  食べているような味。
   今、写真を見ても上の山口屋とは全く違い、
  むしろ讃岐うどんに近いように見える。
★★+







   病気の人でも、普通はここで帰る。でも。カツ
  丼ファイター(通称 K−1ファイター)はまだまだ
  ハングリー精神が強い。
   実は伊勢うどんの他にも、カツ丼を注文して
  いた。しかし、デキはうどん以上に良くなく、
  珍しくちょっと残してしまった。
  評価は
★★ です。









 
さすがにもう食べられない。時間も9時になろうとしている。高速を乗り継いで走り続けていると、起きているのに起きている気がしなくなってきた。もちろん、運転していて眼を開けて前を見ているのに、まるで運転しているのが自分でないような感覚だった。
 家に着いたころにはボロボロ、ほとんど意識がない。でも、今思えば無茶はしたけど、予定通りに食べまくることができた。これは1度も調子を崩すこともなく元気に走りつづけた2CVのお陰でもある。感謝。これで、やっと去年のリベンジができた。

           <ミッション・コンプリーテッド!> 

*この旅の収穫: 正直、またちょっと大食いになったような気がする...。

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